臨場 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 403
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743031

作品紹介・あらすじ

臨場-警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。捜査一課調査官・倉石義男は死者からのメッセージを的確に掴み取る。誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。人呼んで『終身検死官』-。組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、ストイックに描いた傑作警察小説集。全八編。

感想・レビュー・書評

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  • 「どこにでもあるクソ人生でも、こいつらにとっちゃ、たった一度の人生だったってことだ。手を抜くんじゃねえ。検視で拾えるものは根こそぎ拾ってやれ」

    不思議な刑事小説。
    「クライシス・倉石」「終身検視官」と呼ばれる倉石さんが主人公なんだけれど、彼の内面は一切語られず。
    ワトソン的な人物が代わりに語ることもない。
    刑事ものってグチグチと女房に逃げられてとか、綺麗事ばかりじゃやってらんねえとかそういうことが描かれることが多いけれど、倉石さんがそれを語ることはない。
    弟子のような部下、敵視する上司、事件を追う記者などが事件で倉石さんに出会い、眼力に魅せられ、懐の深さに胸を熱くする。
    ずっと行動をともにすることもあれば、通りすがりのような時もあり。
    どんな時も倉石さんは、ズバッと事件を解決して去っていく。
    人の死に関わる事件なので、決して明るくはないけれど、「餞」のようにふんわりと温かい気持ちになる話もある。
    それをドラマか、難しいなあ。
    ベツモノとして見てみたいかな。

  • 数年、積読になっていた本の1冊。
    テレビドラマ化や映画化されていて、ドラマは再放送で何度か見たかな。

    横山秀夫氏の本は初めてでしたが、とても読みやすかったし、物語の舞台が子どもの頃に観ていた刑事ドラマみたいでなんだか懐かしかった。

    警察署小説はわりと好き。
    警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることを「臨場」というそうです。その捜査一課調査官・倉石義男の物語。
    群れに属さず「終身検視官」と呼ばれている男。

    8編の短編小説のようになっていて、それぞれの事件があって、その事件ごとに様々な登場人物からの目線で描かれているのが面白い。そのため、主人公倉石の本心が見えないのがいい。

    なんだか切ないお話が多いのですが、ひとつひとつ事件が解決されるたびに、倉石の不器用だけど熱いこころが見えてくる感じがしました。

    特に「餞(はなむけ)」が良かったです。

  • 横山さんの本は最初が【深追い】。それが面白かったので次々に・・・
    私はミステリーが大好きなのですが、警察を舞台にしたミステリーはほとんど読んだことがなかったのでこれがとっても新鮮で!気がついたら10冊も読んでました。

  • ドラマの再放送を見て良かったので読んでみた。ドラマとは設定も違ったが本は本で良かった。全八編どれも安定感の横山秀夫という感じ。

  • 複数の話が入った短編集と言う感じ。遺体が残す事実から事件を紐解く。人間関係も絡んで面白い事件が多かった。

  • おいおい、かっこいいな、このおっさんは。かっこいいおっさんは割と好きだ、ていうか大好きじゃないか。なんかイチイチ出木杉君な気もするけど、まぁたまにはこういうのも良いよね。

  • 読んだことのない作家・避けてきたジャンルを読んでみようキャンペーン第1弾。

    というわけで、突然の警察小説、【横山秀夫/臨場】です。

    CSIやボディ・オブ・プルーフはよく観てたのに、活字になった途端に敬遠しちゃうのは何なんでしょう。

    さて、横山秀夫先生です。
    半落ちや64、クライマーズ・ハイなどなど、映画化された作品は数知れず。社会派ミステリの代表作家です(多分)。

    身構えて読んだけど意外と読みやすいな、というのが第一印象です。
    読後感としては、高校時代に清涼剤ポジションだった赤川次郎に近い(って言うのは言い過ぎかな)。

    冒頭で事件の顛末、あるいはキーパーソンの過去が語られ、「終身検死官」こと捜査一課調査官・倉石義男が登場、事件を見事解決。
    テンプレっちゃテンプレですね←

    改めて思いましたが、社会派ミステリの主人公は、「人」なんですね。とりわけ、「被害者」や「その関係者」がフォーカスされるのが印象的です。

    一方、私の愛する本格ミステリの主人公は「探偵」であり「事件そのもの」です。被害者に心を寄せることはあっても、話の中心に据えられる事は滅多にありません。

    どちらが良い悪いの二元論で語られるものではありませんが、本格ミステリが「文学」というジャンルにカテゴライズされない遠因は、こういうところにもあるのだろうなァと寂しく思う夏の夜でございました。






    嘘です。そんな寂しくない←
    本格ミステリの王道は、文学の王道を外れたところにこそあると本気で思ってます←←←

  • 倉石校長が男前すぎ。
    破天荒なわりに、部下想いやし。
    上に疎まれ、下に好かれ。
    横山さんは素敵な人物像を作り出す天才だ。

  • 事件現場に臨む凄腕の検死官、倉石検死官。組織に与しないストイックな仕事人。こういう男っぽい話もやはり好きです。八篇の短編それぞれ読み易くおもしろかった。「赤い名刺」「眼前の密室」「鉢植えの女」「餞」「声」「真夜中の調書」「黒星」「十七年蝉」。中でも好きなのは「餞」と「黒星」、「眼前の密室」、「真夜中の調書」。2009年にテレビドラマ化されて2012年には映画化もされていた、どちらも見てみたい。

  • Vドラマは観ていなかったものの、まさか倉石警視の視点が一切挿入されていないとは思ってもみなかった。しかし、第三者視点を通して語られる【終身検視官】は孤高で気高く一本筋の通った正に【男が惚れる男】だ。各話50頁程度なのにどれも濃密で、二転三転する展開は複雑ながらも非常にドラマチック。飛躍し過ぎにも思える着眼点や推理は最早検視官どころか超能力者のレベルだが【常識】を疑うその姿勢には感服。目に見える真実だけが真実とは限らないのだ。マイベストは「鉢植えの女」だけど「声」も「黒星」も「十七年蝉」も捨て難いなあ…。

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著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。
1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。
その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

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