父からの手紙 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1022
レビュー : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740320

感想・レビュー・書評

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  • 初読みの作家。期待せずに読んだのだが、深い哀しみと感動を覚えるミステリー作品だった。

    麻美子と伸吾の姉弟の元には十年前に突然、失踪した父親から毎年、誕生日に手紙が届く。父親はどこで、何をしているのだろうか。一方、殺人の罪で服役していた圭一が出所し、新たな生活を始める…麻美子と伸吾の姉弟と圭一が偶然にも出会い…

    十年間、途絶える事が無かった誕生日の手紙から深い父親の愛情が伝わる。父親の失踪の真相と圭一の犯した殺人事件が少しづつリンクしていく過程が面白い。

  • 親子の絆を描いた物語
    しかし、本当に父親として子供たちのためにすべきことはなんだったのかを考えさせられる物語です。

    本書は、ずいぶん昔に一度読んでいました。
    すっかりストーリを忘れていましたが、だんだんと思い出してきてしまい、自分でネタバレすることでミステリとしての面白さは半減でした(笑)
    とはいうものの、子供を持つ父親としての考えさせられる物語となっています。

    ストーリとしては、失踪した父親から毎年、姉弟に届く手紙。その手紙を支えに生きてきた姉に不幸が襲います。
    本当に自分が愛している男の工場を救うため、資産家と結婚を決意する姉。しかし、その婚約者が殺され、弟が容疑者として逮捕されてしまいます。
    弟を救うため、その事件を一人で捜査していきます。

    そして、それと同時並行でもうひとつの物語。
    義姉を救うために刑事を殺害した男。9年の刑期を終え、出所後、義姉の行方を追います。
    なぜ、刑事を殺したのか?9年前に起きた事件の真相を明らかにしていきます。

    この2つの物語が、姉の視点、男の視点と切り替わりながら進んでいき、その探偵役の二人がひとつの真実にたどり着きます。
    なぜ、父親は失踪したのか?
    9年前の事件の真相は?
    男が本当に守りたかったものは?
    そして、父親が守りたかったものは?

    そんなストーリ展開です。
    ご都合主義的な展開が多く、姉が一人で、そんなところまでてきぱき捜査できるか?とか、そんな都合よくぽんぽん謎が明らかになるかぁとか、ありますが、本書の真髄はそういった謎解きの面白さではなく、この父親が命がけで家族を守るために実行した策略、その思いの強さ、託された人の絆、それを前面に押し出すためのものだと思います。

    とはいえ、この父親の選択については自分としてはNOです。
    自分を犠牲にして他人を幸せにすることはできません。

    最後に出てきた数多くの手紙には熱いものがこみ上げてきました。

    お勧め!

  • 2014.12.1(月)読了。
    二つの物語から始まります。
    中学の頃に失踪した父から誕生日になると届く手紙を受け取り、失踪後なにかと世話をしてくれた父の友人でもあるわけ山部の会社のために偽りの結婚をしようとしている麻美子と、殺人事件を起こし、9年の服役を終えて出てきてなぜ自分が殺人を犯してしまったのか真実を掴みたい圭一。

    この二人の物語が重なるとき、明らかになる真実が…

    ----------------------

    ミステリーですこれはミステリーw
    手紙の内容がいいんです。励まされたりじした。最後は少しホロリときます。
    いや、涙腺弱い方なので、ちゃんと涙しました。会社でクライマックス読み上げなくてよかった〜 笑
    小杉健治さん、始めてでしたが読み応えありました。他にも探してみようかな。

    • ことぶきジローさん
      父と子の旅路もおすすめです!
      父と子の旅路もおすすめです!
      2014/12/02
  • 本屋で何度か見かけていて、購入。
    その後も読む機会がなく、だいぶ放置されていたものの、遠出の際のおともとして。

    の、つもりだったが、読了にかなり時間を要した。
    どんどん他の本に先を越された。

    確かに、父の愛情はわかる。
    家族の話として、心も動く。
    が、なんというか、登場人物たちのこの先の人生を考えようという気にならない。
    さらに言えば、彼らの人生がどういうものなのか、よくわからない。
    だから、先が気になる、ということがない。
    うーん。

