禍家 (光文社文庫 み 25-1)

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  • 光文社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334742812

感想・レビュー・書評

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  • 何か純粋なホラーかと思ってだけど、ミステリー要素もある。どんでん返しあり。
    名探偵コナンばりに、賢いというか、大人な小学生には違和感あるが、こんな過去持ってたら、お化けとか以前に良くマトモに育ったと感心する。
    しかし、なんぼなんでも、そんな家に引越しして戻って来るか???経済的な理由にしても…
    おばあちゃんが、そんなん信じる人でないにしても、気色悪いし…
    結局、おどろおどろしい人達は、この小学生を助ける為に、現れたの?
    まぁ、身内やったかもしれんし、助けようと警告しに来たのかもしれんけど、首取れたりする人の話とか聞く余裕ナシ!
    こんなに、色々、出没してるのに、夜になると、家に帰るというのが理解できん…

    更に立ち向かうとは!
    やはり連鎖を断ち切るには、それしかないんか…

    しかし…しかし…しかし…
    はぁ…(T . T)

  • 普通のホラーと思ってたら、全然全く予測していなかったラストでビックリ!
    ミステリーは好きなので◎

    三津田さん本は色々読んだけど、この本は前半半分くらいまで長い!
    つまらなくもないが、あまりのめり込めず。
    ただ後半から一気読みで徹夜した笑

    よくお風呂で本を、読むんやけどお風呂のシーンはお風呂で読まなくて正解だった笑

  • 両親が事故で亡くなり、主人公の少年は祖母と共に中古の一軒家に引っ越してきたが、なぜか既視感を感じる。
    引っ越してきたその日から、家の中で怪奇現象に襲われるようになり、少年は原因を突き止めようと、友達になった近所の少女と共に家の過去の情報を集めようとする、というホラー。

    実はこの家では一家虐殺が起こっていて、少年はその事件の唯一の生き残りであった。少年と血の繋がった祖母、父、母、姉、弟は亡くなっており、少年は「実家」に戻っただけで、既視感は実際に見たことがあるためだった。そして少年の家族を惨殺して射殺された男の妹が、今も殺しそこねた少年を狙っていた…という謎解きが行われた瞬間、「不気味な怪奇現象」は「少年に警告しようとしていた亡くなった家族」となり、「優しいお姉さん」は「執念深い殺人鬼」となり、「怪奇現象の謎を突き止めるホラー」は、「殺人鬼を突き止めるミステリー」となる。
    この反転が爽快。
    また、ミステリーになるといっても怪奇現象が起こったのか起こっていないのかについては、惨劇の舞台に帰ってきたのをきっかけに主人公の記憶の奥底のトラウマが蘇って見せた幻覚の可能性も、実際に家族の霊が現れた可能性も両方残している。
    家族の霊が真犯人を推理するヒントになったのは事実だが、少年に警告するために現れたというのは一つの解釈であり、唯一生き残った少年を恨んで、少年も道連れにしようとするために現れたというのも、解釈の一つとして可能であり、ホラーともミステリーともとれるようにしてあると感じた。

    少年を殺そうとしたのは、少年の家族を殺した男の妹だった。
    物語の最後、少年は助けてくれた少女と夫婦になり、おばあさんと孫に見える二人連れとすれ違う。実はその二人組は、少年を殺そうとした女(少年の家族を惨殺した男の妹)の子供と、殺そうとした女の母親(子供からしたら祖母である)であり、新たな惨劇の予兆を感じさせる終わり方だ。
    これにより、少年が助かったのは血の繋がった家族(の亡霊)のためであるが、少年を殺そうとしたのも殺人鬼と血の繋がった家族である、という、家族(血の繋がり)は、祝福にも呪いにもなるという、皮肉が成り立つ。
    元少年と、元少女の間に子供が生まれようとしている(=新たな血の繋がりができる)という描写もそれを強調しているように見え、後味の悪さが良い作品だった。

  • 事故で両親を失った12歳の少年、貢太郎が祖母と新生活を求めて東京郊外に引っ越すところから物語は幕を開ける。
    初めて訪れた土地のはずが、祖母と二人では部屋を持て余すほどの新居を見た時、既視感を主人公の中を駆け巡る。

