訪問者ぶたぶた (光文社文庫 や 24-6)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745158

作品紹介・あらすじ

ホストのコウは焦っていた。ナンバーワンは引き抜かれ、オーナーは病に倒れ…。そんなとき耳にした"伝説のホスト"の噂。不滅の売上記録を持つ謎の男とは?(「伝説のホスト」)。もう〆切に間に合わない-。アシスタントたちに逃げられ、独り泣く少女マンガ家の元にスゴ腕の助っ人がやって来た(「ふたりの夜」)。笑いの後にじんとくる、人気シリーズ最新作。

感想・レビュー・書評

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  • ぶたぶたにハマってしまった!!
    他の本に手が伸びない笑  どうしよう
    『伝説のホスト』が特によかった!

  • さあ!重ための本を読んだあと恒例の、ぶたぶたさんによるヒーリングタイム♪
    と読み始めた、この『訪問者ぶたぶた』

    おお!今回は作者の矢崎さんお墨付きのコメディ連作とは!なんて運のいい私♪

    黒ビーズのつぶらな瞳に、そっくり返った右耳、くるりんしっぽのぶたぶたさんの
    神様の代理(?)、一晩の売り上げの新記録を樹立する伝説のホスト、
    生徒に大人気の小学校の先生、締切間際の漫画家を救う敏腕アシスタントなどなど
    職業のジャンルを義経の八艘飛びの如く飛び越えた活躍が、相変わらず素敵です。

    それに加えて今回は、ルーターの故障にやけに詳しかったり
    お神酒ではなく発泡酒をゴクゴク飲んだりするぶたぶたさんを
    神様と信じ切ってかいがいしく世話を焼く飯田一家や

    傾いたホストクラブを建て直そうとぶたぶたさんを探し当て
    なぜかぶたぶたさんの娘に何冊も絵本の読み聞かせをする破目になるホストのコウや

    イチゴ味のバリウムを飲んだ直後に、イチゴ色のぶたぶたさんに家庭訪問され
    ぶたぶたさんが醸し出す「お子さんのこと、ちゃんとわかってますよね?」
    というオーラに冷や汗をかきながら、息子に関する質問に答える父親、勇や

    アシスタントの反乱で締切に間に合わないとパニックになる漫画家を
    ぶたぶたさんと一緒にこっそりアシスタントとして
    押しも押されぬ人気漫画家なのにフォローする海棠ヨウイチなど

    登場する面々が魅力的で、もう、楽しくてしょうがない♪

    豚しゃぶに豚汁など、ぶたぶたさんが作ってあげる料理に相変わらず豚肉率が高くて
    ぶたぶたさん。。。ぜったい内心、つっこんでほしいと思ってるでしょ?!
    と思いつつ

    ラストの「冬の庭園」での、赤白チェックのキャップをかぶりお菓子のコンテナを押す
    あまりにもかわいいぶたぶたさんに、どこまでもついて行って
    お財布の許す限り、お菓子を買い続けたい♪と熱望するのでした。

    • takanatsuさん
      まろんさん、こんにちは
      「ぜったい内心、つっこんでほしいと思ってるでしょ?!」
      の1文に笑ってしまいました。なるほど、つっこんでほしかったん...
      まろんさん、こんにちは
      「ぜったい内心、つっこんでほしいと思ってるでしょ?!」
      の1文に笑ってしまいました。なるほど、つっこんでほしかったんですね!納得です!
      まろんさんのレビュを読んで、また読み返したくなりました。
      私はぶたぶたさんが神様になっちゃう(?)話がすごく好きでした。
      このシチュエーションでぶたぶたさんが来たらそう思ってしまうのも仕方ないよなぁと思ったり、神様でもなんでもいいかから私もぶたぶたさんに会いたいよと思ったりしました。
      2012/08/14
    • まろんさん
      takanatsuさん、コメントありがとうございます♪

      ぶたぶたさんのお料理の豚肉率、かなり高いですよね?!
      というわけで、ぶたぶたさんを...
      takanatsuさん、コメントありがとうございます♪

