シンデレラ・ティース (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745714

感想・レビュー・書評

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  • 『ホテル・ジューシー』のヒロちゃんの友達、サキちゃんのお話。
    歯医者が苦手なサキちゃんが歯医者の受付のバイトをすることに。

    歯医者になる人って子供の頃虫歯に悩んだ人じゃないかと勝手に思っている。
    そうじゃなければ歯医者になろうって気にならないんじゃない?と。
    その謎がこの小説で解き明かされたわけではないけど、「歯科治療恐怖症」であるとか「幻臭」であるとか、歯医者さんが戦う虫歯以外の症状を知った。

    私は小さい頃からお世話になっている歯医者さんがいて、その先生には全く頭が上がらない。
    小学生の頃のイメージが抜けないのか、いい年になっても未だに子ども扱い。
    でも出来ることなら一生その先生に診てもらいたい。長く現役でいてほしい。
    他が違うとは言わないけど、歯科というのは信頼関係がものすごく大切だと思う。
    ちょっとでも信じられない医者に口の中に手をいれられるなんて、歯を削られるなんて…!いったいなんの拷問だ!しかもお金を払うなんて…!

    この小説に出てくる歯医者さんはまさに理想の歯医者さんだ。
    優しくて腕のいい先生に診てもらえて、親身になってくれる受付のお姉さんまでいて、夢のような場所だ。本当に。
    それと同時に自分も仕事を持つ身としては、この人達の仕事への姿勢を見習わないといけないなと…。

    そんな素敵な歯医者さんでサキちゃんが出会う王子様も素敵。
    ときめきます。

  • 同著者の『ホテルジューシー』と対になる作品。あちらは角川文庫、こちらは光文社文庫ながら、タイトル文字とイラスト、装丁デザインが同じで楽しい。出版年はこちらのほうが先ですが、結果としてあちらを先に読んでおいてよかったと思います。

    大学2年生の夏休み。あちらの主人公・ヒロちゃんは沖縄の宿で住み込みのバイト。こちらの主人公・サキは、ヒロちゃんのようなチャキチャキ娘ではないから宿の切り盛りなんてムリ。何のバイトをしようかと悩んでいたところへ、降って湧いたように母親から仕事の話が。病院の受付だと聞き、自分にうってつけだと面接に出かけたところ、そこは叔父が勤務する歯科だった。サキは幼い頃のトラウマで歯医者恐怖症。しかしいまさら辞退することもできず、泣く泣くバイトを始めるが……。

    院長の好みで最新の機器を備え、想像するに今風の綺麗なクリニック。サキの叔父を含む腕の確かな医師と歯科技工士、歯科衛生士が数名ずつ。腹黒い奴は誰もいません。こんな歯科を舞台に、著者・坂木司お得意の「日常の謎」が展開されます。予約の電話のときには感じがいいのに来院すると嫌な態度を取る患者。どんだけ忙しいのか必ず遅刻してきてお詫びにケーキを持参する患者などなど。その秘密を解き明かすのは愛想のない歯科技工士です。

    あちらのヒロちゃんと時を同じくしてバイトをしているわけですから、話中にはヒロちゃんと夜な夜な交わされる電話やメールの様子も描かれて、既視感バリバリ。沖縄という風景に惹かれてしまうから、どっちが面白かったかと聞かれたら『ホテルジューシー』のほうがだいぶん上。だけど対で読むならオススメです。いい子といい話すぎて鼻につく……かもしれませんが、ここはひとつ、素直な心で。

  • 【図書館】歯医者が嫌いな女子大生が、歯医者の受付の仕事をすることに。そこには色々な事情を抱えた患者さんたちが。歯科技工士の四谷を中心に坂木さんらしい日常の謎解きをしながら、ほんわかさせてくれる作品でした。私も一度麻酔で呼吸が荒くなり気分悪くなってから怖くて治療に行けない。こんな歯医者さんあったら行きたいなぁ。次は姉妹本の作品も読みたい。

  • お仕事×日常ミステリーの旗手、坂木司さん。
    今回の舞台は、歯科医院です!
    幼少期の恐怖が未だ尾を引いて、歯医者さんが恐ろしい女子大生が主人公。それが、母にまんまとハメられて、まさかの歯科医院の受付嬢として夏休みを過ごすことに。

