少女ノイズ (光文社文庫 み 29-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334747589

作品紹介・あらすじ

欠落した記憶を抱え、殺人現場の写真に執着を持つ青年と、心を閉ざして、理想的な優等生を演じつづける孤独な少女。進学塾の屋上で出会った二人が見つめる恐ろしくも哀しい事件の真実とは何か?そして、少女のつけた巨大なヘッドフォンのコードは、どこにつながるのか?冷徹なまでに美しい本格の論理で解かれる最大の謎は、エンドロールのあとの二人の未来-。

感想・レビュー・書評

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  • 【収録作品】Ⅰ Crumbling Sky/Ⅱ 四番目の色が散る前に/Ⅲ Fallen Angel Falls/Ⅳ あなたを見ている/Ⅴ 静かな密室
     小学生のころの記憶が一部欠落している大学生克志は、進学塾に通う女子高生・瞑の世話係のアルバイトをすることになる。家庭の事情から優等生を演じている瞑は、塾では厭世的で無気力な態度を取っているが、鋭い推理力と強い正義感の持ち主で、二人の周りで起きる事件を解決していく。
     視点人物の克志がテンション低めで読みやすい。それにしてもこの塾、事件が多すぎるけど、大丈夫か。事件自体も解決方法もけっこう強引な感じがするが、語り口は嫌いじゃない。
     有川浩『倒れるときは前のめり ふたたび』で紹介されていた。単行本で読了。

  • 進学塾のバイト講師と女子高生が、塾内で起こる事件を解決する連作短編ミステリ。表紙のイラストから完全にラノベと思ってたけど、本格とラノベの間ぐらい?

    とにかくキャラが立ってる。不仲の両親を繋ぎとめるために優等生を演じる女子高生・瞑と、殺人現場の写真に異様な執着をもつ大学生・スカ。
    解説で有川浩さんが言っているように、何かが欠落している二人が、それを補いあうかのように惹かれていく様子は、ミステリなんだけど、恋愛もののよう。ふたりのラストが爽やかでいい。

    この作者さんの作品はレオナルド・ダ・ヴィンチのシリーズしか読んでないので、こんな作品も書くんだ、とちょっとビックリ。
    瞑がいつもつけているヘッドフォンは、5章のトリックとラストに繋げるための設定だったのかと、最後の最後で納得。

  • 自演が多いような気もするけど、瞑の推理も切れモノ。一方で、老い朽ちるのを見たいというのは大学生が高校生に抱く感情だろうか。一定の推量も形無しの解説だけども、駄々をこねるという表現はなかなか的を得ている。

  • 面白かったです。有川浩が解説でも述べているように、ミステリというよりは、○○○○小説は、納得しました。コアな推理小説ファンには物足りないかもしれないけれど、十分楽しめます。こんな本から読書を始めるといいかもしれないですね。

  • ラノベって、どこかに書いておいてほしい。
    キャラ設定に凝ってる感じだがそこまで。
    矛盾があちこちにみえて読み進める程に苦痛になった。

  • 大学で紹介されたバイト先は、進学塾のはみ出し少女の相手だった。しかし、常にヘッドホンをした少女は、やる気の無さとは裏腹に、真実を見抜く慧眼の持ち主であった。そんな中、塾生の友人が殺される…。

    ホームズばりに一瞬で全てを見抜いてしまう女子高生と、事件の有った現場写真が趣味で、クッションに働く主人公の2人を中心とした、謎解きアンソロジー。

    しかしまあ、目の前で担任の教師が死ぬ、女子高生の友人が3人死ぬ、通り魔に刺されるなど、なんというか、事件一つ一つが大きすぎ、おとなになった身からすると、同地域でこれだけ殺人事件が立て続けに起これば、色々洒落にならんやろと言うようなストーリーで、正直冷めてしまった。

    基本的には『ホームズ』であり、アニメ等で言うなら『氷菓』などに通じる、すごく小さな手がかりから事件を解決していくというものになるのでは有るが、いかんせん事件の大きさの割に、カジュアルに人が死ぬ。また、女子高生 暝の語りで納得させようという謎解き部分も、半分くらいしか納得いかないのがなんとももどかしい。

    小道具は数々用意されていて、ライトノベル的にキャラクター付されている。アニメ化などを狙った作品なのかもしれんし、こういう作品は無きにしもあらずだとは思う。ただ、色々もうすでにありそうな話ばかりであり、どの小作も少々陳腐な印象を受けた。

    最後の1本では、東野圭吾を狙ったのか、科学ミステリという方向性に変わっているが、だったらもう少し早めに方針転換したほうが良かったのではないか。一方で動機が弱すぎるので、事件自体の興味を持てないのが新たな問題では有る。

    うーん、高校生くらいまでかな。キャラクターで押し通されるほどキャラクターも出来ていないので、頭の中の既存のキャラクターを当てはめる作業がないと、かなり読みづらい作品だ。

  • 欠落した記憶を抱えた青年と心を閉ざした
    孤独な少女。彼らが出会った場所は無数の
    学生たちがすれ違う巨大な進学塾。夕陽に
    染まるビルの屋上から2人が見つめる
    恐ろしくも哀しい事件の真実とは…。

  • 良質のキャラミス。
    ミステリ部分はちとアクロバットが過ぎる部分もあるけど、悪いというほどでもない。
    10年前ではなく、今の時代に出版されていればもっと流行ったんじゃないかと思う。
    個人的には好きな部類。

  • 書店で新刊平積みになっているのを見かけ、なんとなく購入。

  • 何かが欠落しているツンデレ少女と何かが欠落している僕の物語。
    キャラはいいと思うんだ。ミステリはどうなんだろう。
    情報を聞くだけでわかるということは、私たち読者に同じ情報を与えてくれているってことなんだよね。
    分からなかった(笑)
    ただ謎解きはわかりやすかったと思うので、そこはすっきり!
    続があるならこの二人の関係が進むなら読んでみたいかなぁって感じかな。

    きっと解説の有川さんの「彼と彼女が出会い、求め合う、ただそれだけの恋の物語だ。」という言葉がすべて(笑)

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著者プロフィール

電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)銀賞、第1回日本SF新人賞、第5回スニーカー大賞特別賞を受賞。代表作は『ランブルフィッシュ』シリーズ、『アスラクライン』シリーズ。

「2023年 『ソード・オブ・スタリオン 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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