邪馬台国の秘密 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334741426

感想・レビュー・書評

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  • 高木彬光の神津恭介ベッドディテクティブものの一冊。「成吉思汗の秘密」「古代天皇の秘密」もそれなりに面白いのだが、「邪馬台国の秘密」は特に氏の研究成果がストレートに出ていて興味深い。神津恭介物語の名を借りた研究論文となっている。
    邪馬台国特定に、厳密な制約を設け、最も自然な形で場所を決定する手腕には説得力がある。

  • 『成吉思汗の秘密』に続く歴史ミステリ。
    矢張り入院中の神津恭介が、畿内説、九州説、未だ結論が出ない『邪馬台国は何処にあったのか?』を解き明かす……という趣向。
    これが正解かどうかは解らないが、古代史というのは面白いものなんだなぁ。それにしても、何処にあったんだろうね、邪馬台国……生きてる間に結論は出るのだろうかw

  • 名探偵神津恭介がベッド上で邪馬台国の場所を推理する『成吉思汗の秘密』の様な歴史物。アチラと違って採用された文献が史書の執筆で名高い(信用できる情報しか載せない)陳寿の『魏志倭人伝』。更に推理する側がルールを定めているので正統派ミステリーとして楽しめる。
    近畿か九州かに大別されるが読んでいると本書の理屈(結論については読んで頂きたい次第)が合っている気がする。

  • 邪馬台国の場所を推理する。中国史の視点ではそれほど古い時代ではなく、三国志の時代である。物語になるほど様々な史料があるのに日本は謎ばかりである。

  •  ジョセフィン・テイによる古典的名作『時の娘』の流れを汲む、ベッド・ディテクティヴ系列の歴史ミステリ小説。
     著者が生んだ名探偵・神津恭介の言葉を借りて、日本史最大の謎とも言える邪馬台国の所在地と、女王・卑弥呼の正体について論考し、解明してゆく。
     基本路線はあくまで、『魏志・倭人伝』を素直に読み解く流れだが、解釈は従来の地名照合の手法によらず、古代人の視点に立って方位や距離を測定し、地形や海流など当時の自然地理学的見地から状況を把握し、航路と陸路の選択肢を絞り込むという、外堀を埋める論法で推論が積まれる。
     上陸地点の説得力や、宇佐神宮と大和朝廷の後世に至る関係性など、知的好奇心を擽る箇所も多く、古代史好きなら一度は目を通しておきたい秀作である。

  • 2021/07/24読了

  • 以前から気になっていた作品の1つ。鯨統一郎の話がきっかけだがこっちの方がはるかに考察が深く正直よく分からんとこが多い。地図を見ながらだとわかるのかも。ただこういう歴史は全てがミステリーであり、謎を紐解いていく感じがよい。邪馬台国はどこにあるのか知りたいが謎のままでも面白い。実際にその場所に行ってみたくなった。

  • どう考えてもこれが一番科学的な解釈により導かれた結論だと思う。

  • 歴史ミステリー。邪馬台国がどこにあったか、論理的に解き明かされていく。独創的な推理に納得した。

  • 「成吉思汗の秘密」に続く歴史ミステリです。
    今回はまたも入院中の神津恭介が邪馬台国の所在を推理します。
    いろんな方が邪馬台国の場所については比定していますが、高木先生の比定した場所も説得力あります。
    邪馬台国については資料が醜志人倭伝しかないので、神津恭介はこれを参考にして推理を進めていきます。
    今回も勉強になりました。

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著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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