中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 99
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334741150

作品紹介・あらすじ

士族の家に生まれた綺堂が、幼少のころに住んでいた旗本屋敷は、有名な幽霊屋敷だった。この世に怨みをもって出る日本の幽霊とは異なり、中国の幽霊は一見なんの縁もないところにあらわれる。そこが怖い。中国の怪奇譚に造詣の深い綺堂が、六朝から清に至る各時代の中から二百二十種を抄出して名訳。妖気ただよう幻想の世界へ読者を誘う、中国怪奇傑作集。

感想・レビュー・書評

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  •  明治時代の文筆家、岡本綺堂が中国の古典から怪奇譚をよりすぐり、翻訳してまとめた中国古典怪談集。
     三遊亭圓朝の『牡丹燈籠』の原典である『剪灯新話』の「牡丹燈記」や感和亭鬼武の『自来也説話』の原案である『異聞総録』の「我来也」など、日本の有名作品の大本となった説話から、古代中国ならではの展開をする奇抜な説話まで、六朝、唐、五代、宋、元、明、清、四世紀から一七世紀までの大陸の説話集を幅広く網羅しています。
     全体的に、人物たちの喜怒哀楽が日本以上に激しく、それゆえの成功または失敗、また、富貴を得て怨恨を妥協するよりも清貧のままで怨恨を晴らす方を選択する子持ちの寡婦や、十三代にも渡って転生した魂を追い続け狙い続けて前世の怨みを晴らした怨霊など、死者生者問わず、恨みや妬みといった、肝が凍る程に深い執念が描写された話は大陸ならではという感じがしました。

  • 六朝から清までの志怪小説の綺堂訳集。
    何度か読んでいますが、読むたびにじんわり味わえる小説集です。
    青蛙堂に集まった男女が順番に語っていくスタイルは綺堂が怪談で使用しているものですが、これがそれぞれの良いイントロダクションになっていて、一冊全体がまとまって感じます。女性が担当する書だけ丁寧語で語られるのは綺堂のこだわりなのでしょう。
    何話もの支那の怪奇を味わっていくうち不思議と心がおおらかになっていく気がするのも好ましいところです。

  • 知ってる話の種が読めて満足。

  • 六朝時代から清朝まで、中国に伝わる小説本に収められた怪談、奇談の中から二百数十の話を選び、紹介された本。話の数が多いことから短いものが多いですが、よく知っている話の原型が見られたりと面白いですね。
    一話あたりはすぐに読めてしまいますが、文章の密度が高い上ので、一冊通しての読み応えはかなりあります。

  • 青蛙堂奇談の中国話版です。
    第一の男から語り始められる、中国奇談。
    半七捕物帳を思い出させる、淡々とした語り口。
    未読の方は、ぜひ。

  • 日本の怪談話とちがって因果もなけりゃオチもない!
    しかしその物語の原型は同じ。
    「天女の羽衣」とか「幽霊が子を育てた話」とか。

  • 言うなれば中国の民話集みたいなものであり、しかも通常のホラー小説のような怪異の合理的解釈や意味づけといったものが全くないものがほとんど。それでも愉しく読めるというのは、当時の人々の想像性が豊かだからってことなのか。
    また、序文にも触れられているが、この本で登場してくる(出典となる)中国の古典が日本の文学文芸に大きく影響を及ぼしてきたことがよく見て取れる。

  • 中国版百物語みたいな感じでした!
    日本の昔話の原型になったようなものもいくつかありました。羽衣天女とか。
    怪談の王道ですね。
    文化ってか感性っていうか?が共通してる所為か、動物が人間に化けてこようが、死人が生き返ろうが、違和感なし!ww

  • 名人の語り口

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著者プロフィール

一八七二年(明治五)東京生まれ。本名は敬二。元御家人で英国公使館書記の息子として育ち、「東京日日新聞」の見習記者となる。その後さまざまな新聞の劇評を書き、戯曲を執筆。大正時代に入り劇作と著作に専念するようになり、名実ともに新歌舞伎の作者として認められるようになる。一九一七年(大正六)より「文藝倶楽部」に連載を開始した「半七捕物帳」が、江戸情緒あふれる探偵物として大衆の人気を博した。代表作に戯曲『修禅寺物語』『鳥辺山心中』『番町皿屋敷』、小説『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談』『半七捕物帳』など多数。一九三九年(昭和十四)逝去。

「2018年 『異妖新篇 岡本綺堂読物集六』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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