    私も、歯医者さん、ものすごく怖かったんですよ。
    小さい頃は親に連れていかれて嫌々ながらも通ってましたが、大きくなってからはめっきり行かなくなり。
    怖い怖い・・・と避け続けてましたが、さすがにそれじゃあ駄目だ、と両手に汗を握りながら何年ぶりかに歯科医院を訪ねたことを思い出します。
    思い描いていたドリルを持った鬼のような歯医者さんではなく、1つ1つ丁寧に説明してくれる優しい歯医者さんに出会い、おかげで私の歯医者恐怖症はだいぶ改善されました。

    そんなことを思い出しながら読んだ本書。
    素敵な歯科医師に、歯科衛生士。プロ意識が高くて、仕事に真剣。普段は見れない世界を舞台に働く彼らがカッコよかったです。

    そして、ここは大事なところですが、この本を読むと、恋がしたくなります。
    甘い。恋の始まりが描かれていて、きゅんとする。
    その分ミステリー要素は弱めですが、本書を開いた時にはまさかこんな展開が待ち受けているとは、予想だにしませんでした。決して身悶えるようなものではないのですが、なんだか微笑ましくて、ちょっと気持ちが温かくなるような、そんな1冊です。

  • 坂木さんの作品に登場する人たちは、ほんとうに生き生きしていて、実際に存在するんじゃないかなっていうくらいリアルで身近なところが惹きつけられる要因の1つなのかな?なんて。読み始めてから三時間くらいで一気に読んでしまいました。散りばめられた心の優しいミステリーが楽しい!

  • この作者さんの物語を読むと、どんな職業の人に対しても尊敬の念を抱きます。丁寧に取材されているんでしょうね。
    ナンパ男以外は悪い人も出てこなくて、クリニックのスタッフたちの個性の描き分けも豊かで、淡い恋模様に少しキュンとして、仕事する上での大切なこともたくさん込められていて、楽しく読めました。
    そして、いつもながら食べ物がおいしそう。贈答品処分ランチ、休憩時間の高級菓子、デート時の和風やアジアンカフェのメニューの描写もまた魅力。

  • 読んでると歯がキーンとしてきました(笑)
    姉妹編のホテルジューシーより恋愛色が強め
    私はホテル派かな、と思いました
    ホテルの時はサキを羨んでいたヒロちゃんが、サキ目線だと頼れるかっこいい存在として描かれていて嬉しかったなー

  • 読みやすく軽快なお話
    歯医者さんの世界や
    専門用語など今までわからなかったことが
    楽しく知れたのがよかった
    内容もかわいいお話

  • 大好きな日常ミステリ!
    歯医者さんが舞台って珍しい。私も歯医者さんは嫌いだけど、こんな歯医者さんがあったら良いなぁって思いました。

    このセリフが刺さりました。
    「まるで放浪者のようにあちこちの医院を渡り歩いて、結局ひとつも自分のためになっていない。
    それはあの二人が、受け身で幸運を待ち続けたからだ。
    おとぎ話のヒロインじゃあるまいし、ある日突然自分にぴったりの何かが見つかるまで待つなんて、どうかと思わないか?」

    姉妹作があるとのことなので、そちらも読んでみようと思います^_^

  • 存在は結構前から知っていたけど歯医者さんがあまり好きではないので敬遠しておりました。
    主人公が受付嬢なので治療中の描写など出てこないけど歯医者さんの知識に少しだけ詳しくなったような感じになります。
    恋愛面の展開は今まで読んだ坂木さんの本の中で一番高いと思います。
    正直ミステリーもあまり得意じゃないんだけど、この作者様の砕けた文章と今作はすぐに解決するちょっとした謎が私には読みやすかったのかなと思っています。

    お医者様と言えども人の前で口を開くのは抵抗があるし、高圧的な歯医者さんが多いので、こんな風に患者の気持ちをくんでくださる歯医者さんがあるなら行きたいですね。

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プロフィール

1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で<覆面作家>としてデビュー。続く「ひきこもり探偵」シリーズとして人気を得る。ナイーヴで魅力的な人間像、緻密に描かれ、爽快に解かれる日常の不思議とこころの謎が圧倒的な支持を集めている。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。他の著作に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『僕と先生』『肉小説集』『女子的生活』などがある。

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