恋する組長 (光文社文庫 さ 21-7)

著者 :
  • 光文社
3.40
  • (10)
  • (22)
  • (40)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 201
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334747404

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベースより)
    “おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。しょぼい仕事かと思えば、その先には、思いがけない事件が待ち受けていた!ユーモラスで洒脱な、ネオ探偵小説の快作。

    ヤクザも悪徳警察官も皆嫌いになれないキャラばかりだ。何よりも独り言でクスリと笑わせるセンスに感心した。

  • 2013.3.24読了。
    面白かった!探偵と回りの人のやりとりが軽快で読みやすかったし、笑った☆
    登場人物がみんないい味を出していた。みんないなきゃダメだなこの本には。
    読みやすかったけど、スラスラ読み終えるのが勿体なくてゆっくり内容を噛みしめながら読んだ。これ、続かないんですか?いくらでも続きそうなんですけど。私が知らないだけかな。調べてみよ。笹本稜平さんは面白いっ!久々に☆×5です。そして最後に。由子、いい女じゃないかw

  • 東・西及び地場ヤクザに半堅気の私立探偵と電話番の女事務員と言えば、ナニワ・ノワールの怪作『疫病神シリーズ』(黒川博行)を思い出すが、こちらは至ってライトなソフト・ボイルド連作集。タイトルからして大して期待はしていなかったが、可も無く不可もない出来栄え。完全な著者買い。可能な限り虚飾を排した骨太の山岳小説『還るべき場所』の著者であり、絶滅危惧種とも言える冒険小説の孤塁を独り、いや樋口明雄と二人で守る貴重な書き手である。偶にはこういうのも良いが、著者には古臭くて、分厚く、ストレートな作品を書き続けてほしい!!

  • 勧められて購入してみたものの・・・
    やっと読了

  • ヤクザ相手の探偵業は機転がよく憎めないキャラでないと成り立たない。短編になっていて読み易いけど死体がすぐに出たかと思えば笑えるユーモアもあり娯楽として楽しめた。かつてオダギリジョーがでやっていたTVドラマを思い出した。

  • ハードとソフトのちょうど良い仕上がり加減な探偵小説。

    私立探偵の「おれ」は修羅場も潜ってきて百戦錬磨、肝も据わっており頭も切れる。のだが、舞い込んで来るのは犬探しやら幽霊騒ぎやら変な話ばかり。

    短編1話の中に複層的に事件が詰まっており、文字数以上の圧倒的な満足感とお得感が得られます。
    コスパ抜群!

    ゴリラをはじめ登場人物も憎めないキャラクターばかり。シリーズ化されておらず残念!!


    4刷
    2021.3.7



  • 東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。
    案件依頼主はほぼヤクザ。にも拘らず、愛犬探し。
    ハードボイルドでありながら、コメディ要素がふんだん。
    初めて読む作者だが、他の作品もぜひ読んでみたいもの。
    短編集の各話がこれだけ濃密な仕上がりになっているのは、かなりの手腕の持ち主だな。キャラ立ちも秀逸でした。

  • “おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。

  • 短編集。
    「死人の逆恨み」感想
    何の嫌がらせでおれの事務所で自殺を・・・と死体の様子を観察すると、喉の周りに「吉川線」があるじゃないか。
    冗談じゃない。自殺に見せかけた殺しか?
    面倒を怖れたおれは、さっさと知らん顔を決め込んだが・・・。
    保険金目当ての殺人は現実社会でもよくあるが、どうにも胡散臭いやつばかりが登場してくる。
    ゴリラにそっくりな刑事・門倉は、難癖をつけておれを犯罪者に仕立てようとするし、死体になったコマシの再婚相手はやけに良い人ぶるところが怪しい。
    少しだけ哀れな男の結末は、結局死ぬまで運のなかった男の人生と相まって哀しくもある。
    常に変わらないのは、土下座をしようが紆余曲折しようがわが道を行くおれだけなのか。

  • コメディタッチのノアール風ハードボイルド連作短編集。
    笹本作品だから読んでみた。さすがの笹本ブランド、どの作品も落とし所しっかり踏んで読ませる。

    ただ、スゲーわがままだと分かった上で書くんだけど、笹本ブランドにこれ必要かなぁとも思う。先発完投型のピッチャーにワンポイント投げさせてる試合を見たような気分。
    「確かに大谷君のワンポイントはぜいたくやけど、俺が観たいのはもっと長いイニングを投げ抜く姿やねんなぁ」って感じ。

    作者が書きたかったんだろうし、掲載元・出版元もニーズがあると見込んだから注文したんだろうけど、笹本さんはここのステージ似合わんのちゃうかなぁ、長編が読みたくなった。

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笹本稜平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×