風化水脈 新宿鮫VIII (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (674ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740283

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった!
    最後の最後まで、どっち?どっちなのっ?
    ハッピーエンド?アンハッピー?
    ドキドキしながら読んだ

    鮫島が高級車ばかりを狙う窃盗団を追う中で出会った、駐車場管理人の大江。
    刑務所から出てきた真壁。
    窃盗団の頭領の王。
    遠い過去からの出来事がこんな風に事件に絡み合って繋がっていくなんて…おもしろい。面白すぎるっ

    真壁の出所を待ち続けた恋人の雪江とその母親のやりとりに、泣かされたなぁ。母と娘っていいなぁ。

    ヤクザも中国窃盗団も警察も、それぞれの人生の中心軸に何を置いているか、何を大切にしているかで行動が変わってくるのも面白かったなぁ。

    なんだか忙しい日が続いていて、短時間の読書を何回も繰り返しながら読み進めたのだけど、本を開くと、またすぐに物語の世界に戻っていける。それぐらい引き込まれました。
    満足の一冊(^^)

    • 土瓶さん
      よくおぼえてないけど( ´∀`)bグッ!
      よくおぼえてないけど( ´∀`)bグッ!
      2024/03/04
  • この湧きあがってくる熱い想いは何なんだ!自分が愛し続けるヤクザの男。この男を守りたい、どんな方法をとっても守りたい。最後に行きつく方法は新宿署の鮫島(新宿鮫)。雪絵のプライドは一切ない。ただその男が生きてさえいればそれでいい。過去に中国ヤクザを殺害した真壁、真壁の出所を聞きつけた中国ヤクザが真壁への復讐を計画する。鮫島が中国ヤクザの悪行の1滴を見つけ、捜査により水路となり川になる。鮫島の警官としてのセンスが余すところなく心の琴線に触れた。雪絵の真壁への想いは雪絵の母の想いと相まって力強かった。

  • 新宿鮫シリーズ8。

    前作の舞台であった鹿児島から新宿に戻ってきました。
    自動車窃盗事件を追う中で40年以上も前の事件を掘り起こしてしまった鮫島は、やがて街と人の歴史を垣間見る事となります。

    シリーズの舞台である「新宿」という街を改めて見つめ直す1冊ですが、新宿の歴史と人々の人生を豊熟した雰囲気で描いており、これまでのアクション満載の展開とは一線を画します。
    派手で享楽的な街である新宿にも、積み重ねてきた悠久の歴史があるのだと思うと感慨深いものがありました。

    この街に根を降ろした人々の長きに渡る営みが見える過去の事件と、出稼ぎにきただけの刹那的にこの街で生きる中国人犯罪集団が絡む自動車窃盗事件という、対照的な人々が行き交う物語の展開も雑多なこの街に相応しいものだったと思います。

    鮫島に因縁のある一人であった暴力団構成員の真壁が、ヤクザから足を洗って彼を支え続けた雪絵と人生を共にしようと奔走します。しかし、そう簡単に事が運ぶはずがなく、二人の幸せな未来が示唆されるほど危機感が募って緊張しっぱなしでした。
    雪絵の期待と不安に揺れる女心や、母との微妙な距離感の描写もとても良い。

    この作品はシリーズを重ねてきたからこそ出せる雰囲気ではないかと思います。
    雪絵の客である謎の男の、物語への絡み方もかっこよかったです。

  • 今日読み終わって図書館に返却。

    話の中に出てくるモノ。
    さっきニュースで「ヒロポン」が特攻隊員の最後の食事に入っていた、注射した…
    チョコに入っていたと。

    小説も事実も、色んな意味でドキドキする。

    • 松子さん
      やすこ、おはよ(^^)
      ひろぽん?特攻隊員?チョコ?
      ん?と思ってニュース調べたらでてきたっ
      悲しくて悔しくて、信じられない事実だねぇ
      戦争...
      やすこ、おはよ(^^)
      ひろぽん?特攻隊員?チョコ?
      ん?と思ってニュース調べたらでてきたっ
      悲しくて悔しくて、信じられない事実だねぇ
      戦争って正気じゃ出来ないことなんだよね…
      2022/08/19
  • 面白かった

  • 新宿鮫も真壁さんも、真壁さんの彼女も素敵!

  • 木津という男が拳銃を密造していた事件で、中国の犯罪組織の一員を殺害し、刑務所に入っていた藤野組の真壁が出所することになり、彼のことを慕っていた雪乃という女性といっしょに暮らし始めます。

    一方鮫島は、外国人が関与している自動車の盗難事件の真相を追っていました。彼は、盗難車を停める「洗い場」として使用されている駐車場をさがし、大江という管理人の老人と知りあうことになります。ところが、駐車場の近くの井戸で古い死体が発見され、しかもその死体は、40年ほど前に一人の警官から盗まれた拳銃で殺害されていたことが判明します。

    稼業と女のあいだで静かな苦悩を抱え込む真壁の、どこかくたびれたような姿に、哀愁をさそわれます。

  • 主人公の活動する「新宿」という戦後の混乱(混沌)をそのままにとどめているようにもうかがえる地域、そんな街の時の残滓を浚った物語。中盤あたりに屍蠟化した死体の発見されたところで、その事件背景(真相=犯人)というかその後の展開ついては初心者のミステリ読みでも易く凡の想像のつくものであったように思う。しかしそんななぞるような物語展開となってしまったものの力ある筆致にひきこまれ、精彩(魅力)が登場人物たちの錯綜する物語世界に最後まで浸ることができた。大沢アニキ・・さすがである。

  • やっぱすきだわ!新宿鮫!
    久しぶりにシリーズの続きを古本屋で見つけたので
    読んでみた。
    しかも読んで早速、真壁がでてくるとか…
    シリーズもう一回初めから読み返したくなりました。

  • 【作品紹介】
    殺人傷害事件で服役していた藤野組組員・真壁が出所した。だが、真壁が殺そうとした男は、藤野組と組む中国人組織のボスになっていた。一方、高級車窃盗団を追う鮫島は、孤独な老人・大江と知り合う。大江に秘密の匂いを嗅いだ鮫島は、潜入した古家で意外な発見をした―。過去に縛られた様々な思いが、街を流れる時の中で交錯する。心に沁みるシリーズ第8弾。

    【感想】
    シリーズ一番の長編。カバン入れて歩くのが大変だった。。。
    大沢ハードボイルド真骨頂、相変わらずの外れ無し。
    今度はヤクザが足を洗うまでの物語。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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