- 光文社 (2006年3月14日発売)
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感想 : 307件
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784334740320
作品紹介・あらすじ
家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち 、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。 完璧なミス テリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作!
みんなの感想まとめ
家族の絆と愛情が描かれた感動的なミステリーです。失踪した父親から毎年届く誕生日の手紙が、子供たちにとっての心の支えとなり、その中に隠された真実が物語を深めます。物語は淡々と進行しますが、父の愛情が手紙...
感想・レビュー・書評
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長編ミステリー。おもしろかった。
失踪した父親から誕生日に毎年届く手紙。最初から違和感あったけどそういう事だったのね。
でもやっぱり家族としては居なくなられるより貧しくても一緒に居るべきだった。
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●本書はミステリーです。私はミステリーとしての面白さと同時に深い親子愛に感動しました。直接ではなく、手紙という形で、間接的に子供への愛情を表現した点で、父親の真心が一層胸を打ちます。
●書中にある文章、「人生の目標は財産、地位、名声などを得るためではない。それを得たことが幸福だということではない。いかなる困難や試練にも負けずに生きていくことにあるのだ。」「麻美子は信じた。父が赤とんぼに姿を変えて見守っていてくれていたのだということを」にぐっときたのは私だけでしょうか?
●私は母子家庭に育ちました。仕事中心の生活の中で子供にどれだけの愛情を注げたか? 疑問に思う今日この頃です。 -
結構淡々と進んでいって、大きな山場も無くいまいちかなぁという感じだった。
ただ、最後の手紙の部分は泣けた。 -
久しぶりのこんなに小説で泣いた気がする。ラストパート、電車で読まずにお家で読んでよかった。
察しが悪いので中盤を超えてからも二つの事件がどう結びついているのか予想が全くつかなかったし、それぞれの人間関係もごっちゃになっちゃって読むのに時間かかったけど、途中で諦めて次の本にいかずに読み進めて本当に良かった。
P106「ひとはなぜ生きていくのだろうか。何のために生きていくのか」
生きる目的とは、幸せとは何か
家族・親子の絆、愛を通して伝えたかったことはこれだったのかなと思った。
いかなる困難や試練にも負けずに、歯を食いしばって生きていくことは難しいことだよなあ。
最後に麻美子が、今まで見ていた時期はずれの赤とんぼは自分で作り出した幻想かもと言っていたけど、絶対そんなことない!お父さんはずっと、そしてこれからも麻美子たちのことを見守っていると思う。
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小杉健治さんの作品、ブクログ登録は9冊目。
思ったよりも読んでいました。
読んだジャンルは、時代小説7冊、ミステリー2冊。
で、今回読んだ本作は、ミステリーになります。
まず、著者の紹介ですが、ウィキペディアには、次のように書かれています。
小杉 健治(こすぎ けんじ、1947年3月20日 -)は、日本の小説家。日本推理作家協会会員、1993年から1994年まで日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門の選考委員を務めた。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作。
本作は、テレビドラマにもなったようで、2007年12月26日、テレビ東京系列「水曜ミステリー9」にて放送されたようです。
まあ、内容が面白いので、ドラマ化というのは理解できますね。 -
書店のポップを見て購入。帯にもあった、父親の愛がもたらす深い感動のミステリーは本当でした。涙の我慢が大変で…
麻美子の元に訪れる悲劇、そして10年前に家族を捨てて失踪した父。感涙… -
大切な人の幸福のため,自分の犠牲を選んだ人達…
でも結果として誰も幸福にはなれなかったし,不幸なこと、悲惨なことの連続になってしまった…
大切な人の幸福を祈るなら,自分が犠牲になる道を選んではならない。みんなでなんとか乗り越えようとしなければならない!そんなふうに考えさせられる一冊でした。
ミステリーとしても面白くてページをめくる手が止まらなかったです!ぜひ読んでみてください!! -
奥付を見ると「2018年 35版発行」とあおそらくおそらく6年ぶりくらいの読み返し。
途中までは全く記憶になかったが、残り4分の1くらいになったことろで「あ、これってこういうトリックだった」と思い出した。
文章は読みやすいし、3日ほどで読み終えるくらい集中して読めたのだから「面白い」作品なのは間違いないが、感動はしなかった。裏表紙や帯に「感動作」と書かれているので期待値が高くなりすぎたのだろう。3回目の読み返しはしなくてよい、という備忘録としてもこのレビューを書いている。
以下、印象に残った箇所。
■阿久津伸吉も麻美子も同じ大きな過ちを犯している。その過ちとは自分を犠牲にして大切な者を助けようとしたことだ。確かに、その気持ちは尊い。だが、それは間違っている。
■家族といっしょに苦難に立ち向かうべきだった。子供がたとえ学校を中退せざるを得なかったとしても、家族で闘うべきだった。子供たちが大学に行けなかったとしても、阿久津伸吉は生きて病気と闘うべきだった。
■人生の目標は財産、地位、名声などを得るためではない。それらを得たことが幸福だということではない。いかなる困難や試練にも負けずに生きていくことにあるのだ。
■周囲の幸福、家族の幸福を考えるなら、まず自分が幸福にならなければならない。身を犠牲にしても、それは決してよい結果を生み出さないということは麻美子が身に染みて感じたことだ。
星は3つ。「感動作」なんて期待を持たずに読めれば、4つつけるくらい感動できるかも。 -
人間関係が複雑であったけど、ノートに相関図を書いて理解しながら、読み進んだ。
理解する事に神経を使って、なかなか最初から楽しめない。後半の真相暴露のところから、ようやく面白くなってくる。まぁそれまでが長い。
反抗期の娘と家族を守るために命を懸けている父親の心情との対峙が後から滲み出てくる感じ。
良い作品だと思う。
なるほど「父からの手紙」ですな。 -
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記録
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2人の主人公の話が徐々に繋がり、全体像が見えてくる。
人物像や台詞に時代を感じてしまい、少し気になりながら読んだ。
失踪の真相や手紙の本当の意味によって、父親の深くてまっすぐな愛情を感じたものの、その決断には賛否両論あるだろう。
父親なりに、命を懸けて守りたいと覚悟を持って最善の選択をしたのだろうが、それが本当に家族の幸せになったのかはわからない。
自己犠牲の上に成り立つ愛や幸せは相手の為にならず、自己満足に過ぎないのかもしれない。 -
人と人との強い絆を描く感動作!とのことで期待大で読みはじめました。でもなぁ、、、それで人生が狂ってしまっている人達が多勢いること、保険金詐欺、殺人、自殺、結局は自己満足のような現実逃避のような良い判断をしたとは思えない。残された家族は幸福だったとは言えないのでは?無い!
