Wの悲劇 (光文社文庫 な-1-25)

  • 光文社 (2007年4月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784334742348

感想・レビュー・書評

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  • 名前だけは知ってるシリーズです。
    今更ながらと思いましたが、数々の映像化がされている作家さんだし、とりあえず有名な一冊をとブックオフで手に取りました。
    大して期待していなかったので、望外に満足しました。
    途中からは犯人の目星はついたのですが、視点が替わりながら物語が進んでいき、最後までハラハラしました。
    あとがきにもありましたが、エラリー・クイーンからもアドバイスを頂いたとのこと。
    これは贅沢な物語ですよ。
    この時代の作品は余程大きな本屋さんでないと棚に無いのですが、いろいろ発掘してみるのも楽しいですね。
    ああ、また積読が増えそうだ。

  • 2018年1月2日、読み始め。
    2018年1月6日、読了。

    エラリー・クイーンを意識しながら書かれた作品のようである。
    ちなみに、著者は1938年生まれ、クイーンは1905年生まれ。
    この本の最後の方に、クイーンが一筆を寄せている。
    それによると、著者とクイーン(フレデリック・ダネイ)とその妻は、1981年に北極圏旅行と楽しんだとか。
    要するに、交流があったということ。

    クイーンのことを調べていると、今まで誤解していたことが判明。
    クイーンというからには、女性の作家と思っていた。
    実は、男性が二人で、エラリー・クイーンというペンネームのようだ。

  •  今から約40年ほど前に出版された著者の代表作といってもよい作品。設定は古いが、十分に楽しめた。
     一見するとごく単純な事件にように見えるが、残り100ページを切ったあたりから怒涛の展開が待っている。それまでの緩慢な流れとは打って変わり、一気に急流に飲み込まれてしまったような感じで、初めはついていけなかった。二度三度と読み返し、あぁそういうことかと納得するという感じである。
     文章の端々に余韻を残しつつ次の章へと進んでいくあたりが、古風な設定ながら現代ではあまり見ることがなく斬新な感じがした。

  • 3

  • あまりにも有名な本なのでこれまで読まなくてもストーリーは何となくわかっていたけれど、読み始めたら凄い。
    映像化したときの配役をあれこれ調べてしまった。(どれが良いはさておき)
    三重四重に尽くされたネタが分かるまで楽しめたので、知ってるつもりの本でもやはり読んでみなくては!と改めて思う。

    だとしたら、ミステリの未知の世界がより広くなりまだまだ楽しみがあることに今更ながら思いを馳せる。

  • 大企業の会長が一族の集まる別荘にて殺された。殺したのは孫娘で、会長に暴行されそうになったと自白。一族は孫娘と会長の名誉を守るために、強盗殺人犯の仕業に見せかけようと画策するが・・・

    中盤で惜しみもなく素晴らしい、死亡時刻の偽造トリックが披露されます。そしてそのトリックが警察に見破られるか?に終始するのではなく、二転三転する物語と真犯人の正体。

    ミステリーとして完成度の高い作品だと思います。

  • 古典的名作。

    なんとなく展開・結末は読めるが、それでも十分面白い。

  • 2016.03.17

  • 文庫で初版が発行された当時に読んではいたが、内容は全く忘れていたので初読と同じだった。

    薄々は気づいていたが最後のどんでん返しは好きな展開だ。

  •  正統派の古典ミステリの流れをくむ作品だなぁと言う印象。
     シェイクスピアの作品で起こるような悲劇や喜劇を現代の劇作家が書かないように、現代主流の新本格ミステリ作家では描けない類いのミステリである。

     名家、財閥、複雑な家系、政略結婚という……何というか、もう設定だけでおなかいっぱいですよ! となる。至ってシリアスな物語なのだが、一周して笑えてくる。みんな、極限状態でよくもまぁここまで演技やらトリックやらするもんだぜ、となる。