    「この家知っている・・・」

    不幸にも読者も同じく感じた不安感は的中し、家に一人でいるときに限り、数々の怪異が貢太郎君を襲う
    (真相が明らかになるまでおばあさんを疑っていました。ばあちゃんごめんよ・・・)

    1)お風呂場で響く赤ん坊の泣き声 (一番怖かった、髪を洗う時は目をあけるようになるほど)
    2)四つん這いに迫る首無し
    3)襖から掴みにくる老人の手
    4)首から血が噴き出る男性

    の怪異を経て、何かと面倒見がよい同い年ご近所少女、礼奈と礼奈が慕うセクシー霊能お姉さん、シミちゃんの3人で主人公と化け物屋敷の関係性を暴く方向に話は展開する。

    真相は・・・・

    十年前、例の家で一家惨殺事件があり貢太郎が唯一の
    生き残り。家で目撃されていた幽霊?はどれも事件で命を奪われた主人公の家族。貢太郎を一目見たくて、また貢太郎の置かれている危険な状況を知らせたいが為に亡くなった家族が化けて出てきたと思うと涙ぐましい。
    警告するにも幽霊は容赦がなく方法など選べないなあとふと思ってしまった。

    簡素にまとめると、人喰い森に住む神を祀った没落した名家の兄妹の身勝手な行動に振り回された貢太郎の受難
    記録だった。結局、森に潜む影の謎は解き明かされず
    悪霊に関しては読者にゆだねられる形で幕は閉じた。子供を餌食にする悪霊、家を彷徨う亡霊よりはるかに恐ろしいのは狂気に駆られた人間というメッセージを受け取りました。

    最後に・・・司君の伏線がp50辺りで貼られている。自分が思っていた以上に貢太郎君は追い詰められているよ・・・・南無~ (ハッピーエンドは期待できないな)

  • ホラーなんだけど説明が多く、しかも文章が途切れる感じ、つまるような感じで怖さよりも文章に気を取られてしまう。
    ホラーは映像の方が怖さが引き立つので小説で求めようと思ったらダメなのかな?


    再読する事ないと思うので旅立たせようと思う。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★★☆☆ 9
    【整合】★★★☆☆ 9
    『意外』★★★☆☆ 6
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★★★★ 5
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★☆☆ 6

    《総合》66 C

  • ジュブナイルホラーミステリで面白かった。

  • 初めて読む作家さんです。初めてなら…と薦められました。


    両親を事故でなくした貢太郎は、祖母とある一軒家をかりるのだが、初めから不思議なデジャヴュに襲われる。怪異な老人の謎の言葉、森の奥にうごめくなにか、化け物屋敷の話、陰惨な事件のうわさ…
    貢太郎は引っ越してすぐに怪異と出会い、同学年の少女・礼奈 とその謎を調べはじめる…

    主人公の男の子、12歳なのにしっかりしてる!そのせいか、
    怖かったけど、気持ち悪くないし、怖がらせも、じわじわせまりくるジャパニーズホラーな感じで面白かったです。

    今度はシリーズがよんでみたいな。

  • 両親を亡くした12歳の少年が祖母と越してきた家にはどこか見覚えがある。いや家だけではない、その街並みさえも。幼少期から見る影におおわれた悪夢はこの土地の恐ろしいさを警告しているよような気がする。初めて訪れたはずのその土地で近隣の老人が告げる。
    「ぼうず、おかえり・・・・。」

    ホラーとミステリの破綻なき融合を成し遂げた刀城言耶シリーズを生んだ三津田信三氏が手掛ける家ホラー。家という閉鎖空間でひたひたと迫りくる怪異の怖さ、過去に起こったとある事件と森の祠の謎、未成熟な少年目線の冒険譚、と見どころ多し。刀城言耶シリーズが好きなら楽しめるとは思うが茶目っ気が少ない分下位互換のように私は感じた。

  • #読了
    #日本怪奇幻想読者クラブ
    禍家 / #三津田信三
    三津田信三作品を遡る形で読んでいます。
    中学生の主人公がとあるきっかけで祖母と二人暮らしを始める家が、何か、おかしい。
    その町での事件や出自を辿っていくと思わぬ過去と向き合う事に...というお話。
    輪廻転生とまではいかずとも人と人の抗えない繋がり、因縁を感じました。
    大変面白く読みやすかった!

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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