方舟は冬の国へ (光文社文庫 に 16-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743062

感想・レビュー・書評

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  • 綺麗にまとめたなあという印象。十和人たちのお仕事の目的とか、後半になるに従ってできるようになることの理由とかが、もう少し驚きに満ちたびっくり展開だったらもっと楽しめたかもしれない。

  • カメラと盗聴器で監視された別荘で、初対面の女性と少女と、仲睦まじい「家族」を演じる。失業中の十和人が請けた仕事は、そんな奇妙なものだった。期間は一カ月。そして、法外な報酬。いったい、誰が?なんのために?滞在を始めた三人の周りで起きる不可思議な現象。家族と、その愛のあり方をめぐる、鮮烈にしてキュートなファンタジック・ミステリー。

    ミステリー要素は薄め。
    奇妙な仕事の依頼。
    誰が?なんのために?
    なかなか切ない結末。
    好きです。

  •  エンディングに向かうにつれて切なさがこみ上げてくる。別れてほしくない、ずっと一緒にいてほしい。自分のことのように願ってしまう。そして最後に掛けられる声がもっとも求めていたものであろう。温かい気持ちになれる読後感。作者の最近の作風が変わってきただけにこういう家族愛を感じさせる作品はいまや貴重。またこういう話を書いてほしいな。

  • 盗聴カメラとマイクが設置された別荘内で、1ケ月間、他人と疑似家族として生活するというお話。
    すごく不思議な世界観。唐突な始まりとあっけない終わりに見事にはまってしまったかんじがする。ぐいぐい読ませてくれる本だなぁと思ってはいたけれど、ラストになるとかなり感情移入して読んでいた自分に気付き驚いた。おもしろかった。

  • なんとも味わい深いミステリー.
    心温まります.

  • 職安で声をかけられて引き受けた仕事は
    『家族』を演じるという、奇妙なもの。
    初対面の状態で、果たしてどこまで要求された『家族』を
    演じていけるものなのか…。

    ちらりと出てきた小話が、ここまで生きるとは…と
    ちょっと違う意味で驚きましたが、更にその性格に…w
    ここまでくれば、いっそ見事としか言いようのないその性格。
    分かりやすい小物はよく出てきますが
    更にこれは分かりやすいかとw

    話の内容はといえば、1話1話区切って読めて楽です。
    1話ずつ小さな謎が存在して、それを考えているのも
    ちょっと楽しかったです。

  • 上質メルヘン。西澤さんの初期設定の面白さは異常。

  • 2007/9/9大阪国際空港の本屋で購入。
    2014/6/26〜6/30

    7年ものの積読本。
    見知らぬ3人が一ヶ月間別荘で擬似家族を演じさせられる、という変わった設定の多い西澤作品の中でも突出した設定。誰が何のために、というところが、ずーっと引っ張られたままストーリーが展開。そして結末は切ない。タイトルも十分練られていたんだなぁ。

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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