臨場 (光文社文庫 よ 14-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743031

作品紹介・あらすじ

臨場-警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。捜査一課調査官・倉石義男は死者からのメッセージを的確に掴み取る。誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。人呼んで『終身検死官』-。組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、ストイックに描いた傑作警察小説集。全八編。

感想・レビュー・書評

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  • 警察小説やけど、主人公は検視官。

    「終身検視官」
    「死体掃除人」
    「クライシス・クライシ」
    などなど、数々の異名を持ち、やくざのごとき風貌と辛辣な物言いで周囲に睨みをきかせている。
    上には疎んじられてるはんめさ、若手には信奉社外が多い。
    かっこええ生き方やな!
    天才的に優秀やないと出来ん事ではあるけど。常に自身を磨き、真実を追求する。職人さんみたいに。
    上に文句言わさん程の実績ないとあかんしな。
    警察組織って、出世ばっかの人やなくて、こういう人が支えてるのかもしれんな。

    警察組織だけやなく、会社とかにも、一部やけど、こんな人がおる。そういう人になりたいな!確かに出世は出来んけど、我が道を行く〜
    自分も精進します〜!(^_^)v

  • 短編集なので、スラスラ読み終わった。
    倉石検死官、かっこよすぎです。組織に媚びず、周りに流されず、ただ事実だけを見て感じて真相を導き出す。しかも検死官として優れているだけではなくて、人の感情にも敏感で、事件の裏にある人の思いにまで気がついてさりげなく弱い者を助けてくれる……素敵すぎます!
    最後、倉石検死官の体に異変が……みたいな終わり方だったので、続きが気になります。
    それと、倉石が倉石になるまでのストーリーも読んでみたくなりました。

  • 2009年、私が読んだ初めての横山秀夫氏作品。
    当時テレビドラマを観て、購入、読了。
    現在、断捨離済み。

  • 2020(R2)8.13-8.20

    『64』以来の横山秀夫。骨太で重厚な物語を求めて読み始めたのだが、短編集だったことに驚きと少しの安堵。

    と思ったら、なんのなんの!
    “終身検視官”の異名を持つ倉石という検視官を、短編集を貫く主人公に据え、それぞれの短編ごとの主人公との関わりを通して、物語のスケールを深くしている。

    「これってドラマにすると面白いんじゃないかなぁ。」と思って、今調べてみたら、テレビ朝日ですでになってました。
    そんなことも知らない、世間知らずな僕…。

    『64』と『クライマーズ・ハイ』しか知らない僕が横山秀夫を語るのは憚られるが、『臨場』は、横山秀夫を知らない、あるいは少し遠ざけている方には、「入門編」としてふさわしい作品の気がします。

  • 捜査一課調査官の倉石は、初動捜査において死者からのメッセージを的確に掴み取る。
    事件の真相を看破し、鑑識ネタでホシを挙げ、検視の現場では目から鱗の見立てをする。