    今見たら、裏面の紹介文に、「完璧なミステリー仕立ての中に…」という表記が。
    いや、もしこれをミステリとしてみるなら、ちっとも良くない。
    本筋と関係ないところで事件が起きていても、それをどうしろと。

    まあ、そもそも話の軸のように自殺が絡んでいるストーリーなので、個人的にはどっかで受け入れられない。
    自殺、という選択そのものが、良くない。
    それはさておき、もう一回読もうとは思えない。

  • 20180922 テーマは家族の絆、とのこと。絆と言う言葉は色々便利に解釈できて、さまざまな疑問点がその一言で解消されると。まさか?でも、絆だからできるんではないか?途中少し疲れてしまったのも細かい事をやたら丁寧に記述しているせいだったとおもう。がそれが最終章の盛り上がりに繋がっている。平和な日曜にゆっくり読みたい本だと思う。

  • 親が子に持つ気持ちは変わらない。

  • 展開は良いと思うし、びっくりな展開でラストは感動的。

    うん、終わりの方は良かったな。
    でもそこに至るまでがなんだか乗り切れない感じだった。

    ストーリーをひっぱる二人にイライラするからかな。

  • やっぱり 嘘は人を不幸にするのね

  • 遅々として進まない展開。案の定な結末。他者目線じゃなく本人目線ならもっと泣けただろうにという事の真相。そんなことは関係なく、やっぱり手紙で泣けてしまう。まさかそんな数だったなんて。

  • 主人公・麻美子とその弟・伸吾の元に、毎年誕生日に届く手紙。差出人は、2人が多感な時期に家族を捨て家を出て行った父親・伸吉だった。2人はその手紙を心の拠り所にして生きてきたが、父が家を出て10年後、麻美子の婚約者が遺体で発見され伸吾が容疑者として逮捕されるという事件が起きる。
    一方、異母兄弟である兄夫婦の隠された事情に疑いを持ち行動する中で、刑事を殺し9年服役した後に出所したもう一人の主人公・圭一は、自分が刑事を殺すにまで至ったきっかけの記憶を失い、9年経っても思い出せずにいた。
    麻美子は伸吾の疑いを晴らすため、圭一は自らの殺人のきっかけを含み過去をトレースすべく、お互い独自に調べを進める中で、「伸吉」という存在を介して出会い、共に伸吉の現在を追うべく協力するようになるが、行方を探っていくうちに次々と隠された事実が判明していく。

    はじめのうちは、パラレルに進んでいく2つの背景を面白く感じたが、読み進めて背景が1本にまとまってもなお、2本の筋が合流した爽快感みたいのを感じることが出来なかった。繋がるは繋がるのだけどシックリは来ない。
    登場人物が多いのはまぁ良いとして、それぞれに起こる出来事が物語の傍流にはおさまりきらないオオゴトばかりだからかもしれない。

    登場人物(麻美子・圭一)の空想タイムがあまりに多過ぎ・長過ぎて、中盤〜終盤、読むのに疲れさせられた感もあった。

    そして、地味に気になったのが、時代感。
    ストーリーに「携帯電話」などの単語が出てくるが、登場人物の口調などはまるで「昭和も中頃?」という感じでそのチグハグ感がずっと拭えなかった。
    あと、ストーリーには関係ないのでどうでもいいことなのだけど、父がいなくなってから親身に面倒を見てくれた父の旧友と「山部のおじさま」「麻美子くん」と呼び合いながら、その息子を「おにいちゃん」と呼ぶアンバランス感がどうにもこうにも気になりすぎた。なんだか、ずっとゾワゾワしてしまった。

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著者プロフィール

小杉 健治(こすぎ けんじ)
1947年、東京生まれ。東京都立葛飾野高等学校、コンピュータ専門学校卒業を経て、プログラマーとして18年間勤務。1983年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、1987年『絆』で日本推理作家協会賞、1990年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。
社会派推理小説や、時代小説で活躍。著書に矢尋・知坂刑事シリーズ、「風烈廻り与力・青柳剣一郎」シリーズ、「三人佐平次捕物帳」シリーズ、「栄次郎江戸暦」シリーズ他、『父からの手紙』『残り火』『曳かれ者』などがある。
1993~1994年、日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門の選考委員を務めていた。

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