思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫 え 8-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334742621

感想・レビュー・書評

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  • 女4人。それぞれに違う生き方や感じ方があって、どれも嫌じゃなくすっと心に入ってくる。
    自分の生き方や考え方もあらためて考えることができる。
    全ての女性にオススメしたい本です。

  • 明るい響きとは裏腹に三人姉妹がそれぞれ向き合う孤独と絆が静かなタッチで描かれていました。自身を彼女たちと完璧に重ね合わせることは決してないのにも関わらず、“他人ごと”にも思えないのが魅力的な本です。

  • 麻子と雪枝がホテルに逃げ込んで、その後に妹たちが来てくれる場面がすき。愛をかんじる。でも実際にそんなフットワークが軽くてお金もあってチャーミングな女の子っているのかな。

  • 3姉妹で自分は誰に似ているかなー?と考えながら読んで、誰にも似ていないけれど、少しずつその要素はあるのかも、と思いました。
    私は育子のようでありたかったな。
    女3姉妹って面倒くさい時もあるだろうけど、年齢を重ねると一番頼りになる存在だったりするんだろうなと思います。
    「思いわずらうことなく愉しく生きよ」。
    いい言葉だなと思います。

  • 江國香織さんは素敵な文章と常識から少しズレた魅力ある人物を描くことがとてもうまい。おそらくご本人も魅力的な考え方の方なんだと思うと同時にどこかドロッとしたものを抱えているからこそ描ける文学なのだと思う。
    三姉妹の生き様と悲しい出来事があっても、タイトルのように生きれば良いというメッセージが胸に響く、個人的には代表作の一つだと考えている。

  • タイトルに反して辛くて悲しい出来事がたくさん起きる。三姉妹みんなと、その周りの人たちも全員狂気的。でもなんかスラスラ読めてしまう

  • ちょうどNetflixでブリジャートンを観進めているものだから、姉妹の苦難とそれぞれの生き方について色々頭を掠めた。

  • 最高………
    麻子の脆さ、治子の清々しさと美しさ、育子の健やかさがどれも憧れるし好きで、でもどれも自分にある何かで。

  • それぞれ3人が個性的でかっこいい

  • 江國香織さんの小説は、いつもこれくらい楽に恋愛ができたらいいのにと思う。いつも全力だし苦しそうだけど、はじまりや終わりはあっさりしている。

  • 様々な女性の生き方を見て、とても息苦しくなりました。 言葉で表すことができないけど、静かに熱を持って頭に入り込んでくる感じ。

  • 依存し閉鎖的な長女、仕事も恋も全力の次女、奔放で誰にも属さない三女。
    姉妹それぞれの偏り具合、大胆さが愛おしい。時に狂気で、でもきっと誰にでも訪れうる。
    本当の意味で愉しく生きるためには、思い煩うことも必要なのかもしれない…

  • 思いわずらうことなく愉しく生きよ、思わず口にだしてしまいたくなるいい言葉だと思う
    take it my wayということかしらん

    江國香織さんの書く言葉はとても好きだと思うし、
    この本もとても好きだけれど読み終えるのにとても疲れた
    邦一に関する全ての描写に挫けそうになった

    育子の、正解を探して一直線になってしまう感じが自分に似ていると思った、育子の優しさも好きだと思った

    江國さんがかく女の人は奔放な人が多くて、皆惹かれる

  • それぞれ全く異なる性格の3姉妹の視点で描かれたストーリーのように思えるけど、その実はどのキャラクターにも共感できるところがあるように思えてくるから不思議。
    客観的に見ると単純でも内面は思慮深かったり、男勝りのようで誰よりも愛を求めていたり。
    作者の繊細な文章が心地よい作品。

  • 健やかにのびやかな三姉妹の話。

    題名からして、
    もっと軽やかな明るい話なのかなと思ったけど、
    DVだったり失恋だったり、
    彼女らの人生には(自分で蒔いた種も含め!)
    たくさんの苦難があった。

    “思いわずらうことなく愉しく生きよ”って、
    「苦しいことはしりぞけて、人生楽しいが一番」
    って意味じゃなくて、
    「いい事ばっかじゃないけど、
    悩んで立ち止まっちゃうんじゃなくて、
    自分の人生、自分で考えて決断して、
    前向いて朗らかにつき進んでいくんだぜ」
    っていうことなんじゃないかな。
    そりゃあ素敵な家訓だ!

    三姉妹は、姉妹といえど各々考え方が違っていて、
    でも3人とも自身の信念や感覚を信じていて、
    姉や妹のことを
    「こいつの考えてる事はよくわからん」と
    正しくドライに評価しながらも、
    すごく大切に思っている。

    女同士の関係性がみんなこんな感じなのかは
    わからないけど、
    この三姉妹の関係性すごく好ましいなって。

    だって、こんなに違った相手のことなのに、
    なんかしでかしても
    「やれやれ」って小言を言いながら、
    もしくは鮮やかに怒りながら、
    結局は助けてくれたり、
    そのうえ一緒に飲みに行って、
    後ろめたさとか恩着せがましさとかなしに
    こんなにカラッとお喋りできるなんて。

