シロツメクサ、アカツメクサ (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 208
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334741471

感想・レビュー・書評

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  • 以前から気になっていたので、ちょっと読んでみた。

    森作品といえば、どちらかというと、ちょっとおバカで百合エロスな作品が目立つと思うのだけれど、そういう場面とは別に、周りの展開をさっと切り返して、「ええっ、そういうことですかあっ!」と別の方向に持って行ってしまう技法がものすごく巧みに使われていると思う。この作品集には、森さんのそういった技巧がふんだんに凝らされた短篇が集められている。作品に淫靡な風味づけは少々あるものの、ほぼエロなしの勝負(ただし、ものによってはある)で、自分の意識がほかのものと交わる瞬間や、その奥底で知ってしまったこと、それが生む出来事の顛末がダークな感触で描かれている。

    表題作もいいけれど、個人的には、『一郎と一馬』『カンヅメ』『グラスの中の世界一周』が好み。どこかで読んで知っていたようなSF・幻想怪奇小説のパターンを感じる作品も少々あるものの、淡々と低温で理論的につづられていながら、「結局どういうこと?」と混乱に放り込まれてしまう巧みさや、あと1ページ踏み込めばどうなるのだろう?というところで話を終えるタイミングが絶妙だと思う。ほかのかたの感想にもあるように、倉橋由美子の作品を読んでいるときの、濃厚にみえてすうっと澄んだ感触を思い出したりもした。

    巻末の解説が森作品を横断した評論になっているので、ほかの作品を読んでいなくても、森ワールド全体の感触がつかめるようにも思うけれど、ちょっと堅苦しすぎるような気がする。まあ、気になるのであれば、ひとつやふたつ、実際にお試しになってみるほうが最短距離だとは思いますが…いかんせんアレなタイトルが手に取りにくいとおっしゃるかたには、この作品集は純文学系で手に取りやすいし、結構おすすめだと思いますよ。

  • 短編集、9編。187

  • 色っぽい星新一みたいな。
    性的だけど、性的があからさますぎてかえって清潔な感じ?

  • ホラー/オカルト系短篇集。
    一篇目でしょうもないエロ小説かとおもいきや,「一郎と一馬」で思いっきり引き込まれた。短いながらも恐ろしい出来。表題作もよかった。

  • 自分と自分が交わり、愛する人でさえ自分の中に取り込み融合して自分になる。森奈津子が描く物語の特徴は究極の自己愛なのだと思います。
    半端な自己愛は他人の目に映る自分を愛している。でも究極の自己愛は自分の妄想の中で充足し生きている孤高の存在なのです。
    この短編集の何編かの物語にもその特徴が感じられます。だけど毒は若干薄め。読みやすいと思います。

  • 表紙が大好きな山本タカト氏。9編の短編集。エロいものからギャグ、ちょっとジーンとしちゃうものまで色々です。どれも面白かったな。奈津子さん、素敵♪

  • 意外とホラーテイストな短編集でした。

    うーん、
    常々思っていることだけど、
    百合には萌えられない。

    この小説自体、
    女性の同性愛は出てくるけど百合小説ではないし、
    別に、萌えを求めて読んだわけではないのだけども、

    いつも何でかいまいちわからないのでもやもやするってだけです。

    「語る石」が健やかに爽やかですきでした。

  • 読ませ方が巧い作家だと思う。傾向の異なる話が色々収録されており、読み応えがあった。

  • 3人姉妹の話かとおもったら、短編集。

    話にホラーが入ってるところが好き。

    ときどき、ひとつの話を読んでて話がごちゃごちゃしちゃうけど、

    それはそれで雰囲気にあってて良いと思う

  •  なんだかエロティックな森奈津子の短編集。

     現実かなにかわからないような曖昧さは、倉橋由美子の短編集っぽい感じがした。
     そう、エロティックなんだが、妙に植物的な感じ。
     多分、この相対的な要素が森奈津子のわけのわからない魅力なんだろう。
     
     ちょっと似た感じの作品を(というか、この中の作品はわりとよくあるパターンです)岩井志麻子も書いていたが、それと比較すると、すごく透明感がある。

     うむ、やっぱり肉を描いてるけど、植物的ってことでまとめましょう。

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著者プロフィール

作家。1966年、東京都生まれ。作品に、「お嬢さま」シリーズ、『地下室の幽霊』(いずれも学研)など。

「2017年 『脇役ロマンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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