- Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334741433
感想・レビュー・書評
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アンソロジー作品『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』を読みました。
綾辻行人が編纂した、本格ミステリばかりを収録した作品集です。
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「願わくはあなたが、今回これらの作品に触れたことをきっかけとして(中略)妖しくも豊かな本格ミステリーの海へと漕ぎ出していかれますように」(編者「あとがきに代えて」より)
全くの本格ミステリー初心者から熱心な本格ファンまで――すべての読者がそれぞれに楽しめる、古今東西の名作から選ばれた粒よりの九編。
さあ、お楽しみは、ここから始まります。
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古今東西のミステリ傑作を綾辻行人がセレクション… 以下の9篇が収録されています。
■はじめに 本格ミステリーへの誘い
■Ⅰ Who?
・暗黒の館の冒険 / エラリー・クイーン 鎌田三平・訳
・黄色い下宿人 / 山田風太郎
■Ⅱ How?
・密室の行者 / ロナルド・A・ノックス 中村能三・訳
・妖魔の森の家 / ジョン・ディクスン・カー 宇野利泰・訳
■Ⅲ Why?
・長方形の部屋 / エドワード・D・ホック 木村二郎・訳
・カニバリズム小論 / 法月綸太郎
■Ⅳ What?
・病人に刃物 / 泡坂妻夫
・過去からの声 / 連城三紀彦
■Ⅴ Challenge!
・達也が笑う / 鮎川哲也
■収録作解題 あとがきに代えて
■文庫版あとがき
多彩な本格ミステリが愉しめる一冊でしたねー
既読なのですが、3歳児の誘拐事件を追うベテラン刑事と若手刑事… 実は二重誘拐!?という展開が意外な連城三紀彦の『過去からの声』がイチバン印象的でしたね。
佳作ばかりが収録されているので甲乙つけがたいのですが… その他では、
コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズ・シリーズのパスティーシュなんですが、シリーズに加えても良いくらいの品質で、エンディングで棗氏の正体が判明したときの驚きが印象的(これは日本人作家ならでは… ですけどね)な山田風太郎の『黄色い下宿人』、
本家本元の本格ミステリのお手本のような展開が愉しめ、さすが大家の作品と唸らされるエラリー・クイーンの『暗黒の館の冒険』とジョン・ディクスン・カーの『妖魔の森の家』、
国内の作品にも面白い本格ミステリがあるんだと再確認できた泡坂妻夫の『病人に刃物』、
印象的なタイトルに秘密が隠されてる鮎川哲也の『達也が笑う』、
あたりが好みでしたねー たまにはアンソロジー作品も良いですね。
久し振りに長篇の本格ミステリを読みたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4
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エラリー・クイーン【暗黒の館の冒険】
山田風太郎【黄色い下宿人】
ロナルド・A・ノックス【密室の行者】
ジョン・ディクスン・カー【妖魔の森の家】
エドワード・D・ホック【長方形の部屋】
法月綸太郎【カニバリズム小論】
泡坂妻夫【病人に刃物】
連城三紀彦【過去からの声】
鮎川哲也【達也が笑う】
全9編収録。
古今東西の名作から綾辻行人氏が選んだ本格ミステリーのアンソロジー。
バラエティーに富んだ傑作ばかりで本格ミステリーの入門書にはぴったりだと思います。
細部まで計算された【妖魔の森の家】、反転の技巧が光る【過去からの声】、犯人当ての醍醐味を味わえる【達也が笑う】がお気に入りです。 -
久しぶりに再読。初めて読んだ時、短編のミステリでもこれだけ破壊力があるのか!だったり、海外ミステリが苦手だったけれどすんなりと読ませてくれた。
改めて読むと、王道的な作品を中心にわかりやすく編んでくれているなと思う。
カーやノックスの代表作、法月綸太郎の短編が特に好きだ。ミステリを読み慣れていないほど驚ける。 -
あぁあ…ダメだ。外人の名前は…。
最初の話でどん詰まり中。読みづらい…。
その後。
読むのやめた! -
綾辻行人が選んだ古今東西の本格ミステリー短編傑作集
どの本もがっちりと本格推理もので
短編集ながら、ずっしり楽しめます♪ -
編者によるそのジャンルで読んで欲しい作品を集めた贈る物語シリーズのミステリ版なんだけど、ホラー(宮部みゆき)、SF(瀬名秀明)に比べると、硬い。あからさまに硬い。
さすが本格とか新本格のミステリの世界、と思う。偏見かな。
肝心の作品ですが、最近リンカーンライムシリーズを読んでいたので「あ! 現場が汚染されている!」とびくびくしてしまったという……。リンカーンライムシリーズをすべて読み終えるまではミステリから離れていた方がよさそう。