魚舟・獣舟 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 732
レビュー : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745301

感想・レビュー・書評

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  • 少し暗めのトーンて、ややホラーよりのSFといった物語が多い。筆力は申し分なく、完成度が非常に高い。少しずつ引き込まれていきます。

  • 「深紅の碑文」を読んだら、つい再読したくなって。

    表題作「魚舟・獣舟」は、やはり傑作です。
    陸地の大半が水没した近未来。
    初めて読んだ時も、特殊な設定にも関わらず、
    すんなりと受け入れられたのを覚えています。
    ここから「華竜の宮」「深紅の碑文」が作られたんだなぁ…

    寄生茸が増殖する「くさびらの道」も好き。ホラーですな。
    「真朱の街」も、恒川光太郎さんを思わせる奇妙な味で好き。
    中編「小鳥の墓」も傑作ですね。

    改めて暗い雰囲気の短編集だなぁと思いました…(笑)

  • 前からずっと作者の作品を読んでみたくてやっと手に入れた作品でした。
    すっーと流れ込んでくる流麗な文章でさらさらとページを捲れます。一作一作の物語の世界観がとても独創的で全てを映画化出来るんじゃ無いかな…って思っちゃいました。
    作品を通して「人間とは…」と何やら哲学的な想いが底流にあり、ディストピア的であったり片やオカルティックであったりとありきたりの設定に酔うだけでなく、
    そこからもう一歩踏み込んだような結末が面白くて色んな想像が頭の中を渦巻いて作者の世界に没頭出来た…最高にいい読書体験ですね。他の作品も読んでみたいと思います。稀有な才能の素晴らしい作品でした。お勧めです。

  • 短編集だが読み応えがあった。SF大賞受賞の『華竜の宮』は、収録の『獣舟・魚舟』から生まれた。『小鳥の墓』では健全な子どもを成長するシステムを描き、世界観が素晴らしい。

  • 不思議という他言いようが無い世界観。

  • ハードSFっぽい設定も素敵なのですが、ミステリアスなストーリー展開が一気読みさせる力を持っています。なにより、セリフ回しとテンポが抜群に心地良いですね。日本人女流SF作家のすばらしさを教えてくれた短編集です。

  • 良質なSF。
    短編でこれだけの世界観はスゴイ!
    一話一話の世界観が強いのに打ち消し合わないし、同化もせず被らないで独立していて、すごく残る。
    気持悪いだけの異形ではなく、ある意味美しい異形でインパクト大っていうのは秀逸。

  • 日本SF大賞受賞作家の短編集。どれも読みやすく、すごく面白い!
    人によっては好みで世界観についていけない場合もあるかも。しかし個人的には読み応え十分の◎!!どれも短いのに話の質量は重量級。それでいて胃もたれしないから不思議。SFホラーだったり、SF妖怪ものだったり、SF幻想だったり・・・特に『小鳥の墓』はすごく好きだった。この作家の他の小説も読みたくなる。ちょっと気持ち悪いSFが読みたい人にオススメ。

  • 圧倒的な世界観と各短編に深いテーマが感じられるSF短編集。

    表題作の『魚舟・獣舟』は海に住む海上民と、陸に住む陸上民とに分かれた近未来を舞台にした話。
    ページ数的には多くない作品ながらそれなのになぜこれだけの世界観を過不足なく書ききることができるのか?そんなことを本気で考えさせられてしまう、とにかく力のある短編です。
    この世界で新たに生まれた魚舟と獣舟という生き物たちと人間たちの関わりや、生物とは?人とは?などいろいろな問題を考えさせられます。

    『くさびらの道』は茸によって引き起こされる奇病が蔓延した近未来が舞台。
    単に怖いというだけでなく、読み終えた後に静かな余韻の残る作品でした。SFとしての読みごたえもばっちりです!

    『真朱の街』ではなんと妖怪まで登場してしまうのですが、それでもしっかりとしたSFで、この世界観を舞台にまた別の作品をぜひ書いてほしいです!

    『小鳥の墓』はこの短編集の中で唯一の中編。徹底された管理社会で生きてきた連続殺人犯の回想です。
    主人公と彼の悪友の生き方にはどことなく共感してしまうものもあり、きちんと人物が描けているところも読んでいてうれしいところですが、管理社会のアイディアがとにかくすごい!ちょっとした設定から明らかになる真実まで全てが自分好み!

    どの作品の世界観も短編一話でまとめてしまうにほもったいない!と思わされる話ばかりでした!

  • タイトルにもなっている魚舟・獣舟は白眉の出来。鮮やかな描写と展開が余韻ある悲しいドラマを生み出している。短編集+中編が1つで、どの話も面白かったのだが、「くさびらの道」のおぞましくもどこか美しい奇病の描写が特に気に入った。中編「小鳥の墓」は「火星ダーク・バラード」と関連があるらしいのでそちらも読んでみたい。

著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。2011年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。同作は「SFが読みたい! 2011年版」国内篇第1位に選ばれ、『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』の各表題作、『華竜の宮』の姉妹編『深紅の碑文』と合わせて《Ocean Chronicleシリーズ》と呼ばれ、読者からの熱い支持を集めている。近著に『妖怪探偵・百目』シリーズ、『薫香のカナピウム』など。

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