ペダルの向こうへ (光文社文庫)

著者 : 池永陽
  • 光文社 (2009年7月9日発売)
3.15
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  • 本棚登録 :52
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334746162

ペダルの向こうへ (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 連作短編の形式を取った長編小説。池永陽は随分と重く、難しいテーマを選んだものだ。冒頭で示されたテーマが重過ぎて、なかなか先に読み進むことが出来なかった。

    会社を辞めて、息子の隆と共に自転車で沖縄を目指す、洋介。その1年前、洋介の妻は自動車事故を起こし、即死。同乗していた息子の隆は右足の膝下から切断することに…

    洋介の抱える過去の過ちと、なかなか心を開かぬ息子の隆の奇妙な自転車旅。旅先で出会った多くの人びと…8章に亘り8つのエピソードが紹介されているが、今一つ心に響かない。

    『コンビニ・ララバイ』『珈琲屋の人々』に比べると物足りなさを感じる。

  • 不倫相手と逢い引き中に、妻子が交通事故を起こして妻は即死、息子は右足膝下を切断という、悔やんでも悔やみきれない現実にさらされた洋介。息子・隆とともに妻の故郷である沖縄・宮古島に自転車で旅するストーリー。
    旅の途中で出会う人々も心に傷を負っており、彼らと接していくなかで、洋介は覚悟を決め、隆は勇気を得ていく。ペダルをひとこぎする度に、力の源の量がちょっとずつ増していくようだ。常に死と隣り合わせなのが生命である。その当たり前だが忘れがちなことを戒めのように教えてくれる作品。

  • 池永陽作品は2作目。
    ところどころ、誰視点なのかわからず読みにくい部分があった。
    隆の心がだんだんと溶けていく様子がよくかかれていた。
    この話には受け入れる、許すというエピソードがたくさんかかれている。
    口で言うのは簡単でも、本当にそうすることはとても難しい。
    誰かの死を受け入れる。
    誰かの過ちを許す。
    自分の過ちを許し、受け入れてもらう。
    頑なになっている心をふっと緩ませるようなきっかけをみんな探しているんじゃないだろうか。
    そんなきっかけを洋介と隆は旅で出会った人々に与え、最後には自分たちもそれをきっかけに許し、許され、受け入れることができた。
    帰り道はどんな気持ちでペダルをこぐのだろうか。

  • すらすらと読めた。ただ、ただなぁ…心にざらざらしたものが残った。
    不倫はやっぱりよくないよ。それを子どもに聞かせるのもどうなんだって思う。

  • 090906

  • 体調がよくなかった妻が運転する車が事故を起こし、帰らぬ人に。

    とある理由でその交通事故に深い後悔の念を抱く夫、洋介。
    そして、同乗していたため巻き込まれ、片足を失った息子、隆。
    主人公はこのふたり。

    彼らは東京から妻の故郷である宮古島まで、自転車で向かい、
    そこに妻の骨を届けることにしたのだが・・・

    自転車で南下していく途中で様々な人に出会い、彼らは自分自身と
    向き合い、そして変わっていく。
    そんな物語が連作短編のように構成されています。


    特に以下2つの話が好きだったな~

    『震災の少年』
    隆が神戸で出会った、同じように片足が義足の少年とその彼女との話。
    少しずつ、再び心を開き始めていた隆がここで思い切り成長します。

    『眩しすぎる嘘』
    会社経営に失敗し、沖縄でホームレスとなってしまった老人と、戦時中
    の経験から本土の人間に恨みを持ち続けているおばあさん。
    そして、本土の男性と結婚したい孫娘。
    ホームレスの老人が最終的に選んだ選択肢には賛否両論があるだろうけど
    あんなことやこんなことを考えてのものなんだろうなって勝手に想像して
    たら、とっても泣けてきた。


    若干、都合よくまとまりすぎている感はあるけれど、優しくて切なくて
    ちょっと苦くて、しんみりと胸に響いてくる物語です。
    個人的には、この本が池永さんの代表作だと評価されてほしい。

  • 父と片足を事故で無くした息子の自転車の旅

  • 一言で言えば「何でこんなベタな」です。
    感じ方は人それぞれですから好きな人も居ると思います。でも、私はどうも好きになれませんでした。
    旅先で起こる様々な事件、そのどれもが余りに作為的。悪意だけの人間だったり、自殺の必然性が無かったり。親子の会話も余りに硬く他人行儀。ご都合主義、リアリティの欠如。ベタでも通俗的でも良いのだけれど、どこかでそれを裏切るような「捻り」が無いと、ただのベタベタになってしまう。
    「走るジイサン」で出た頃は、どこかにそんな捻りのようなものを感じていて、そこが魅力の作家さんでしたが、最近の作品を読むと、どうも目指している方向が違うようです。

  • 父と子が自転車で旅をするのってなかなかないですね。それも、この物語のようにちょっと心に傷を持った親子が。各地で出会った人との心の交流がいいです。

  • 事故で母と片足を失った息子。その時、愛人と過ごしていた夫(父)。妻を故郷にかえすとともに、息子の再生を願って自転車の旅に出る。途中で出会う人々(それぞれ悲しみを抱えている)とのふれあいの中で、父も息子も「生」を取り戻していく。自転車は単なるツールとして、父子の再生をさぐる物語として読んだ。

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