さすらい (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
3.52
  • (6)
  • (5)
  • (8)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 61
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745882

作品紹介・あらすじ

娘を亡くし、ヨメさんがパクられたハービーと悪友・トイトイの二人がしでかしたシャレにならないヘマが、そしてストーカーと化した元恋人が、ろくでなしの智也とデブの警察官・柴尾を絶体絶命の状況に突き落とす!どうする?どう切り抜ける!?大藪春彦賞受賞作『路傍』で話題をさらった新鋭が、圧倒的なスピード感と絶妙な筆致で描く、青春群像。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 読みにくい文章、下品な内容、共感できない登場人物などなど自分には合わなかった。
    もう少し青春感とか友情みたいなのが伝わってくれば良かったかもしれない。

  • 凄い疾走感で一気読み。へ~そう来るか的な展開。

  • 本棚整理中。
    確か読んだはずなのに、内容をよく覚えていません

  • ヤロー3人なら3バカだが、4人集まればスタンド・バイ・ミーくらいにはなれる?
    (あんまり映画よく知らんけど)
    4人それぞれの置かれた環境、これまでの生活、親子関係、性格、
    あまりにインパクトがありすぎるが、ハナシは淡々とポップに進む。
    いじめられっ子の少年に、それぞれ一家言持ってるあたりが
    一つの読みどころでもあり。
    共感しようにもするポイントがないムチャクチャな設定だけど
    これでも友情だったり信頼だったりくされ縁だったり、
    意識されない、しないような奥底のほうにちゃんと存在する、
    のかもしれない。
    垣根涼介(一番最初に読んだ作家。ここで円環するとは)の解説を読んだら
    興味が出たので、図書館で『路傍』を借りてみました。

  • サイコー!!


    確実にこの本は、あたしの人生のスゴ本だ。

    あまりこういったことは好きではないが、あまりに感動したのでいくつか、
    この作家の素晴らしき世界を引用しよう。
    なぜかというとこの作家のすごさは、その圧倒的な表現力にあるからだ。

    ストーリーを説明するのはすごく難しい。
    あるいはすごくカンタンだ。
    4人のろくでなしどもがつるんで馬鹿やって、しくってボコられて、
    死にかけて逃げてでもまたつるむ。



    チャラくてもてて、でも人を愛したり誰かを信じることができずに、
    つながりを断ち切りたくて腐る、ろくでなしの智也。
    「世界はいつだって俺とそれ以外だ。みじめな負け犬どもを見るにつけても、狂っているのはおまえのほうなんだと、世界中の人間に後指を指されているような気になる。そう、少なくともこの街では、狂ってるのはおれのほう。」

    智也とヤッたばかりのシャブ中の女とケッコンし、
    愛しく思っていた娘をそのビッチに殺され、抗うつ剤を飲みまくるハービー。
    「男と逃げたお袋、俺をぶん殴る親父、その親父を鉄アレイで割った兄貴、娘を殺した女房、
    金を持ち逃げしたダチ。責めを負うべき人間は、いつだって俺以外の誰かだった。
     だけど、それは真実じゃない。
     ゲームを塗りつぶしたのは俺じゃない。俺じゃないけれど、もしかしたらほかのだれかでもないのかもしれない。
     元々そういうゲームだったのかもしれない。
     だれもそれに気づかずに、そうじゃなければ気づかないふりをして、なんとか新しいゲームをはじめようとしていただけだったんだ。それでなにもかもよくなると信じて。なによりもまず自分が変わらなければ、その新しいゲームもすぐ真っ黒になってしまうというのに。」

    ハービーとトイトイペア、少し距離を置く智也、このろくでなし3人に、
    若干振り回されつつも良心的なのが(といってもぶっ飛び気味)、デブの警官、柴尾。
    「ぼくの欠点は、自分で決定を下せないこと。
     そういう人間にとって、物事はいつだって唐突に襲いかかってくる。で、いいことも、悪いことも、出会いも、別れも、こっちが気づく前に全部終わっている。
     いまできることは、起こってしまったことにじたばたせず、終わってしまったことをちゃんと受け入れることだけ。」

    不思議なことに主人公の1人でもあるトイトイにはなぜか、独白が許されていない。
    それは彼が、柴尾の曰く「禁治産者レベルの阿呆」だからなのかもしれない。
    シャブ中になってホモの客を取らされたり鼻くそ入りの酒を飲まされたり、
    彼の扱いだけは異色にひどいが、そこがまたこのストーリーの、いい抜けになっている。

    漢字の使い方、行間、構成、全部がぎゅんぎゅん音を立てて疾走するストーリーの、
    どこまでが計算でどこまでが勢いなんだろう?

    この人の心臓を取り出したらきっと、常人の数十倍はどくどくいっているはず。
    なんだろうこのビート感?

    けれんみだらけの小説は、素敵な小悪党のこんなセリフでしまってゆく。

    「どうせこの星はおれの思惑なんかおかまいなしにまわる。善意も悪意も、嘘も真実も、ホモもダライ・ラマも、みんなごたまぜにして。そんな血も涙もない世界を出し抜くなんて、どだい無理な相談だ。だったら、せいぜい自分を出し抜いてゆくしかない。
     どこまでもつづいてゆく、どこへもいき着かない道。無理にでもどこかへむかっていると思い込まなきゃ、どんなやつでもめげちまう。」


    才能にべた惚れしてるのは、きっとあたしだけじゃないはずだ。
    東山彰良、サイコー!

    ちなみに改題前は「愛が噛みつく悪い星」だ、そうで。
    そのほうがずっとずっと、それっぽいのに。

  • 登場人物の斜に構え、たがなにかに餓え、それを必死に手にしようともがいているいる感じが好きです。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

東山彰良(ひがしやま・あきら)
1968年台湾生まれ。2002年「タード・オン・ザ・ラン」で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。03年同作を改題した『逃亡作法 TURD ON THE RUN』で作家デビュー。09年『路傍』で第11回大藪春彦賞。15年『流』で第153回直木三十五賞。16年『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞を受賞。近著に『ありきたりの痛み』『僕が殺した人と僕を殺した人』、リレーミステリーアンソロジー『宮辻薬東宮』にも参加している。

「2017年 『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

さすらい (光文社文庫)のその他の作品

東山彰良の作品

ツイートする