狼花: 新宿鮫9 (光文社文庫 お 21-15)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334747084

作品紹介・あらすじ

大麻所持で逮捕されたナイジェリア人の取調べにあたった鮫島は麻薬ルートの捜査に乗り出し、盗品を専門に売買する「泥棒市場」の存在を突き止める。この組織の背後には鮫島の宿敵、仙田がいた。一方、鮫島と同期でキャリアの香田は新設の組織犯罪対策部の理事官へ異動。香田は外国人組織の撲滅のため暴力団と手を組むことを画策していた。シリーズ最大の問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿鮫9、新宿中央公園でナイジェリア人が大麻樹脂(ハシシ)を奪われる、犯人は同じナイジェリア人。この大麻を巡る「泥棒市場」の利権・覇権争いを警察、ヤクザ、外国人犯罪組織の目論見が複雑に絡む。その中で、中国人クラブホステス・呉明蘭が、愛する男のため役立つため、あろうことかクスリの商品鑑定に手を染める。明蘭の周囲で利権抗争が勃発し、さらには殺人事件をも助長する。外国人犯罪組織殲滅を目指す警察キャリア香田理事官と鮫島が対峙し、警察の正義とは何かを両者が噛み合わずも罵倒し合う場面は、俺の感情が最大に高揚した。

  • 新作を首を長くして待っているスリーズ。
    姿勢正しく読む作品!

  • ナイジェリアと泥棒市場。仙田はここで!?香田はどうした!?晶はもう…!?という内容。

  • このシリーズは外れがない。途中で止められなくなって、一気に読み切ってしまう。

  • やはり面白い!
    アンダーグラウンドな世界…
    読み出したら止まらない…

  • 生々しくそれが魅力

  • 毒をもって毒を制する。

    毒は毒である。

  • 新宿鮫の疾走感相変わらず最高です。

  • 新宿鮫でも 一番 スリリング。
    鮫島の警察官としての立ち場がくっきりとして、
    香田の戦略的な立ち場からの
    外国人犯罪をなくそうとするのを
    阻もうとする。
    まさに、警察の良心にかけての闘い。

    新宿は 犯罪の巣窟 のように思える。
    ヤクザの跋扈する 時代は すぎて
    外国人犯罪が 組織的に行なわれる。
    中国人だけでなく ナイジェリア人の犯罪。
    まさに 多彩な人種による 犯罪の 巣窟としても新宿。
    盗品を扱う マーケットが存在する。
    無防備であるがゆえに 犯罪が横行する。

    犯罪が組織的になると言うことは、
    犯罪のマネージメント力が 問われるようになる。
    そして、それぞれの 役割分担から
    プロフェッショナルが 生まれることになる。

    まさに 犯罪自体も 進化していくのである。

    その 犯罪を 防ぐためには 
    さらに組織的な抑制機関としての警察機能がいる。

    組織と個人 というテーマが 覆い被さっていく。
    深見と言うオトコの持つ 物悲しさ。
    警察官、そして、公安。さらに サクラとなり、
    日本と言う国を捨てたオトコ。
    デラシネでありながら、花を育てる。
    眺めるだけで、時間が過ぎていく。
    過去にとらわれ 一歩 オトコとして前にすすめない。
    そして 明蘭の 自立しようとする 強い意志。
    プロフェッショナルになろうとする。
    懸命に努力する姿勢は 悪の河も渡りきる。
    毛利というヤクザなりの オンナへの接し方と愛し方。
    『守ってやる』と言い切る。

    実に長い本であったが 読ませるね。 
    鮫島、香田、仙田(深見、間野)、毛利(石崎)、そして 明蘭(古尾明子)。
    それぞれのキャラが しっかりと浮き立つ。

  • 「新宿鮫シリーズ」やっぱり面白い。
    9作目にしていまだぶれない面白さ。凄い。

    特に今作は数作にわたって登場してきた、あの「香田警視正」と「ロベルト仙田」との決着も、とうとうついてしまった。
    のに、次作もまた楽しみに思えるからほんとに凄い。

    ただ、一点のみ不満が・・・。
    最近、「晶」の出番が少なすぎるなぁ・・・と。
    今回は特に少なくて・・・。
    残念だなぁ~と思ったりして(笑)

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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