中年以後 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
3.47
  • (3)
  • (7)
  • (6)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 51
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334742591

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 私…もう中年だったんですね…(T_T)
    と、初めて気づいた時にはショックでしたが(笑)、母からこの本を勧められて読んでみたところ、なるほど!と思うことがたくさんありました。

    例えば小学生の頃に読んだ「星の王子様」なんて、今読み返した時とでは捉え方も違うし、理解度も深くなっているのと同じように、年齢を重ねてからでないとわからないことがたくさんある。
    悩みも歳と共に複雑になっていくけど、失うことを恐れずに、色んなことを覚悟しながら生きていくしかないんだな~と思いました。

    そして、印象に残った言葉は、旧約聖書の「コヘレトの言葉」

    「天の下の出来事にはすべて定められた時がある」

    うん、ホントそんな気がするー!

  • 時間があれば

  • 上手いエッセイは人を魅了する。中年以降の季節とはそんなエッセイに似ている。

    『「奥さん、サハラに行くんだって?」と当時他人に言われる度に、夫は、「砂漠に行くと神が見えるんだそうですよ。しかし砂漠に行かないと神が見えないというのは、不自由なことですなあ」と笑っていたのである。』

    中年以降ともなれば、心の中に何人ものアリエッティたち(こびと)が住む。懐かしさと苦さを抱え、ものごとは一概には言えないと感じながら、その曖昧さに耐え、歯切れは当然わるくなる。そして心の中に様々なもやもやと許しと帰還とを抱えている。

    若さはかならずしも輝くばかりではなく、『青春にはどこか「ものほしげ」なところがある』とも感じている。

    著者の言葉はかならずしもまっすぐではない。『不幸という得難い私有財産を、決して社会にも運命にも、税務署にも返却しない』。そう著者は言い切る。

    『人は会った人間の数だけ賢くなる』。わたしもそうありたい。

    『徳は広範で、私たちが見ている天空のようなものである。そこにはあらゆる人間の、人間だけが持つ不思議な輝きが光を放っている。光は、人生の黄昏から夜に近い頃になって始めて輝き出して当然だろう。』

    中年以降とは、俵屋宗達の風神雷神のようなものなのかもしれない。宗達の風神と雷神は、自身は輝かず生身だ。そしてわずかばかりに彼らの周囲が光を放っている。心は自由になり、風神と雷神のごとく、すべてのことが柔らかな笑いで受け止められる。それは多くの人々の共感を呼ぶ中年以降のカタチだ。

  • このエッセイは本当にお薦めです。
    なぜもっと早く読まなかったのだろうか。
    中年じゃなくても読んで欲しい。
    このエッセイで特に注意して欲しいのは
    作家としての曽野さんの意識や振る舞いです。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1931年生まれ。聖心女子大学文学部英文科卒業。大学在学中から同人誌で執筆を始め、23歳の時「遠来の客たち」が芥川賞候補となり文壇デビューを果たす。1979年、ローマ教皇庁より「ヴァチカン有功十字勲章」を授章。1972~2012年まで海外邦人宣教者活動援助後援会代表を、1995~2005年まで日本財団会長を務めた。『誰のために愛するか』『老いの才覚』『人間にとって成熟とは何か』などヒット作多数

「2018年 『納得して死ぬという人間の務めについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中年以後 (光文社文庫)のその他の作品

中年以後 Audible版 中年以後 曽野綾子
中年以後 単行本 中年以後 曽野綾子

曽野綾子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
村上 春樹
宮部 みゆき
村上 春樹
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする