影を踏まれた女 新装版 怪談コレクション (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740689

感想・レビュー・書評

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  • モダンな響きの表題作だが、収められているのは古い時代を舞台にした怪談である。現代ホラーでは起承転結の後にダメ押し的なオチがあって怖さを重ねてくるものが多いが、本作では事の顛末が明らかにされずに終わる作品ばかりであり、読者は不可思議な出来事に背筋を凍らせながら不安定な心理状態に置かれたままにされる。非科学的な事象を扱うのであるから明解な結末など本来望むべくもないのだが、この独特の余韻は恐怖心を高める点で効果絶大である。

  • これはまさにホラーというより怪談。古びた匂いが作品世界を満たす闇をさらに濃くしている。また時々恐ろしいものの正体が明かされないまま終わるのが不気味で、不安を誘う。

著者プロフィール

(おかもと・きどう)1872~1939
東京生まれ。幼少時から父に漢詩を、叔父に英語を学ぶ。中学卒業後、新聞、雑誌の記者として働きながら戯曲の執筆を始め、1902年、岡鬼太郎と合作した『金鯱噂高浪(こがねのしゃちほこうわさのたかなみ)』が初の上演作品となる。1911年、二代目市川左團次のために書いた『修禅寺物語』が出世作となり、以降、『鳥辺山心中』、『番町皿屋敷』など左團次のために七十数篇の戯曲を執筆する。1917年、捕物帳の嚆矢となる「半七捕物帳」を発表、1937年まで68作を書き継ぐ人気シリーズとなる。怪談にも造詣が深く、連作集『三浦老人昔話』、『青蛙堂鬼談』などは、類型を脱した新時代の怪談として評価も高い。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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