ルパンの消息: 長編推理小説 (光文社文庫 よ 14-2)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 489
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745691

感想・レビュー・書評

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  • 横山秀夫の幻の傑作ですか。何しろタイトルが良い。二転三転するストーリー展開、自殺に偽装した殺人事件と三億円事件という奇抜な組み合わせ。そして、時効というタイムリミット。読みながらハラハラし、ドキドキする快感を味わった。非常に面白い。素晴らしい作品です。

  • 2021(R3)12.17-12.25

    「横山秀夫って、こんならチャラい高校生も書けるのか」と驚いたらり随分初期の作品らしかった。
    そのせいか、一つの作品にいろんな要素がてんこ盛りで、でもそれらをうまく組み合わせた面白い作品になっている、と思いました。
    他の方の評価はイマイチな感じのものが多いですが、僕はライトな作品として楽しんで読めました。

  • 著者の処女作と聞いて飛びつきました。
    期待を裏切らぬ濃いミステリでした。

  • 時効になりかける15年前の事件が
    "ルパン"によって掘り起こされる!

    久しぶりの推理小説は私の心を楽しませてくれました。
    ページを捲る度にドキドキが止まらなかったです。
    私の十八番である、"よく外れる分析・予想"を
    頭の中で整理しながら読み進めていきましたが
    見事に外れてしもうて、、、(笑)

    登場するキャラクター全員が個性で溢れているのと
    著者:横山先生の物語構成と進め方が秀逸で
    ページが進む度に「この人、犯人だ!」と誘導されました。
    推理小説を書く人は頭が良いですね。
    僕の推理が当たらない、、推理小説はそこが楽しい(笑)

    個人的にですが、この作品は"どんでん返し"の部類に
    入る作品になっていると思いました。
    "推理"&"どんでん返し"、2つ組み合わさってて
    楽しめた作品です!

  • 自殺として処理された15年前の女性教師の墜落死が殺人事件だという公訴時効前日のタレコミ。容疑をかけられた教え子3人によるルパン作戦と教師の死の謎、3億円事件との関連。
    事件そのものの不可解さが二転三転しながら氷解する気持ちよさを感じた。
    殺人事件の公訴時効が15年であった昭和の時代が感じられるお話だった。
    とはいうものの、ルパン作戦そのものも結果を重視しないのなら1回でも十分ではないかなど無理を感じるところ、供述していない襟章の疑惑を抱え続けるであろうキタローに救いがあってほしいなどの余計なことも思った。
    20-51

  • 15年前の女教師殺害のタレコミから始まった時効間近の事件を追う警察。物語の過去は被疑者の回想視点で進み、時効目前の現実を警察の捜査目線で真実に迫っていく対比が面白い。
    「おや?」と思った違和感が後に全て伏線回収されていくのが気持ちよい。15年前の事件は単純な恋情から発生したのではなく、警察の因縁である3億円事件の被疑者に繋がっていく。すべて筋道通りに解決していき現実的ではないが、全ての登場人物に意味を持たせ一つの事件としてまとめ上げた本作は面白かった!

  • いやすごい。これが処女作だと?
    横山秀夫さんすごい。
    面白かった!
    私はこういう小説が好きだと改めて思う。
    時効間際の緊張感溢れる警察小説。

  • 15年前の事件が急にこんなに解決に向かうかなぁという疑問はあったが話の進め方やテンポはとても読みやすくて物語に引き込まれた。
    ただ重箱の隅をつつくわけじゃないけど登場人物の名前があまりにも馴染みがなさすぎて読み辛かった。
    後閑とか時沢とか曲輪とか竜見とか初めて出会った苗字だし特に竜見は出てくるたびに意見?あっ竜見かってなっちゃってその度に物語に入り込みにくくなってしまった。

  •  面白かった( ´ ▽ ` )ノ

     タイトルと大まかな筋立てだけだと、まるで宮部みゆきか赤川次郎の青春ユーモアミステリーみたいだけど、実際はかなり硬派な本格ものだった( ´ ▽ ` )ノ
     2ちゃんねる、もとい5ちゃんねるの「面白いミステリー教えてください」スレで必ずといっていいほど紹介される作品だけど、読んでみたらその理由がよくわかった( ´ ▽ ` )ノ
     時効寸前の取調室の緊迫感、ほろ苦い青春時代の回想、意表をついた展開、二重三重のどんでん返し、伏線回収などなど、ミステリーのおもしろ要素てんこ盛り( ´ ▽ ` )ノ

     ただ、ちょっと盛り込みすぎた感も否めず……少なくとも三億円事件はない方がスッキリしたように思えるし、ラストのこれでもかこれでもかの感動ラッシュには正直辟易……「彼女」の正体は余計な気もしたし……(´ェ`)ン-…
     それに、勢いでごまかしてるところがあるけど、いくら何でも「偶然」が過ぎるよなあ(>_<)
     事件の当日、深夜の学校にいったいどれだけの人間が「たまたま」居合わせたんだか?(´ェ`)ン-…

     また、先に読んだ「顔」もそうだったけど、全体になんだかとてもよくできたノベライゼーションを読んでるような感じがした……それだけ具体的な描写力が優れてるということなんだけど、なんか「小説を読んでる」という気がしないほど……(´ェ`)ン-…
     よく「映像化不能とされた幻の傑作、ついに映画化!」という惹句があるけど、本作はそれと正反対……映像化できないシーンのほうが珍しい(というか、ほぼない)(´ェ`)ン-…
     まあ、それは決して作家として欠点ではないんだけど、なんか一つ物足りない……深みというか多層性というか心の襞というか……自分の個人的な嗜好の問題だろうけど(´ェ`)ン-…

     とかなんとか言いつつも、特に後半は寝食も忘れてページを捲りまくったことはたしか( ´ ▽ ` )ノ
     読んで損はない快作( ´ ▽ ` )ノ

    2017/12/10


     

  • 2022.2.8 読了

    15年前の女教師自殺案件が他殺の疑いがあり教え子の喜多、竜見、橘の三人が犯人であるとのタレコミ情報が警察上層部からもたらされた
    時効まであと一日という逼迫した状況で捜査が開始される

    警察の強引な捜査や昼間から喫茶店に入り浸っている三人の自堕落な高校生活等々…最初の方はイラッとくることが多くこれちょっと苦手かもと思ったりしたけれどルパン作戦が決行された辺りからはっきりそれとわかる伏線が張られるようになり話の展開もスピードアップして15年前と今それぞれに犯人を追っている三人と刑事たちの推理にどんどん引き込まれていきました
    最後に二転三転しながら見事に伏線を回収して驚きの結末を迎えた後で振り返るとイラッときて読みあぐねていた序章部分にもたっぷり伏線が張られていたんだとわかって少し悔しくもあったりして
    きっと結末わかった上で再読したらまた違った景色が見えてより楽しめそうな気がします

    喜多が守りたかったもの橘が守りたかったもの
    鮎美が守りたかったもの
    苦かったそれぞれの思いが15年経って雪解けを迎えた
    幸子は彼らの供述をどんな思いで聞いていたのか
    彼女の存在は喜多の心を救ったのだろうか
    幸子の心もまた救われたのだろうか
    橘と鮎美に幸せな未来は訪れるのだろうか
    読み終わった後もそんなしみじみとした余韻が残る作品でした

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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