春を嫌いになった理由(わけ) (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334747237

感想・レビュー・書評

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  • 20110718読了

  • 「春を嫌いになった理由」
    誉田哲也初期作品。


    今やジウシリーズ、姫川玲子シリーズ、武士道シリーズといった警察小説や青春小説のイメージが強い作者だが、初期は伝奇、ホラー作品も執筆していた。2002年には「ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華」で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を、2003年には「アクセス」で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している。「春を嫌いになった理由」もホラー路線の一冊である(かなり、オカルト寄りな気もするが)。


    主人公は、通釈者志望の実質無職で霊能力者が嫌いな二枚目半な秋川瑞希。テレビプロデューサーの叔母の名倉織江から霊能力者・エステラの通訳兼世話役をむりやり押し付けられた瑞希は、番組スタッフと共に若い男の幽霊が目撃されるという交差点に訪れる。


    が、訪れた現場でエステラはとんでも無いことを言い出す。交差点近くの廃ビルに男の死体があると言うのだ。そして、実際に調べてみるとエステラの言う通り、ミイラ化したら死体が発見する。超能力が信じられない瑞希は、織江ら番組スタッフがエステラと組んだヤラセの可能性を疑うが、またまたエステラがとんでも無いことを予知する。


    この瑞希を主人公にした物語と並行して展開されるのが、中国からの密入国者・林守敬(リンソウチン)をめぐる物語である。こちらは瑞希のような二枚目半キャラもいなく、中国から日本への過酷な旅や妹・従兄との日本の暮らし(こちらも過酷)、そして、新宿歌舞伎町で最も恐れられている男「月(ユエ)」との邂逅とコミカル要素は全くなし。


    当然この二つの物語は交差していくのだが、瑞希は置いてきぼりになる。何が何か分からずにエステラに突っ走られ、織江にかき回され、テレビ番組作りの都合に巻き込まれる。結局、最後にとっておきの活躍の場が用意されているが(あれだけ嫌いだった超能力に最後気に入られる形となるとは瑞希の心境はどうだったのか)、ちょっと同情するほどの目の回りようだ。


    瑞希が超能力を嫌いになった理由が重いが、瑞希の二枚目半と織江との掛け合いがコミカルな分、全体的に読みやすい。因みにホラー・オカルトも薄めなので、そこを期待すると物足りないかも知れない。


    さて、タイトルの「春を嫌いになった理由」の理由だが、てっきり重いと思いきやコミカルな理由であった。が、それで引き受けてはいけないよ、瑞希よ!

  • 見覚えのない誉田さんの本を目にして、何気なく手にとって読み始めたのですが、読むんじゃなかったと思ってしまうほど悲しい場面が多く、読み続けるのがつらかったです

    それでも、最後まで読みたいと思わされてしまう誉田さんの文章には流石だなあと思いつつ、
    今回の作品は誉田さんの作品の中で一番残酷なものに感じました。

    肉体的な意味でグロいのは勿論のことですが、この作品の中での人の命の扱い方や、男性の性欲の表現があまりに惨く、正直もう二度と読みたくはない内容でした、、、


    ですが、それでも「春を嫌いになった理由」はどの作品よりも読む価値があるとわたしは思います。
    「国境事変」は在日韓国人を主題としたものでしたが、
    今回の作品は国境事変以上に在日について詳しく知ることが出来る、非常に深い作品です。
    中国人の密入国や偽装結婚の問題などが描かれていますが、このようなことに興味がない方にも是非読んでほしいです。

  • おもしろかった。殺人の推理です。オススメです。

  • 一気に読んだ。
    著者らしい、怖い、気持ち悪い描写と、感動を覚える物語と。
    怖くて面白かった。

  • うーん、面白いが個人的にはどこか納得いかない結末であった。

  • ストーリーと展開は新鮮で面白かったが、月を倒すオチが、、、微妙だった

  • 2015年91冊目
    姫川玲子シリーズなどから警察小説のイメージが強い著者ですが、
    今回は霊媒師と主人公とも言えるその通訳の26歳の女性。そして叔母のテレビプロデューサー。
    霊媒師による透視を番組として取材していたら実際に死体を発見してしまい、
    そこから生放送での番組をつくり、情報提供を求める中で真相に迫る物語と
    中国から違法入国した兄妹の物語。
    この二つの話が並行して進みます。
    別々の物語がどうリンクするのか?それぞれの物語も面白いが最後の「あっ」と言わせる演出がいいですね。
    さすが、誉田さん。
    途中の殺人者は読むだけで怖さが迫ってくるし、十分楽しめますよ。

  • 読み始めたら止まらない……
    あっという間に読みきっちゃいました(^^;
    久々のホラー・ミステリーで展開も早く、ついつい気になってしまい(笑)
    霊能力者の通訳兼世話係をプロデューサーの叔母に押し付けられ、嫌々ながら現場に向かい、なんと透視どおりに廃ビルから白骨死体が……生放送中にはスタジオに犯人がやってくる……っとまた透視が、、、並行で進む、もう一つのストーリーがどう繋がるのかも、ハラハラしながら、久々に誉田ワールドを楽しみました(^^)

  • 誉田哲也の作品らしく、一気に読ませるストーリーであっという間に読了。肝心の中身は少しフィクションぽく、代表作のジウとかストロベリーナイトには及ばない。

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著者プロフィール

誉田 哲也(ほんだ てつや)
1969年、東京都生まれの小説家。学習院中・高等科を経て学習院大学経済学部経営学科卒業。卒業後にミュージシャンを目指していたが、椎名林檎の存在で断念。格闘技ライターを経て作家活動に入る。
2002年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
代表作は、映画化もされた『武士道シックスティーン』に始まる「武士道」シリーズ。姫川玲子シリーズの『ストロベリーナイト』はドラマ化・映画化された。ほか、『ジウ』シリーズ、魚住久江シリーズ『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『ケモノの城』『プラージュ』などがある。

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