      ぶたぶたさんのお料理の豚肉率、かなり高いですよね?!
      というわけで、ぶたぶたさんを読み返す時は、ぜひ、私と一緒に心の中で
      「また~!ぶたぶたさんったら♪」とつっこんでくださいね(*^_^*)

      神様になった(?)ぶたぶたさん、最高でした!
      ふかふかのお布団に寝かされて、ほんとは枕だけでいいのに。。。
      と、枕を名残惜しそうに見るところとか(笑)
      私も、ぶたぶたさんを大歓迎しちゃう双子がうらやましかったです。

      ところで、大事にしまってあって、小出しにしてたぶたぶたさんシリーズのストックが
      あと1冊になって、重たい本対策はどうしよう!と
      本気で焦っている私です。。。
      2012/08/14
  •  ぶたぶたシリーズ十作目、二〇〇八年刊行。短編集で、あとがきの言葉を借りれば「全てコメディ。シリアスが一本もない」。気楽に読める。

     以下備忘メモ。
    ・神様が来た!→田舎の祭りで神様をもてなす当番になる話。
    ・伝説のホスト→タイトル通り。妻と娘が!
    ・気まずい時間→家庭訪問。「それが解決の一手になるのか」と、このシリーズにしては大胆な展開だなと思ったが、色々深読みはできるからすごい。
    ・ふたりの夜→成功しているが情緒不安定で人間的に問題のある少女漫画家の話。部屋が片付くことと美味しい手作りご飯があることのありがたさ。
    ・冬の庭園→しぼるシーンが面白かった。

  • 私がぶたぶたさんを読む時は、疲れている時なんだ…
    というのを再確認した
    本当に癒されるんだよね。

    今年に入って、あまり読書モードにならなかったんだけど、ぶたぶたさんを読んでから復活した気がする。

    漫画家のアシスタントのお話が一番好き。
    癒し度がすごい。

  • 今作は、作者曰くコメディ作品の短編集ということで、
    様々な職業として突如現れ、容姿に驚き疑念を抱き、それなのに働き者で、
    そんなぶたぶたさんに戸惑い、癒されていく主人公たちの物語。

    概ねシリーズ通して、「山崎ぶたぶた」という、かわいらしいが、
    おじさん声の豚のぬいぐるみにしか見えない生き物が登場する、
    というところ以外は、特別つながりがあるわけではないのですが、
    前作のぶたぶたと秘密のアップルパイとのつながりを思わせる話が出てきます。
    1話目の神様が来た!の中に出てくるのですが、これはあえて言わないでおきます。
    前作を読まれていれば気づくでしょうし、読んでいなければスルーで、
    あとで、前作を読めば気づくかもしれません^^。

    単にコメディというよりも、ハートフルコメディなので、
    楽しく癒されたい人はぜひ読んでみてください。

  • ぶたぶたさんシリーズ。。何冊か買ってあるのですが初めて読みましたです。
    どのお話しも設定が絶妙でワクワクしながら読みましたが、オチがイマイチ弱いと言うか無かったかなと思います。
    でもこの、ほのぼの感が沢山の人を魅了するぶたぶたさんの良さなのかなとも思いました(*^^*)

  •  色々な職業のぶたぶたさんが登場する短編集です。連作形式ではないので、うっかり最後のところも読み落としそうになってしまいました。ところで最初の「神様が来た!」、続きがありそうな終わり方なんですが、何かの長編にでもつながっているのでしょうか?

  • 心が沈んだ時の「ぶたぶた」さん頼み。
    今回は短編集。(しかもあとがきからコメディ小説だったと知る。確かに涙はなかったな……)
    見た目は可愛いピンクのぬいぐるみ(中身は中年のおっさん)のぶたぶたさんが、ある時は伝説のホストだったり、小学校教諭だったり、漫画家のアシスタントだったりしながらあちこちにお邪魔する。
    これは、そこで初めてぶたぶたさんと遭遇する人たちのお話。