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父の行動に納得は出来ないけれど、ミステリーは面白かったし、父の家族を思う愛には心締め付けられるものがあった。
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一気読み。
初めは全く関わりのない2人の主人公と思しき人物のストーリーが、回想とともに進んでいく。正直、この状態では全くストーリー展開などは想像すら付かなかった。しかも、段落の区切りなども一切なく、本当に「ふとした」タイミングで過去の改装などが入るため、読みにくさもあるかもしれない。
しかし、読み進めていくうちに次第に2人のストーリーが近づき、一つの大きな道になっていく。
決して今の時代、綺麗な話、単純に泣けるストーリー、と言える内容ではないし、人によってはモヤモヤが残るかもしれない。
が、人の思い、親が子を思う気持ちの強さ(そして逆も然り)という面に関して言えば、感動だな。
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2つのストーリーが重なるまで同時進行で進んでいくので、慣れるまで読みづらさはあったかも。
父の行動には賛同できないけど、愛情は間違いなくあったんだと伝わってきた。
最後に明かされた真相に驚いたし、一気読み出来た。 -
家族を想い方は人それぞれで、それが家族にとって正解とは言い切れない。それにしても圭一が一番貧乏くじではないのかな?
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家族を捨て、家を出た父から誕生日に毎年手紙を受け取り、その手紙の言葉を胸に不幸を乗り切る娘
婚約者が殺され、結婚に反対していた弟に容疑がかかり真相を追いつつ、居なくなった父を探す。
もう一人の主人公、圭一は刑務所から出所し、自分が何故殺人を犯したのかなくした記憶を取り戻すため、また発端となった兄の自殺の真相を確かめるため義姉を探す。
読めそうな展開は、早めに推理して気持ちよく潰してくれて進んでいくあたりが良い。
同じ事が繰り返されているような感じはあったが
二つの線が繋がってから、なかなか面白かった。
だけど、不幸の連続
なんとも特殊な境遇の特殊な事件に巻き込まれた人達なので、感情移入がしづらかった。
私も父親なので「家族を想う父の気持ちの在り方」に共感できなくも無いのだが、明らかな間違いがあり、それも登場人物が指摘している通りで、話の中で自己完結してるように読めてしまいなんだか感動したようしないような宙ぶらりんな状態で終えてしまった。いや、それでもラストは心にくるものがあった。
少ない文字の中で、丁寧に描かれている人物が良いのだが、少しずつ違和感があり気になってしまうのが残念だった。
麻美子パート:父親の不倫に対して理解していることに違和感。それだけ父を想う気持ちが強かった、ということか?
夢の話は不要、別の方法があったのでは無いか?
圭一パート:出所後の生活の切迫感が無いこと、生活より探偵のような事を優先するあたりに違和感が…自制が出来ず犯行に及んでしまった弱さなのか? 記憶喪失や、勘違いしていたことへの違和感などなど
解説によると、逢坂剛さん、宮部みゆきさんあたりと近い年にオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビューされたと聞くと、唸ってしまう。
こんなに読ませる構成の作家さんを今まで知らなかったとは…
作家は皆そうなのかもしれないけど、一つのテーマに挑み、描ききれないものや、こぼれ落ちる要素を何作かを通じて描こうとしていく姿勢が素晴らしい。
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様々な事件の原因が、重く心に引っかかっている為、そのあと起きた事を考えると素直に感動出来ない部分がある。町工場の息子が、父親の死の悲しみに打...様々な事件の原因が、重く心に引っかかっている為、そのあと起きた事を考えると素直に感動出来ない部分がある。町工場の息子が、父親の死の悲しみに打ち勝ったこと、それを主人公が手助けできたことだけが救い。2019/08/22
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誰かのために自分を犠牲にする。が、その結果が必ずしもその誰かのためになるとは限らない。
苦難も一様にあらず。苦難を避けても違った苦難に見舞われる。避けるのではなく乗り越えるしか我々に道はない。 -
最初は全然違う2つの事件がどうつながるのかな~と謎解き感覚で読み進めていたが、つながりが見えだした頃からは、事件の真相ではなく、父を思う気持ち、母を思う気持ち、兄を思う気持ちに心動かされて、それぞれの立場や心情を考えながら読めた。
大切な人を思う気持ちは十分にあっても、間違った方法をとってしまうと、悲しい結末を招いてしまう。…これは、吉本新喜劇で時々見る設定だ!訳ありでお父さんが失踪する話!
‘周囲の幸福、家族の幸福を考えるなら、まず自分が幸福にならなければならない。’
ということが、よーくよく分かった。
著者プロフィール
小杉健治の作品
