セント・メリーのリボン (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740313

作品紹介・あらすじ

失踪した猟犬捜しを生業とするアウトロー探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方をつきとめる仕事が舞いこんだ。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが、やがて…(表題作)。限りなく優しい誇り高い男たちの人間模様を、無駄のない文体とハードボイルド・タッチで描いた、感動を呼ぶ珠玉の作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 余計なものをそぎ落とし、洗練しまくった末に完成されたって感じの短編集。それでいてハードボイルドのテイストは少しも霞まない。面白い。外国文学は苦手だが興味がある人は、この作品から読み出すと入り込める気がする。案の定、読了後久しぶりにヘミングウェイが読みたくなった。何より嬉しいのは読者が創造する余地を十二分に残し、読了後その時間を楽しませてくれる。この短編集ホント面白い。

  • ハードボイルドなる読み物のジャンルがある、これを一言で説明しようとすると…素人には難しい。ただし、どれがそのジャンルに属するのか?という問いに対しては簡単に答えられる。それが作家稲見 一良と今作であると。

    表題作がとってもよいのは万人が認めるところだが、全体的にジャンルが違えど、淺田次郎の「鉄道屋」に似てる気がした。ファンタジー色の強い作品があったりする点で。自分の心に深く切り込んだのは間違いなく稲見氏であったが…

    そのファンタジー色の強い短編「花見川の要塞」が特にお気に入りの一作となった。少年に戻りたい、そんな妄想に駆られること必至であった。特に自分の年代の読者はそう感じるのではないか?

    表題作の最後でタイトルの意味が示される、なんて優しい男なのだろう、女が濡れる感覚を男の身で本能的に感じたほどである。大人の為のハードボイルド、これに異議ある読者はいないと思われる。

    既読だった「猟犬探偵」を再読してみようと思う、順番逆だったよな…

  • 正月休みから一篇づつ読んでいたのだけど、ちょっと間が開いていて、今日は岐阜へ義父を見舞いに行った行き帰りでポツポツと読了。
    スタイリッシュで格好良いです。ちょっと格好良すぎるかも。昔パーカーのスペンサーシリーズが好きで良く読んでいたのだけど、そうした流れですね。
    『焚火』や『セント・メリーのリボン』はその系譜に沿った文体で有無を言わさないハードボイルドである一方、『花見川の要塞』はそういう文体で書いた童話で印象深く、『麦畑のミッション』はどこか昔の映画“Amazing Stories”の中の一篇を思い出させます。
    日本の話であってもどこか違う世界のような、今の話であってもどこか昔に見たような、そんな雰囲気も独特で。

  • 短編4本の後に中編の表題の小説。

    短編の方は、1本だけ犬がちょい役で出てくるが、他は出番なし。

    「セント・メリーのリボン」は、猟犬探偵・竜門卓のお話で、ハードボイルドなんだろうが最後はほろっとさせられる。
    ただ、相棒の猟犬ジョーにしても、他の犬にしても特に描写はなく、「犬を処分」なんて表現をするところからもわかるように、犬に対する愛情はあまり感じられなかった。猟犬を使う人たちってそんなものなんだろう。


  • 沈黙の中で、静寂の中で、暴力の中で、「温かさ」はいっそう映える。
    男の温かさ。
    表題作最高に好き。
    男とバーボンと私。

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  • 20年?ぶりの稲見一良。冒険小説とジュブナイルの近縁性について気がつく。どちらも矜恃を持つ人物による物語。


    購入:有隣堂藤沢店rebooks2011/2/13
    再購入:2012/02/07 ,JPN300

  • 【本の内容】
    失踪した猟犬捜しを生業とするアウトロー探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方をつきとめる仕事が舞いこんだ。

    相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが、やがて…(表題作)。

    限りなく優しい誇り高い男たちの人間模様を、無駄のない文体とハードボイルド・タッチで描いた、感動を呼ぶ珠玉の作品集。

    [ 目次 ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • これは意外と良かった。なんかこてこての話ばかりかなー、と最初は思ったけど、頑張るおっさんに共感するのは自分も年を取ったからか。

  • 終着駅、セントメリーのリボン。

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