    このハードボイルドちっくな、己の道を貫く倉石が関わる物語が短編で綴られている。

    短編嫌いな私には、1つの話が短すぎて悲しいところだが、短い中にも倉石の魅力を凝縮して描かれている。

    ハードボイルドちっくではあるのだが、がっつりハードボイルドとも違い、女性目線でも読みやすいのではないかと思う。サクサクと読み進められる。

    なかなかに面白い作品なので、長編で読んでみたくもある。

  • 本作は読むより前に、以前、テレビドラマで見た。もともと刑事が犯人を追い詰め、ときには銃撃戦となる派手な刑事ドラマが大好きなのだが、その後、警察ドラマは科学的なテーマにシフトしていった。その一角を担っていた(と思っているが)「臨場」は、事件現場のありとあらゆるモノを手掛かりに、事件の真相を暴いて見せた。そのやり方がとても斬新で、決して刑事が拳銃片手に派手なアクションをしなくても、面白いドラマができるのだと感じた作品だった。
    ドラマでは、検視官・倉石のキャラクターが立っていたが、それは小説でも同様だった。小説では、ドラマ以上に現場の状況や遺留品だけでなく、そこから事件に関わっている人々の心情や過去まで明らかにしてみせる。倉石はそこから立ち昇る真の動機や真相を、現場に落ちている「証拠」と重ね合わせ、真相を暴くのである。一見はぐれ者に見えて、実はクールな検視官というキャラクターは、オリジナルの小説でも健在だ。ミステリアスな私生活についても同様である。ドラマの脚本家は、倉石の人物造形は、オリジナルに忠実だったらしい。
    短篇集だけに、そうした倉石の活躍が何度も楽しめる。短い物語の中にも、巧みなプロットと無駄のない記述だけに、濃度は高い。多くの物語の間で、主人公たる倉石のキャラクターもブレることはない。決して長い物語ではないけれども、懐石料理を味わったかのごとき充実感が得られるのではないかと思う。
    組織(特に警察のような、ヒエラルキーがはっきりとした組織)の中で、その論理を少しばかり外れてしまい、しかしそれを卑下することなく孤高を貫く人物を描かせたら、横山秀夫の右に出る人はいないのではないか。

  • 2023/11/20読了。

    検視官倉石義男を軸とした8編の短編集。
    最近、この作品をドラマ化した番組が昼間、再放送されていて、観てみたらとても面白かったので、原作にあたるこの本を手に取ってみた。

    ドラマですでに犯人がわかってしまっているストーリーもあったのは、個人的に少し残念だったけれど、どの話も短いながら、とてもよく練られていると感心する。
    私は最後の「十七年蝉」が一番好きかも。胸にグッとくる話。
    「餞」も切ない。
    事件を扱う作品だけれど、「人間」に焦点が当たっているのは横山秀夫ならではだと思う。

    ちなみに家族はかなり前にこの作品を読んで、5段階で3だという評価だった。
    うーん。

  • 横山氏は「半落ち」の作者でもあります。
    今回のこの作品は警察検視官が主人公の8編からなる短編ミステリー小説です。
    謎解きが本当に面白い。
    遺体や現場からの状況判断がすごい。
    一つ一つの事件に登場人物の生き様が描かれています。
    ちょっと?全然?違うかもしれませんが、魔夜峰央氏の「パタリロ」のよう・・。
    とにかく おもしろかったー というのが感想です。

  • ▼横山秀夫さんはほんとに凄い。凄いんだけど、そりゃいろいろ読んでいけば読み手の好みによって凸凹はあるわけで。この本は「検視官」という役目の中年警察官・倉石が主人公の連作短編。面白いところも、いまいちかなあというところもありました。

    ▼素人的にいうと。殺人事件の現場に現れて死体を検分するんだけど、「医者」ではない。刑事。そういうのの専門家。まあそんなような役割ですね。主人公の倉石さん。

    ▼なによりこの本は、横山さんなりに「ヒーローものをやってみました」なんです。倉石さんという検視官が、めちゃくちゃ出来る。間違わない。事故死か自殺か他殺かの判断から、他殺の場合の犯人の目星、自殺の場合の事情や動機まで、ズバズバ当てて間違わない。ヒーローものの安心感。 
     その代わり、倉石さんでは人間ドラマは描きづらいのか(まあそりゃそうだよなあ)、連作短編は必ず別に主人公がいて、倉石さんは言ってみれば全部の話で「トメ」的な脇役で出てくる。その作り自体はうまくいっているかと。

    ▼ただまあ、どうしてもそれなりに凝った設定(つまり偶然要素も多い)し、謎のための謎ということも多くなります。主人公が検視官で短編でけりをつけていくから、仕方ないですよね。そのあたりはまあ。

    ▼個人的に(おそらく多くの読者が)「横山さんの小説の中で、コレがいちばん好き」ではないでしょうが、楽しみはしました。内野聖陽さん主演でテレビドラマにもなっていますね。未見ですが、当然ながら相当に改変してるんだろうなあと推察しますが。

  • 8編収録の警察小説
    どの作品もおぉって感じる結末でした
    調査官・倉石が主人公で他殺か自殺か見分け
    事件の核心に迫る
    この人がいたら無敵なんじゃないだろうかと思わせました
    おもしろい作品ばかりでした

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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