ルパンの消息 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
3.79
  • (317)
  • (556)
  • (458)
  • (50)
  • (19)
本棚登録 : 3544
レビュー : 414
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745691

作品紹介・あらすじ

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人-。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。当時、期末テスト奪取を計画した高校生三人が校舎内に忍び込んでいた。捜査陣が二つの事件の結び付きを辿っていくと、戦後最大の謎である三億円事件までもが絡んでくるのだった。時効まで二十四時間、事件は解明できるのか。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 横山秀夫の幻の傑作ですか。何しろタイトルが良い。二転三転するストーリー展開、自殺に偽装した殺人事件と三億円事件という奇抜な組み合わせ。そして、時効というタイムリミット。読みながらハラハラし、ドキドキする快感を味わった。非常に面白い。素晴らしい作品です。

  • 三億円事件の時報を取調室で迎えた刑事と、最有力容疑者
    その15年後、また別の事件が時効を迎える
    それも、一旦自殺と処理された事件が、他殺というタレ込みにより…
    残された時間は後24時間
    それまでに真相は暴かれるのか


    時間がぎゅっと濃縮されていて、過去回想と現在の時効リミットが交錯しながら、ひと息もつかせぬ展開に一気読み。
    味のある人や魅力的な人が多く、ちょっと嫌なポジションのまで、最後はどこか爽やかな風に終わるという…
    読了感もとても良かった。

  •  面白かった( ´ ▽ ` )ノ

     タイトルと大まかな筋立てだけだと、まるで宮部みゆきか赤川次郎の青春ユーモアミステリーみたいだけど、実際はかなり硬派な本格ものだった( ´ ▽ ` )ノ
     2ちゃんねる、もとい5ちゃんねるの「面白いミステリー教えてください」スレで必ずといっていいほど紹介される作品だけど、読んでみたらその理由がよくわかった( ´ ▽ ` )ノ
     時効寸前の取調室の緊迫感、ほろ苦い青春時代の回想、意表をついた展開、二重三重のどんでん返し、伏線回収などなど、ミステリーのおもしろ要素てんこ盛り( ´ ▽ ` )ノ

     ただ、ちょっと盛り込みすぎた感も否めず……少なくとも三億円事件はない方がスッキリしたように思えるし、ラストのこれでもかこれでもかの感動ラッシュには正直辟易……「彼女」の正体は余計な気もしたし……(´ェ`)ン-…
     それに、勢いでごまかしてるところがあるけど、いくら何でも「偶然」が過ぎるよなあ(>_<)
     事件の当日、深夜の学校にいったいどれだけの人間が「たまたま」居合わせたんだか?(´ェ`)ン-…

     また、先に読んだ「顔」もそうだったけど、全体になんだかとてもよくできたノベライゼーションを読んでるような感じがした……それだけ具体的な描写力が優れてるということなんだけど、なんか「小説を読んでる」という気がしないほど……(´ェ`)ン-…
     よく「映像化不能とされた幻の傑作、ついに映画化!」という惹句があるけど、本作はそれと正反対……映像化できないシーンのほうが珍しい(というか、ほぼない)(´ェ`)ン-…
     まあ、それは決して作家として欠点ではないんだけど、なんか一つ物足りない……深みというか多層性というか心の襞というか……自分の個人的な嗜好の問題だろうけど(´ェ`)ン-…

     とかなんとか言いつつも、特に後半は寝食も忘れてページを捲りまくったことはたしか( ´ ▽ ` )ノ
     読んで損はない快作( ´ ▽ ` )ノ

    2017/12/10


     

  • 久々の星4つ。
    完璧なミステリーであると同時に切ないヒューマンストーリー。
    こんなに読後感のスッキリするミステリーは久しぶり。無駄な登場人物はなく、言い換えればすべてが謎の解明に関わっている。あらゆる伏線が重要なので、これから読む方は気が抜けませんよ(笑)
    私はたまーにミステリーを読むのは好きなんだけど謎を解くのはカラキシなので、いつも読後はモヤモヤ感でいっぱい。(まあ私の推理力不足が悪いのだがw)その点、本作は見事にすべての謎をスッキリ解明してくれた。
    そしてまた動機の切ないこと。取り調べる側の刑事たちも人間味あふれる。そんなに詳しく描写されている訳ではないのになぜか一人ひとりの背景が思い浮かぶ。
    高校を舞台にした時効直前の女教師殺害事件に、これまた昔の時効直前の三億円事件が絡んでくる。昭和ノスタルジーも味わうことのできた逸品。クライマックスの後にもう一度やって来るクライマックス。おススメ。
    2017/11

  • 横山秀夫の処女作。
    大幅な加筆修正の末、傑作に仕上がっている。
    取調室の緊迫した描写は、横山の味が存分に出されていて、それだけでも一読の価値あり。
    トリックという面では詰めの甘いところもあるが、その詰めの甘さも含めて「過ぎ去った青春の苦味」と評価したい。
    時効という現代日本ではさほど意味を為さなくなった概念と、三億円事件という昭和最大にセンセーショナルな出来事を、うまくホワイダニットの枠に落とし込んでいる。

    ①魅力的な謎……4/6
    ②精緻なサスペンス……5/6
    ③鮮明な結末……5/6
    ④印象的な文章表現……5/6
    ⑤先鋭的なテーマ性……4/6
    計23/30
    星4

  • 貧困、性的虐待、殺人、と殺伐とした素材を料理しつつも作者の持つ温かみが救いです。

  • 15年前、自殺とされた女性高校教師が実は殺人だったと警察にタレコミがあった。
    鍵は「ルパン作戦」。
    その「ルパン作戦」とは、不良高校生3人組が期末試験の問題・回答を校長室から盗み出すというもので、殺人とは全く関係のないものだったのだが、ちょうど作戦実行日に女性教師が死んだことから、この3人組が殺人にかかわっているのでは?と捜査を始める。

    取調室で大人になった3人組の聴取から、沢山の事実が明るみに出る。
    既に時効を迎えた3億円強奪事件までも絡んでくる。
    時効までのタイムリミットは24時間。間に合うのか???

    同じように学校をサボり、一緒に「ルパン作戦」を計画・実行した高校生3人組と、彼らを取り巻く人々。15年という年月は、彼らを大きく変えていた。

    事件の究明のスピード感も面白いのだが、彼らがこの15年をどのような心持ちで過ごしたかを思うと、せつなくなる。

  • 横山先生の処女作!
    まだまだ荒削りですが、(余計なお世話) 面白かったです。
    最後のトリックは無理くりがありますが、テンポの良さは流石ですね。

  • 『著者“幻の傑作”待望の文庫化』に惹かれて読み始めたが、グレた高校生の話かと読むのをやめようかと思ったらなんと‼️最後は一気に読んでしまいましたよ。さすが横山秀夫!これが『クラマーズ・ハイ』や『64』になっていったんだなぁっと感慨ひとしおでした。

  • デビュー作でこれだもんな。横山秀夫恐るべしだ。『64』読了後、横山秀夫熱が冷めないのだが、まだまだ続きそうだ。警察物なのに人の美しさを伝えてくれる。最高の作家だ。

全414件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

横山秀夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
横山 秀夫
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

ルパンの消息 (光文社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×