    そう考えると、落ち込んだ時に「ぶたぶたシリーズ」に頼ってしまう自分の気持ちが少しだけ見えてきた。
    ぶたぶたさんはどこに行ってもどんな立場だったとしても、
    どっしりと地に根を張った大樹のように揺るぎない存在なのだ。
    物語を紡ぐのはいつだって、その周囲の人間たち。
    私がぶたぶたシリーズを繙くときは、
    きっと心が頼りなくなってて、
    何かしら、不変のものに縋りたくなっているのかもしれない。
    ぶたぶたさんがバリスタ(というよりパティシエ?)を務めるあのアップルパイの美味しい喫茶店に足を運ぶような、そこで「こんなことがあってね」って話を聞いてもらいたい気分。

    訪問されたらそれはそれで嬉しいけれど、
    いつでも会いにいける、そんな感じでぶたぶたさんにはいてほしいなぁ、という私のワガママ。

    それにしてもコメディか……
    武蔵野うどん風と豚汁(笑

    • まろんさん
      このごろなんだかちょっと元気がない風情だった永遠ニ馨ルさん。
      ぶたぶたさんパワーで元気は出たでしょうか。
      この本は、他のぶたぶたさん作品とは...
      このごろなんだかちょっと元気がない風情だった永遠ニ馨ルさん。
      ぶたぶたさんパワーで元気は出たでしょうか。
      この本は、他のぶたぶたさん作品とはちょっと毛色が違って
      くすっと笑えるコメディ路線だったので、「あれ?」
      という感じになったかも?
      ほんとに猫の手以下ですけれど、永遠ニ馨ルさんの心がぷかぷか浮上しますよう
      あの喫茶店で一緒にアップルパイを頬張っている気分で
      私も田舎でひっそりとアップルパイを食べて応援します(*'-')フフ♪
      2012/11/01
    • 永遠ニ馨ルさん
      あ、まろんさん!
      ご心配をしてくださって、ありがとうございます(、、*
      心にずっとひっかかていることがあって、
      未読のものに触れて想像以上に...
      あ、まろんさん!
      ご心配をしてくださって、ありがとうございます(、、*
      心にずっとひっかかていることがあって、
      未読のものに触れて想像以上に感情を揺さぶられたりするのが怖くて、ここしばらく、再読ばかりしていたんです。
      再読だと、TLに出てきませんものね。
      本当にご心配をおかけしました。
      徐々にではありますけれど、元気になってきています。
      私もまろんさんと一緒に「うふふ」と笑っているつもりで、アップルパイを食べようかなぁ。
      2012/11/01
  • 泣いた。漫画家さんの話がよかったなあ。感情の振れ幅が制御できなくなることがあって、ギリギリで怒鳴ったりはしないものの、塩対応になっちゃったり。誰かが見ていてくれているってのは素敵だな。わたしの仕事もそうなったらいい。

  • 目次
    ・神様が来た!
    ・伝説のホスト
    ・気まずい時間
    ・ふたりの夜
    ・冬の庭園

    ぶたぶたさんをめぐる、それぞれ無関係の短編が収録されています。
    どれも語り手の思い込みや勘違いが、実際のぶたぶたさんとどんどんかけ離れていって、笑える作品となっています。

    ・神さまがお渡りになる祭りの日に現れた、ぶたぶたさん。(神様が来た!)
    ・伝説のナンバーワンホストに店を手伝ってもらえるよう頼みに行ったのだけど、ぶたぶたさんがホストですと?(伝説のホスト)
    ・家庭訪問の日にたまたま留守番をしていたら現れた担任の先生って…!?(気まずい時間)
    ・〆切は迫るのにアシスタントから逃げられ絶体絶命!と思った時に現れた凄腕のアシスタントとは(ふたりの夜)
    ・とあるビルを舞台に、そこで働く人々とぶたぶたさんとのちょっとした一コマがいくつか。

    どれも面白かったけど、(神様が来た!)が面白かったな。
    あと、このシリーズの読者で小学生を持つお父さんがどれくらいいるかわからないけど、もしいたとしたら、(気まずい時間)が刺さるのではないでしょうか。
    お父さんはどれだけ子どものことわかっていますか?
    子どもに「もっとお父さんと話がしたい」と言ってもらえるのはほんの短い期間。
    担任の先生がぶたのぬいぐるみってことはほぼないでしょうが、共通の話題で盛り上がれるといいですね。

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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