祝山 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 413
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743055

作品紹介・あらすじ

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。ネタが拾えれば、と軽い思いで肝試しのメンバーに会った鹿角。それが彼女自身をも巻き込む戦慄の日々の始まりだった。一人は突然の死を迎え、他の者も狂気へと駆り立てられてゆく-。著者の実体験を下敷きにした究極のリアルホラー。

感想・レビュー・書評

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  • 肝試しに廃墟に行ったという友だちから相談を受けたら、自分にも怪奇現象がふりかかって来たよタスケテー、という内容。作者の体験談をもとにしたホラーです。

    ただ、ホラーとはいえ、アッ!と驚かせるような白い服を着た髪の長い幽霊などは出てこない。肝試しに行った友人たちが、徐々に変容していく様が主に描かれています。

    しかし、怖い。ジリッとにじり寄る恐怖感。得体の知れないモノにジワジワと日常が浸食されていく不快感。なんというか……、首筋に生暖かい吐息を繰り返し吹きかけられているような……そんな感じの不快感があります。

    平易な文章だから……と、うっかり夜寝る前に読んだりすると、暗がりからナニかが見ているような気がして、中々寝付けなかったり……。


    余談。作中では、面白半分に心霊スポットに肝試しに行く……という行為に対し、批判的に書かれています。僕は批判は別にしないけれど、否定的です。ホラー好き、怖い話が好きということもあり、「心霊スポット行ってみようぜ」と誘われたこともあったけど、断固拒否してきました。これからも拒否します。

    なぜなら、怖いからです。人が触ってはならぬものもある。

    触らぬ神に祟りなし。怖い怖い……。

  • ホラー小説で、じわりと怖いものが読みたくて手に取った作品。これは…実体験をアレンジして書かれたものなだけに、怖かった。意識せず偶然起こした行動が、怖い出来事へと巻き込まれて引っ張られていく。そんな現象にぞくりとします。危ない所には遊び半分で行ったらダメ!怖い!w2016.06.21読了。

  • 実話がもとになっているという不安もプラスされ、主人公達の見えないものに対する恐怖を一緒に味わっているような感覚に、読むのを途中で諦めようかと…

    地元の人は誰も立ち入らない山に囲まれた夜の廃墟や神社、心霊写真、古い木の軋む音、狂っていく友人、家に一人でいるときの静かな恐怖…
    ヒーーー((((;゚Д゚)))))))ーーー!!!

    最後は食い入るように読んでしまいました

    タイトルを打つのもなんだか躊躇われるなぁ
    夜に読むのがおすすめです♪

  • ホラーと言ってもリングの貞子とか、呪怨の真っ白な子供みたいな具体的に、ぎゃー!お化け!みたいなものは出て来ない。でも、不気味。
    その不気味さは影も形もない、でも確かにすぐ近くまで迫ってきている。という切迫した雰囲気で感じ取れる。だから、不気味だし怖い。人間、影も形もないものは怖い。
    そう言う意味では、小野不由美さんの”残穢”に少し似たものがあるのかな?と読後に感じた。

    余談で神社の境内に唾吐いたり、遊び半分で心霊スポットに行ってはいけない。

  • 文庫書き下ろしなのだそうです。東野圭吾のせいで、「いきなり文庫」にはあまり良い印象がありません。文庫書き下ろしでも、相場英雄の“みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎”なんかは結構楽しく読みましたが、それでもこれらの作家の力量からすれば、もっと面白いものが書けそうで、「そこそこ」な感じ。だから初読み作家の本作も、ほとんど期待せずに読み始めました。結果、やっぱりそこそこ。(^^;

