贈る物語 Mystery (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334741433

感想・レビュー・書評

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  • 古今東西ミステリーアンソロ。カーの『妖魔の森の家』と、連城三紀彦の『過去からの声』が最高。綾辻行人さんが選んだだけのことはあり、有名どころがしっかりと押さえられている感じ。話の前に綾辻さんの解説が挟まっている。

    ・暗黒の館の冒険/エラリー・クイーン
    遊園地のお化け屋敷のような『暗黒の館』が殺人の舞台。出入り口は閉ざされており、内部にいた人が犯人であることは確か。真っ暗な中で、犯人はどうやって銃を命中させたのか。
    犯人を導き出す手がかりがちょっとした展開の中にしっかりと書きこまれている。フェアプレイを誇るクイーンの作品ならでは。

    ・黄色い下宿人/山田風太郎
    綾辻さんによるとホームズのパスティーシュ。つまり山田風太郎の書いたホームズ。
    犯人は誰かという謎が被害者は誰かに置き換わっていく。一番「あっ!」となったのは謎の東洋人『ジュジューブ』の正体。
    ホームズと関係ある東洋人と言ったらあの人しかいないし、答えもズバリ『棗』って書いてるのにちょっと最後までウッカリしてて気付かなかった。

    ・密室の行者/ロナルド・A・ノックス
    十戒を唱えたノックスの短編。
    食べ物も水もたっぷりあった部屋の中で修行僧が餓死していた。自殺(断食修行の果ての死)か他殺か。
    トリッキーな密室殺人。

    ・妖魔の森の家/ジョン・ディスクン・カー
    密室と言えばカー。ヘンリー・メルヴェール卿シリーズ。
    犯人は割とすぐわかる。密室なはずの館から、犯人は被害者をどう消したのかがキモ。話の中で、H・Mは過去の消失トリックも解き明かす。
    犯人がH・Mの目の前で被害者を消す方法が最高だった(バラバラに解体して昼食を入れてきたバスケットに隠して運ぶ)。

    ・長方形の部屋/エドワード・D・ホック
    加害者は何故、一日近くも被害者の死体の傍にいたのか。
    日本で起きたある宗教絡みの事件を彷彿とさせる展開だった。

    ・カニバリズム小論/法月輪太郎
    タイトルで心惹かれる。
    何故犯人は被害者を殺して食べたのか。
    法月がその理由を「私」と語り合う形式で話が進められていき、「私」はある一つの結論を出す。即ち食べて排泄することで、加害者を貶めるため。
    しかし実は「私」こそがその……。

    ・病人に刃物/泡坂妻夫
    犯人の内部から刃物が出現したというトリックは見事。手品のようなトリックはやはりこの作者さんならではだなと思った。

    ・過去からの声/連城三紀彦
    連城三紀彦の人情味あふれるミステリー。人情話か、ミステリーか、どちらにふっても文句ない話です。
    代理誘拐。「64」をちらっと思い出した。

    ・達也が笑う/鮎川哲也
    男性と女性を混同させるという、オーソドックスな叙述トリックだけど、推理ゲームの舞台を上手く利用していて、演出が派手で面白かった。

  • 2017/05

  • エラリー・クイーン【暗黒の館の冒険】
    山田風太郎【黄色い下宿人】
    ロナルド・A・ノックス【密室の行者】
    ジョン・ディクスン・カー【妖魔の森の家】
    エドワード・D・ホック【長方形の部屋】
    法月綸太郎【カニバリズム小論】
    泡坂妻夫【病人に刃物】
    連城三紀彦【過去からの声】
    鮎川哲也【達也が笑う】
    全9編収録。

    古今東西の名作から綾辻行人氏が選んだ本格ミステリーのアンソロジー。
    バラエティーに富んだ傑作ばかりで本格ミステリーの入門書にはぴったりだと思います。
    細部まで計算された【妖魔の森の家】、反転の技巧が光る【過去からの声】、犯人当ての醍醐味を味わえる【達也が笑う】がお気に入りです。

  • 久しぶりに再読。初めて読んだ時、短編のミステリでもこれだけ破壊力があるのか!だったり、海外ミステリが苦手だったけれどすんなりと読ませてくれた。
    改めて読むと、王道的な作品を中心にわかりやすく編んでくれているなと思う。
    カーやノックスの代表作、法月綸太郎の短編が特に好きだ。ミステリを読み慣れていないほど驚ける。

  • あぁあ…ダメだ。外人の名前は…。
    最初の話でどん詰まり中。読みづらい…。

    その後。

    読むのやめた!

  • 綾辻行人による古今東西の珠玉ミステリを集めた初心者向けアンソロジー。
    新本格の旗手といわれているだけのことはあり、集めたものは一ひねりある作品ばかり。作者も日本では鮎川哲也や連城三紀彦、海外ではカーター・ディクスン(ディクスン・カー)やエラリー・クイーンといった名だたる人たちを集めており、まさしくミステリ初心者が一度は読んでおいた方がよい作品が並んでいる。
    なかでも、山田風太郎によるホームズものは、ホームズの推理を覆し、真実を白日の下にさらした日本人があの人という、日本人にはたまらないラストで締めくくられていたりして面白い。
    これをきっかけとして、過去の名作を読み進めたくなる読者も多いのではないか。かくいう自分も、いわゆる名作はそれほど読めていないので、これをきっかけに、と思っている。

  • 北村薫「ミステリ十二か月」より。読書をあまりしない人たちに向けたアンソロジー。昔のでちょっと読みにくいものもあったけど、おおむね面白かった。ロナルド・A・ノックス「密室の行者」はトリックのネタばらし本で見たことある人もいるかも、とあったけど、まさに昔あの学習漫画でちらっと読んだやつだった。編者の綾辻行人はこういうトリックだけの本には反対派だというけど、あの学習漫画はまた読んでみたいな。小学生ながらに面白かった。まぁ肝心のトリックだけを集めたいいとこ取りなんだから、そりゃ面白いか。やっぱ短編は読みやすくて好きだ。こういう旅のお供にぴったりだよな。

  • 綾辻行人が選んだ古今東西の本格ミステリー短編傑作集

    どの本もがっちりと本格推理もので
    短編集ながら、ずっしり楽しめます♪

  •  編者によるそのジャンルで読んで欲しい作品を集めた贈る物語シリーズのミステリ版なんだけど、ホラー(宮部みゆき)、SF(瀬名秀明)に比べると、硬い。あからさまに硬い。
     さすが本格とか新本格のミステリの世界、と思う。偏見かな。

     肝心の作品ですが、最近リンカーンライムシリーズを読んでいたので「あ! 現場が汚染されている!」とびくびくしてしまったという……。リンカーンライムシリーズをすべて読み終えるまではミステリから離れていた方がよさそう。
     

     

  • 綾辻さんの新刊かと思ったら
    彼が選んだ「本格ミステリアンソロジー」でした。

    国内外の名作が、9篇。
    法月さんの【カニバリズム小論】が良かったです。
    思わずニヤリとしてしまうような綾辻さんの案内文が、またすてき。

    濃ゆーい短篇ばかりなので
    眠る前にわくわく、1、2話ずつ読むと楽しいと思います。

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