現実入門―ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 142
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745486

作品紹介・あらすじ

結婚も離婚もしたことがなく、独り暮らしをしたこともない。キャバクラにも海外旅行にも行ったことがない。そんな「極端に臆病で怠惰で好奇心がない性格」のほむらさん・四十二歳が、必死の思いで数々の「現実」に立ち向かう。献血、モデルルーム見学、占い、合コン、はとバスツアー…。経験値をあげたほむらさんが最後に挑むのは!?「虚虚実実」痛快エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫で再読です。
    「現実」の経験値が低いほむらさんが、敏腕編集者のサクマさんとともに様々な「現実」を体験していくエッセイ。

    献血に競馬、占いにはとバスツアーなど、未体験の「現実」に飛び込んでいくほむらさん。
    そして最終章で「!」とさせられ、あとがきで「!?」とさせられます。
    どこからどこまでが現実で、どこからが非現実なのか、今回は見極めてやろうと思いながら読んでいたのに、結局ほむらさんの思うつぼにはまっているのです。

    江國香織さんのあとがきが、さらに味わい深い余韻を残してくれます。
    「落とし穴には落ちてみるべきだと私は思う」という言葉に激しく共感。
    そして、落ちてみたくなる落とし穴を掘ることができる、ほむらさんの魅力にやられてしまいます。

  • ほのぼの〜 癒されました!
    穂村さんには母性本能くすぐられます♡
    あとがきにて、さりげなく…でしたね。参りました!

  • 穂村さ~ん。また笑ってしまったよ。
    ほっこりすることもあったりで。

    サクマさんと一緒に、初めて体験日記として、いろんなことに挑むお話。サクマさんへの淡い恋心からくる妄想暴走がとまらない。

    ホムホムワールド、たまに気色悪いものが混じっているけど、これなら、友人にも安心しておすすめできるかなぁ

  • 体験記だと思って読み進めたのだけど、最後の章、あれは一体…???

  • 献血からはじまり「自分が今まで経験したこと無いこと」を1つずつ経験していきましょうというエッセイ。独特のものの見方が炸裂していて、その小心者具合にシンパシーを感じながら読み進めると、思わぬどんでん返しを食らうもんだから、油断ならないエッセイ。

  • タイトルはずっと気になっていたのだけれどようやく手にとって読んだ。
    そしたらもう、笑いが止まらない。で、ぐいぐい読みすすむにつれ、かなり実在感のあった担当編集者のサクマさんがふと、フィクショナルな存在になる瞬間、これまで味わったことのない、浮遊感を味わった。ふいにはしごを外されたみたいな、ちょっとした無重力状態。
    どうしよう、また読まなきゃならない作家が増えた。

  • 「人生の経験値」が低い穂村さんが、美人編集者サクマさんとともに経験値をあげるべく(?)さまざまなことを体験してみるエッセイ。
    体験することは、
    「献血」「モデルルーム見学」「占い」「合コン」「はとバスツアー」などなど。
    おもしろかったのが「一日お父さん」
    というか、穂村さんが相手をする子どものおしゃべりがすごいww
    ただの体験談だったらいろいろあるでしょうが、穂村さんは「極端に臆病で怠惰で好奇心がない」四十二才なので、いざそこへいってもいろいろ妄想してしまう。この妄想がおもしろい。
    もともとは歌人なので,一瞬の空気をつかむのがうまいんでしょうね、目の付け所がおもしろいというか。
    最後の話とあとがきを読むと、現実と虚構が一気に入り乱れ、いったい今まで読んできたものはなに?って思います。これが穂村マジック?

  • 『この雪は一緒に見てるっていうのかな 電話の向こうで君がつぶやく』

    『「こんなことで大丈夫だろうか」と私は思う。
    「だか、私が私自身の手で私を幸せにしなくては、誰も助けてはくれないのだ」とさらに思う。
    「バイマイセルフ」と英語でも思った。』

    『私の心のなかの村上春樹が泣きっ面になるのがわかった。頑張れ春樹、風の歌を聴け、と思いながら、私はもごもごと呟く。』

    「これからの社会で楽しく生きていくためにははっきりと何かができるひとになる以外に道はありません。やりがいと責任は表裏一体です。十年後の会社に懸けるよりも十年後の自分自身に懸ける方が悔いのない道ではないでしょうか」

    『そもそも、私は子供が好きな食べ物は何か、とか、学校は楽しいか、というようなことに興味がない。興味がないのに問いかけるのは嘘をつくことになる。子供はそういう嘘を見抜くのではないか。
    相手が子供とはいえ、いや、子供だからこそ、こちらが本当に訊いてみたいこと、興味あることを尋ねるのが誠意ある態度ではないか。
    では、私が本当に興味のあること、子供に訊いてみたいことって何だろう。
    うーん。
    「セックスって何か知ってる?」だろうか。
    でも、「お母さん」の前ではちょっと訊きにくい。かといってこっそり訊いたりしたら、あとで「ねえママ、あのおじさん、セックスって知ってる? って云ってたよ」などと報告されて困ったことになる。
    いくら「それが子供に対して誠実な態度だと思った」と云っても、なかなかわかって貰えないであろう。』

    『サクマさんの、徹底的に相撲を知らない様子に奇妙な興奮を覚える。クールというかセクシーというか。私はそういう反人間的な雰囲気に弱いのだ。雨の日に傘をさすことを知らない少女とか。カルピスを原液のまま飲んでしまうお爺さんとか。』

  • 面白かったです。
    ★5つけちゃいました。
    穂村さんらしいというか、表現の仕方がすごく好きです。
    読んでいて、いつもの可笑しさなので、安心して楽しく読めます。

    あと、サクマさんが好きです。
    最後の思わせぶりなストーリーが、ちょっと違うな・・・
    という感じはしましたが、全体的には、満足です。

    私もいろいろ経験値は低いので、初めての体験は記録に残すと面白そうですね。

  •  現実に知ってはいるが未経験な多くのことがあります。独特の妄想癖と上手な文章で、面白く追体験できます。

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著者プロフィール

穂村弘(ほむら ひろし)
1962年、北海道生まれの歌人。1990年歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍中。2008年『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、2017年『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、2018年『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞をそれぞれ受賞。歌集に『ドライ ドライ アイス』、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』。その他代表作に、『本当はちがうんだ日記』『絶叫委員会』『世界音痴』『整形前夜』『蚊がいる』『短歌ください』『野良猫を尊敬した日』など著書多数。

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