- Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334743208
感想・レビュー・書評
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「十八の夏」所収の「ささやかな奇跡」に感じ入ってから、この人ほかにどんなものを書いているのだろうと何冊か買って読んだ最初の一冊。光原百合を知るために2冊目に読む本かどうかわからないが、この著者の日本語は達者だなあと思う。あとがきで筆が遅いことを謙遜している記述があるが、なまじ速筆なために、初期作品は好きでも、新作になると急に醒めてしまった作家がいた経験もあるし、その意味では、どの作品もはずれがない作家ではないかと予想している。
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最後の願い (光文社文庫)
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短編連作
探偵役は劇団を作ろうとしている男の人で、その人がいろんな人の謎を解いていきながらメンバーを集める話
まあまあ面白いんだけど、探偵役の人の性格があんまりパッとしない感じ -
十年以上前の作品を今頃読んで言うのもなんだけど、これはおもしろい。探偵役が劇団を作ろうとしている役者で、その造型がユニークでとてもいい。好きな作者なのに、なんで今まで読まなかったんだろう。
あとがきでちょっと触れられているとおり、「飯村さん」のことだけは引っかかるが(どこで出てきたのかなあと何回も前を見てしまった)、それを除けば構成も秀逸で、とても楽しく読めた。続篇はないのだろうか。 -
日常派の連作ミステリ、ではあると思うのですが、少々異色な感もある1冊。探偵役が2人というのが何と言っても独特ですし、劇団を立ち上げながら謎を解いていく、という舞台装置もなかなかに面白いです。
主宰者である度会は、最初は本っ当嫌な奴だったのですが、誰も彼もがこの青年探偵に魅かれていくというのが何とも不思議。最後は随分とハートウォームな話になっており、紆余曲折を経たキャラクターたちが皆優しさを帯びていてほっとさせられます。
結末に至るまでの各話の運びが実に上手く、お見事、と声を上げたくなる佳作です。ただ、タイトルの意味する所が今ひとつ不明確である感がするのは少々残念。 -
このミスベスト10、2006年版10位。日常の謎を解いていく連作短編集。北村薫や加納朋子、最近売れてるラノベっぽいやつとか、好みの分野。この本では、人が死んだり、少し非日常的な部分もある。登場人物のキャラが濃すぎるのと劇団を作って初公演につなげていく全体のストーリーがわざとらしくてしくイマイチだけど、個々の謎解きの部分は及第点。
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内容は、劇団の立ち上げに関わる人たちの身辺にある謎を解いていく連作短編小説で、時にせつなく時に暖かくなるお話だ。
主役の一人の風見が、おおざっぱな感じだけど、深みがあってかっこ良かった。
読後感が爽やかで気持ちいいので、別の作品を読んでみたくなった。 -
こういうの大っ好き!
単行本で読んで、文庫化するのをずっと待っていた本です
普段ラノベしか読まない友達に貸して、面白い読みやすい!て言ってもらえたのが嬉しかった…(´`*) -
「人類が有史以前から繰り返している行為を罪と呼ぶにはあたらん」
「人類は有史以前から罪人揃いだって言い方もあるさ」