  • 愛には順番がある。

  • 何回か読んでて犯人も知ってるのに
    「そうだったのか!」な細かい部分を忘れてて
    新鮮に読める。ww

  • 49
    一見単純なことが複雑であり、複雑そうなことが単純であること。
    山荘という密室内で惨劇が起き、その場に居合わせた全員が一つのストーリーに沿ってアリバイ工作を画策し、実際に警察の目を欺けたはずが…。

    最期の結末に至るまでの巧妙な伏線と核心に迫るにあたっての事の運びは読むものを惹きつけ、もう後戻りはできない。

  • 「犯人が解っていながら、真犯人にしてやられるか?」と云うパターン。
    偽装シーンは「お疲れ様でした」のひと言に尽きます。
    弁護士シリーズも書いてらっしゃる先生だけに、法律的な推理もびっくり!

    私はまったく動機については、解りませんでした。

  • 今月の13冊目。今年の100冊目。やっと3桁。

    もちろん、エラリー・クイーンの名作の悲劇シリーズにちなんで、つけられたタイトル。うーん、結構新しいミステリの形とか言いながら、大分展開が読め読めだったんですけどね。あと、お前とお前はなぜくっついた!?もちろん、そういう雰囲気は出てたけど・・・。くっつく必要なくね?って思いました。トリックでは死後経過時間をごまかすトリックは驚きましたね。それは結構新鮮でした。ただ、ミステリ全体としての評価は普通だと思います。

  • 今までドラマ等で何度も放映された本作品ですが、いつも最後まで見た事はなく、何と無く原作を読んで見ました。
    最近のサスペンスには無い潔さとシンプルでいてwに関わる謎解きが心地よく、一気に読める一冊でした。
    是非、最近のサスペンス本に飽きた方にオススメです。

  • 今までドラマ等で何度も放映された本作品ですが、いつも最後まで見た事はなく、何と無く原作を読んで見ました。
    最近のサスペンスには無い潔さとシンプルでいてwに関わる謎解きが心地よく、一気に読める一冊でした。
    是非、最近のサスペンス本に飽きた方にオススメです。

  • 1982年の作品。
    TVで見て、読んでみたけど、原作は、和辻与兵衛殺人事件だけだった。

    「Wの悲劇」は、エラリー・クイーン(フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンエーム)の「X、Y、Zの悲劇」(「ドルリィ・レーン最後の事件」と合わせて、バーナビー・ロス名義の悲劇四部作)を意識したものだろうとフレデリック・ダネイが言っている。

    Wの意味は、和辻(Watsuji)、女性たち(Women)、Xに始まる第四の未知数(数学の世界で、XYZに次ぐ未知数にはWの文字が使われる)の犯人を追う物語らしい。

    TVでは、双子のWを追加したつもりかもしれないけど、双子の入れ替わり物語(原本は何かな?)に、Wの悲劇をくっ付けたように見える。

  • 何かと話題になったのであらすじは知っていたものの、ちゃんと読んだ事がなかったのでドラマを見たついでに一度原作を読んでおこうと思った。
    読んでみたら、巻末の解説がエラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)でぶっ飛んだ。夏樹静子さんがエラリー・クイーン氏にこの小説の骨格を語った時、クイーン氏はいたく気に入りプロットに関するいくつかのアドバイスをしたそうな。なんと羨ましい事よ。
    それにしても絵になる内容だ。舞台となる雪の山荘、大窓に切り取られた富士山。屋根の真ん中から伸びる避雷針の途中にある星型のライトがとても印象的だった。そしていわゆる倒叙形式なのに、犯人が二転三転する練られた構成が素晴らしい。
    実は昔の映画も見た事がある。「Wの悲劇」を劇中劇にするという斬新な演出で、これまた面白い作品だった。確か不動産屋役だった世良公則が、女優の卵役の薬師丸ひろ子に紹介した格安の物件が情緒溢れる一戸建てで、こんな家に住みたい、と幼心に思ったのを覚えている。

  • 推理小説という割にはシンプルで読みやすかったです。結末の意外性も評価できます。ドラマも放送されていますが、内容が結構違うので見比べてみるのもいいと思います。

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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