シルバー村の恋 (光文社文庫 あ 47-1)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334746186

感想・レビュー・書評

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  • 連作の短編を1話、2話と結構面白く読み進んで、3話も楽しく読んだところで、「でも、善玉と悪玉の逆転というパターンは同じだな。この後も同じ感じかな」とちょっと心配していたら、4話、5話はちょっと違うパターンに。というか、4話では事件は解決しないという短編のおきて破りの展開。まあ、結局、4話、5話で一編という構成で、それからすれば、結局、ミステリーとしては同じパターンの展開。
    しかし、最後に「親父の謎」が解き明かされ、娘からの「おとうさーん」の呼びかけで甘酸っぱい余韻を残して、物語は終わります。
    娘2人を持つ私は、この最後のページを読んで、じんわりと来てしまいました。それで、大甘の星4つです。
    それはそれとして、この作者、文章が読みやすいですね。最近、リーダビリティという言葉がよく聞かれるようになり、読みやすい文章を書く作家は増えましたが、だらだらと説明調の文章が続くだけの「リーダビリティのよい文章」もある中で、この作者はなかなか簡潔な描写で読みやすい文章を書いてくれると思います。いずれにしろ、気持ちよく読み終わることができました

  • 2012/03/30
    復路

  • 20120218
    北竹林市総合コミュニティセンターを通して日高家が巻き込まれていく事件の連作ミステリー。
    主人公が代わり、舞台が変化して行くのが面白い。
    1祖父、一郎
    2奈央子、娘
    3令子、嫁
    4耕、息子(弟)
    5真由、娘(姉)
    お父さんが出てこないのもミソ、かも。

    目次
    第1話 もう一度ときめきたいあなたに 一階・シルバー村
    第2話 自分らしく生きたいあなたに 第二小会議室・英会話講座
    第3話 セカンドライフに備えたいあなたに 五階・トレーニングルーム
    第4話 マイペースで勉強したい君に 中会議室・教えっこクラブ
    第5話 家族の絆を見失ったあなたに 第一小会議室・おやじ学講座

  • 町のコミュニセンターとある家族を中心に、
    様々な出来事や人物模様が繰り広げられる
    連作短篇集。


    章毎に視点が他の家族に移っていき、
    それぞれの事件を扱うミステリ的部分とは
    別に、全体を通すと家族小説となるのが面白い。

    最後の章でお父さん視点になるのかな?
    と思ったら、少しズラした演出に
    まんまとしてやられた。


    この作家の本は、デビュー作が
    悪くないけどイマイチ…な印象だったので
    それ以降パスしてたんだけど
    今作は楽しめたので、違う作品も
    読んでみよっかな。

  • 2011年1月24日購入。
    2011年5月18日読了。

  • ある町のコミュニティーセンターを舞台に、ある家族が巻き込まれる様々な事件を描く、傑作ミステリ。


    柔らかな書き口で読者を引き込み、辛辣な事件も軽々読ませる氏の、連作ミステリ。

    家族それぞれの視点から見られる様々な事件と解決、すべてを読み終えた後に残る余韻。

    他の作品も含め、お勧めいたします。

  • +++
    妻に先立たれた日高一郎は、お年寄りのための施設「シルバー村」の常連だ。騒々しい女性グループには辟易していたのだが…。そんな時、珍しく初々しい女性と知り合う。どうやら、彼女は怪しげな投資話に乗せられているらしい。一肌脱ごうと決めた一郎は―(第1話)。コミュニティセンターを舞台に、ある家族が巻き込まれる様々な事件を描く、傑作ミステリー。
    +++
      第一話 もう一度ときめきたいあなたに 一階・シルバー村
      第二話 自分らしく生きたいあなたに 第二小会議室・英会話講座
      第三話 セカンドライフに備えたいあなたに 五階・トレーニングルーム
      第四話 マイペースで勉強したい君に 中会議室・教えっこクラブ
      第五話 家族の絆を見失ったあなたに 第一小会議室・おやじ学講座
    +++

    北竹林市総合コミュニティーセンターを舞台に、日高一家をまきこんで起こる日常の事件のあれこれである。日高家の誰かが各章の主人公になっているが、彼らが事件を解決するわけではない。ただ巻き込まれ、家族の崩壊ぶりを次第に露わにしていくのである。それでは誰が謎を解くのかというと、決まった探偵役がいるわけではなく、コミュニティに集う騒々しいおばさんたちであったり日本語を話せないふりをする外国人であったりと、脇役で出てくるご近所さんたちなのである。事件とご近所とコミュニティに振り回されたような日高家の人たちは、そのおかげで(と言ってもかまわないだろう)家族のありようを考え直すことになるのである。ミステリでありながら、家族小説でもありご近所物語でもある、お得で愉しい一冊である。

  • (収録作品)もう一度ときめきたいあなたに─一階・シルバー村/自分らしく生きたいあなたに─第二小会議室・英会話講座/セカンドライフに備えたいあなたに─五階・トレーニングルーム/マイペースで勉強したい君に─中会議室・教えっこクラブ/家族の絆を見失ったあなたに─第一小会議室・おやじ学講座

  • おもしろかった! 好きです。
    2010.3.11

  • 2009/08/24-2009/08/27

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著者プロフィール

小説家

「2013年 『丘の上の赤い屋根』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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