臨場 (光文社文庫)

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レビュー : 427
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743031

作品紹介・あらすじ

臨場-警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。捜査一課調査官・倉石義男は死者からのメッセージを的確に掴み取る。誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。人呼んで『終身検死官』-。組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、ストイックに描いた傑作警察小説集。全八編。

感想・レビュー・書評

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  • 「どこにでもあるクソ人生でも、こいつらにとっちゃ、たった一度の人生だったってことだ。手を抜くんじゃねえ。検視で拾えるものは根こそぎ拾ってやれ」

    不思議な刑事小説。
    「クライシス・倉石」「終身検視官」と呼ばれる倉石さんが主人公なんだけれど、彼の内面は一切語られず。
    ワトソン的な人物が代わりに語ることもない。
    刑事ものってグチグチと女房に逃げられてとか、綺麗事ばかりじゃやってらんねえとかそういうことが描かれることが多いけれど、倉石さんがそれを語ることはない。
    弟子のような部下、敵視する上司、事件を追う記者などが事件で倉石さんに出会い、眼力に魅せられ、懐の深さに胸を熱くする。
    ずっと行動をともにすることもあれば、通りすがりのような時もあり。
    どんな時も倉石さんは、ズバッと事件を解決して去っていく。
    人の死に関わる事件なので、決して明るくはないけれど、「餞」のようにふんわりと温かい気持ちになる話もある。
    それをドラマか、難しいなあ。
    ベツモノとして見てみたいかな。

  • 捜査一課調査官の倉石は、初動捜査において死者からのメッセージを的確に掴み取る。
    事件の真相を看破し、鑑識ネタでホシを挙げ、検視の現場では目から鱗の見立てをする。

    このハードボイルドちっくな、己の道を貫く倉石が関わる物語が短編で綴られている。

    短編嫌いな私には、1つの話が短すぎて悲しいところだが、短い中にも倉石の魅力を凝縮して描かれている。

    ハードボイルドちっくではあるのだが、がっつりハードボイルドとも違い、女性目線でも読みやすいのではないかと思う。サクサクと読み進められる。

    なかなかに面白い作品なので、長編で読んでみたくもある。

  • 警察小説の巨匠 横山秀夫さんの作品です。
    この作品はテレビ朝日で内野聖陽さん主演のドラマでも人気があるミステリーです。
    警視庁捜査一課調査官 倉石義男は死者からのメッセージを正確に読み取る。彼は終身検視官としてその名をはせ己の道をただひたすらに進み続けている。そんなことを感じました。

  • 数年、積読になっていた本の1冊。
    テレビドラマ化や映画化されていて、ドラマは再放送で何度か見たかな。

    横山秀夫氏の本は初めてでしたが、とても読みやすかったし、物語の舞台が子どもの頃に観ていた刑事ドラマみたいでなんだか懐かしかった。

    警察署小説はわりと好き。
    警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることを「臨場」というそうです。その捜査一課調査官・倉石義男の物語。
    群れに属さず「終身検視官」と呼ばれている男。

    8編の短編小説のようになっていて、それぞれの事件があって、その事件ごとに様々な登場人物からの目線で描かれているのが面白い。そのため、主人公倉石の本心が見えないのがいい。

    なんだか切ないお話が多いのですが、ひとつひとつ事件が解決されるたびに、倉石の不器用だけど熱いこころが見えてくる感じがしました。

    特に「餞(はなむけ)」が良かったです。

  • 横山さんの本は最初が【深追い】。それが面白かったので次々に・・・
    私はミステリーが大好きなのですが、警察を舞台にしたミステリーはほとんど読んだことがなかったのでこれがとっても新鮮で!気がついたら10冊も読んでました。

  • 臨場-警察組織では、事件現場に臨み、
    初動捜査に当たることをいう。

    操作一課調査官・倉石義男は
    死者からのメッセージを的確に?み取る。

    誰もが自殺や病死と疑わない案件を殺人と見破り、
    また、殺人の見立てを「事件性なし」と覆してきた。

    人呼んで、「終身検査官」。
    組織に与せず、己の道を貫く男の生き様を、
    ストイックに描いた傑作警察小説集。
    全八編。

    **************************************

    よくそんな事に気づくなー、
    なんて感心しながら読んだ。

    一編目の「赤い名刺」、これが一番面白かった。
    調査官の倉石以外に、もう一人の調査官、被害者、犯人、この繋がりが絶妙。

    犯人が知らず知らずに犯したミスも
    読んでて見逃してたけど、言われたら、あー、ってなった。

    調査官の倉石は、厳しい顔ばかりじゃなく、
    少しでも一緒に働いてた部下に対して、
    自分の完璧な仕事よりも、その部下の為を想って行動する優しい一面もあって、すごい人やなと思った。

    何編かは、全く理解ができへん事もあったけど、
    最初の話がほんまに短編やのに、ぐっときた。

  • 横山秀夫の警察小説短編集。
    「終身検視官」の異名を持つ捜査一課調査官:倉石の活躍を、8篇の連作短編で描いています。
    今回も角度の違った世界観で、読ませます。

    ちなみに・・・私、この作品を読むまでまで「検視官」を「検死官」だと思ってました(^_^;)

  • ドラマのほうではずっと見ていました。上層部から疎まれていても自分の意思を貫く主人公がとても素敵でした。

  • ドラマの再放送を見て良かったので読んでみた。ドラマとは設定も違ったが本は本で良かった。全八編どれも安定感の横山秀夫という感じ。

  • おいおい、かっこいいな、このおっさんは。かっこいいおっさんは割と好きだ、ていうか大好きじゃないか。なんかイチイチ出木杉君な気もするけど、まぁたまにはこういうのも良いよね。

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著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

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