    外から見た彼女らの評価として、雪枝の言った
    “家族に愛されると、人は強くなるのね”
    という言葉がすごく印象的で、
    きっと彼女が健やかにのびやかでいられるのは
    家族の愛という根っこがあるからなんだろうな。

  • 知人に聞いたこの言葉が印象的で読み始めた。姉妹でも三者三様の生き方。己の道を行くのだね。そう「のびやか」って言葉がぴったり。自分の心に素直にのびやかに行けばいいのだ。いい言葉。

  • 先にドラマ観てから原作が気になって読んでしまう…
    もうこうなると江國香織作品なら読みたくなる病かも☺︎

  • 愛の形をベースに話が進められていくのかな

    三姉妹の生き方考え方は私はどれもあてはまらないし、なんなら理解し難いことの方が多いのに、3人ともに共感せずにはいられないところが多くあって、凄い微妙で巧みな人物描写だなと感じた

    何が正解かなんて分からないし、仮にこの3人に出会ったとしてもなんて声をかけたらいいのか分からないなぁ

    犬山家はとても素敵!三姉妹の関係も素敵。自分も三姉妹だからすごく興味が湧いた!と同時に末っ子である自分が家を出て作品の3人のような年齢になるころ、が不安になった。家を出ると誰かしら良くも悪くも変わっていくのだろうなー

  • 偶然にも、全く同じ年齢差の三姉妹の末っ子である私。

    三女の育子に共感する部分もあれば、長女や次女に共感する部分もあった。

    江國香織さんの本は初めて読んだのだけど、登場人物それぞれに愛着が湧き、ひさしぶりに小説を読み漁りたい気分になり、わくわくした。

    映画やドラマも大好きだけど、やっぱり本も大好きだなぁ。

    「思いわずらうことなく、愉しく生きよ」

    自分自身の指針になりそうなくらい刺さった言葉。
    とても大事な一冊になった。

  • タイトルが好き。
    タイトルに惹かれて手にとった本。

    三姉妹の日常を描いた物語。
    一見、ぶっ飛んでいるように思える3人だが、読み進めていくうちに、誰しもが3人に近い感情を抱いていて、これは案外リアルかもと感じた。同時に物語にどんどん引き込まれていった。

    「思いわずらうことなく愉しく生きよ」
    いい言葉だな

  • 犬山家の三姉妹、長女の麻子は結婚七年目。DVをめぐり複雑な夫婦関係にある。次女・治子は、仕事にも恋にも意志を貫く外資系企業のキャリア。余計な幻想を抱かない三女の育子は、友情と肉体が他者との接点。三人三様問題を抱えているものの、ともに育った家での時間と記憶は、彼女たちをのびやかにする―不穏な現実の底に湧きでるすこやかさの泉。


  • 3姉妹の一人ひとりに共感できる部分がありました。

    姉妹ってこんな感じなのか〜と思いながら読みました。

  • 江國=恋愛小説家っぽくて読まず嫌いできたけど(恋愛ものが苦手)、嵌りそう

  • 現実の愛する形をそのまま描いた物語。
    現実はどこが常に齟齬があって、いろんなことを噛み締めたりするする飲み込みながら進んでいく。

    姉妹が互いを受け入れている姿勢が表紙の部屋から溢れ出る光に似ているなあ。

  • 三姉妹の生き方、それぞれに抱える問題、悩みなど独特な言葉で語られていく。両親が離婚しているけれど幼少期は裕福で幸せだったことが分かる。タイトルの『思いわずらうことなく愉しく生きよ』という家訓が姉妹それぞれの捉え方で大人になってもあるのだと思う。麻子のDV問題は深刻だけれど夫婦の問題はなかなか踏み込めない様子も現実的にあり得るな、と納得できた。映像化も何年か前にされているようだか設定等は多少違っているようだかキャストを見て納得。長女木村多江、次女真木よう子、三女夏帆。

  • 思いわずらうことなく愉しく生きよ
    なんてのびやかな言葉なんだろう。
    のびやかで温かくて、それでいてどこかしら強さもあって。
    大人になったら家族であっても、心の内をすべて見せられるとは限らないけど、安心できる人、最終的には自分のことを受け入れてくれる人がいるというのは、とても心強い。

  • 江國香織さんの小説は何冊も読んでいるけど、この小説はまた読みたいなぁ。

    三姉妹それぞれ個性があってタイプは違うけど、家族が信頼できる場であることが3人それぞれの強さに繋がっていると思ったり。
    心が帰る場所があることは、自分自身を強くするので思いわずらうことなく楽しく生きれるのではないだろうか。

    わたしもそんな家族を作っていきたい。

  • 家族それぞれに複雑な事情がある中で、一人一人が不安定ながらも力強く生きていく姿に希望をもらう素敵なお話でした。

    いろいろあるけど、それでも生きていくことは素晴らしい。そんなシンプルで晴れやかな読後感!

  • 昔ドラマを見てとても印象的で、本も読んだ気になっていたけど、読んでなかったようです。
    タイトルにもなってる犬山家の家訓、思いわずらうことなく愉しく生きよ、とてもいいな。
    姉妹仲良くて、とても羨ましい。

  • ワーママはるさん推薦

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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