    ホラー作家の主人公・鹿角(♀)は、「肝試し」というテーマで執筆中。思うようにはかどらずにいたところへ、疎遠になっていた旧友・矢口(♀)からメールが届く。矢口は職場の仲間たちと廃墟へ肝試しに出かけ、戻ってきてから奇妙なことが起こっているらしく、仲間ともども鹿角に会って話を聞いてほしいと言う。もともと肝試しをはじめとする心霊スポットでのお遊びに否定的な鹿角。馬鹿な奴らの相手などしていられないと断りかけるが、もしかすると執筆のネタにできるかもしれない。鹿角や矢口らと会うことにするのだが……。

    ホラー苦手の私でも怖くありません。曰く付きの場所に出かけた若者たちが恐ろしい目に遭う話なら、三津田信三の『のぞきめ』のほうがずっと丁寧だし、重さも怖さも面白さもありました。軽い分、本作は読みやすく、娯楽作品として楽しめるからいいのかも。

    何かに取り憑かれたような矢口が意味不明のメールを送ってくるところは、『シャイニング』(1980)で同じ文章をタイピングし続けるジャック・ニコルソンや、『真木栗ノ穴』(2007)で判読不能の文字を書き続ける西島秀俊を思い出して怖かった。でもいちばん怖かったのは、突然毒づく鹿角の心の内だったりして。

    娯楽作品として楽しめるなんて言ったら罰が当たるでしょうか。だってこれは著者の実体験が基なのですから。と思うと途端に怖くなるのでした。

    映画『真木栗ノ穴』の感想はこちら→http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/b4f9a50c681a618742dc300f27831def

  • 廃墟に肝試しに行った知り合いから相談を受けた怪談作家が怪異に巻き込まれていくドキュメンタリー風ホラー。忌み地の祟り話というのはよくある話だが、忌み地であるとわかる瞬間はなかなかの衝撃。そして日本のどこにでもありそうな感じが怖い。怪異は派手さはないが、おかしくなっていく関係者の気持ち悪さがリアルでじっくりねっとりと怖い。体験はあくまで主観であり、超常の存在をはっきりさせない姿勢が実話の雰囲気を出していてよい。このあやふやな感じはけっこう好き。主人公の、遊び半分で肝試しに行く人々への嫌悪感とか鬱憤のようなものが強く出ていて説教くさいのは読んでて気になった。

  • うぎゃー舞台を群馬の山にしないでおくれ(笑)
    舞台も登場人物も現象も現実とはずらしてらっしゃるそうですが、これはリアルに怖い。
    何年か前、那須岳で相方が小さな祠を倒してしまって、慌てて直したんだけれど、下りで2人共すっころんでケガしたからね! 
    山の神様は侮ったらいかんよ……ううう。

  • 主人公が苦手。

  • 表紙の絵にそそられ購入。あるホラー作家が知り合いが行った肝試し後の不思議な現象に巻き込まれるという実話をベースにした話。一般的にホラーと言えばどうしても視覚的恐怖を期待するがこの作品にはそれは無い。淡々と話が進み、淡々とどこか嫌な気持ち悪さがジワジワと染み込む。小野不由美『残穢』に近い感覚だ。何か出る訳でも無く強烈な心霊現象が起こる訳でも無いが関係者は何かしら"おかしく"なって行くのである。『あんなコトしなければ、こんなコトならないのに』の恐怖は誰しも有り得る恐怖なのである。

  • イマイチ文章がこなれていない感じがして、また各登場人物の関係性についても一応説明はされているんだけどそれがストンと腑に落ちず引っ掛かり、何より作中の怪異がまったくもって中途半端で意味も不明のまま終わってしまった。
    実話をベースにしているのだとしても、あくまでフィクションの体をとるのであれば、もっとホラー小説としての完成度、娯楽性を高めてほしかったと思う。

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著者プロフィール

東京都墨田区生まれ。美術館学芸員を経て、1992年『人丸調伏令』で作家デビュー。著作に、『うわさの神仏』『うわさの人物』『猫怪々』『霊能動物館』『怪談徒然草』『お祓い日和』『鍛える聖地』『怪談を書く怪談』『『大江戸魔方陣』など多数。

「2017年 『お咒い日和 その解説と実際』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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