ラットマン (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 4813
レビュー : 609
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748074

作品紹介・あらすじ

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とは-。

感想・レビュー・書評

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  • エアロスミスの名曲
    が取り上げられてる時点で
    飛びついたけど、
    いやぁ〜
    まんまと騙されましたよ…(≧∇≦)


    巧妙に張り巡らされた伏線の数々、

    明らかになる
    驚愕の真実と、
    二転三転するどんでん返し。


    自分が予想していた答えを
    鮮やかに反転させてみせる
    憎らしいくらいの技量。


    でもあっと驚く
    どんでん返しの映画に
    思いがけずに出会った時みたく、
    騙されてるのに
    なんか嬉しかったりして(笑)

    ほほ〜
    そうきますか〜って感じ(^O^)




    エアロスミスをコピーする
    アマチュアロックバンド、
    Sundowner(サンダウナー)。

    メンバーは高校の同級生であり
    現在30歳トリオの
    竹内耕太(Vo)、
    谷尾瑛士(b)、
    姫川亮(g)、

    そして初代ドラマーの妹で25歳の
    小野木桂(ds)。

    ライブに向けて
    日々精進する彼らだったが、
    やがて起こる
    スタジオ内での
    事故に見せかけた殺人。


    主人公である
    姫川亮がひた隠しにする、
    幼い頃に死んだ
    姉の落下事故の謎や、

    小野木桂の姉、ひかりとの
    不穏な関係を絡めながら、

    読者は迷宮の森の中、
    読む者をミスリードさせる
    道尾秀介の巧妙な罠をかいくぐりながら、

    流行る気持ちを抑えつつ
    犯人を推理し、
    トリックの謎を解明しようと
    慎重に読み進めることとなります。
    (と言いつつ後半は真相が知りたくて
    一気読みでしたけどね笑)


    しかし人間の思い込みとは
    いと怖ろしや〜。

    人間の脳は
    一度それだと思えば
    それにしか見えなくなったり、

    自分が認めたくない事柄を
    心が都合のいいように
    解釈したり。

    そういった
    人間の勝手な「思い込み」を利用して道尾秀介は
    これでもかと
    読者にトラップ攻撃を仕掛けてきます(笑)

    彼が胡散臭い
    営業マンだったなら、
    さぞかし自分は
    沢山の布団や浄水器を買わされていたことでしょう…(T_T)


    あと『人生は芸術作品の模倣である』
    という言葉には妙に納得。

    自分も学生時代、
    好きなギタリストに憧れて
    ギターを始めたし、

    好きな役者の真似をして
    彼が影響を受けた
    同じ小説を読んだりしたもんなぁ〜♪


    自分たちはみな、誰かのコピーで、
    みんな誰かの真似をしながら
    いつしか自分だけの個性を身につけていくんですよね。

    自分にとって
    道尾作品は当たりハズレが極端なんやけど(笑)
    これは当たりでした(^_^)v

  • なんとなく買った小説

    この作者の「向日葵の咲かない夏」を読んでいい印象を持てなかったので、読むのをためらいました。

    読んでみたらこの小説は面白かった。

    最後の方、二転三転したがすべて辻褄があう様な展開で疑問が全て解決してスッキリして終われた小説でした。

    一つの作品でその人の評価を決めてはならないと感じた小説でもありました。


  • 二回・三回と繰り返し騙される。種明かしがある度に面白いなぁと思わされる。そういうところがやはり道尾秀介の作品は面白い。
    登場人物みんなが勘違いをし、新たな勘違いを生む。娘を自殺に追い込んだと勘違いし、心を閉ざし続けた母。母が娘を殺したと勘違いし、犯行を隠したつもりで死んでいった父。父同様、母親が姉を殺したと勘違いし続けていた姫川。姫川がひかりを殺したと勘違いした桂・竹内・谷尾。桂がひかりを殺したと勘違いし、犯行を隠し父の真似をするかのように死のうとする姫川。
    ミスリードが巧みすぎて何度も引っかかってしまう。ハンプティダンプティと茶色い帽子のウサギ。茶色いニット帽をカブった父。などの表現も好き。
    とにかく面白かったなぁ。

  •  アマチュアロックバンド内で起こった不可解な事故の真相を描くミステリ。

     やっぱり道尾作品は上手いなあ、と思います。伏線の張り方はもちろんのこと、細かい表現にも気が使われていてしっかりと最後のどんでん返しに結びつけられます。こうして書くと当たり前の話なのですが、読んでいるとその伏線張りや些細な表現がとても自然に仕掛けられていて、不自然さを抱かせません。こういうミステリ的表現を書くために道尾さんは生まれてきたのではないか、と思えるくらいです。

     タイトルの意味も巧いです。最後まで読むと登場人物たちの見方が変わるとともにタイトルの本当の意味が分かります。切なくもありそれでも小さな希望のある結末にホッと救われた、という人もいたと思います。

     主人公の姉についての話がちょっと唐突過ぎた印象を受けたのと、ヒロインとなる姉妹の書き込みが浅い感じがして、そこがちょっとマイナスかなと思いました。

     あと小さな話なのですが、プロローグで書かれたエレベーターの話がエピローグ手前で話の真意が変わる趣向にちょっと心が動かされました。こういうのをさらりと挟めるのが道尾さんの巧さなのだと思います。

    2009年版このミステリーがすごい!10位

  • 道尾さん。二作品目。二作品目でこれを手に取れてよかった。完全にファンになりました。それくらい面白かった。すべて読むぞ‼

  • みんなラットマンを見ていたのだ。過ちと正しさが、そっくり同じ顔をしているのであれば、誰がそれを見分けられるというのだ。ことごとく予想を裏切ってきて、ページをめくる手が止まらなかった。そしてやはりこの人の作品にははっきりした悪がいない。その微妙に濁された部分が、読んでいる側のいろいろな考えを引き出してくる。この作者が見てる世界はどんな世界なんだろう。。

  • 新幹線の中で一気読みしたせいか、すごく印象深い作品。
    騙されて、そこからさらに騙され続けて最後もまた・・・っていう感じ。
    爽やかさはあまりないから読む時期(精神状態)を選ぶかもしれないけど、個人的にすごく突き刺さる作品だった。その分深すぎて怖いけど。

  • どうしても裏をかきながら読んでしまうので、絶対に姫川は殺してないんだろうなという予想のもと読み進める。子供の父親も予想通り。

    人によって見方、捉え方が異なりそこですれ違うことももちろんあるのだろうけど、姫川の家族のように年月がたったりそのまま亡くなったりするのはいたたまれない。

    ひかりの性格が結局よくわからなかった。残された4年、バンド活動またできるといいね。

  • 最初のエレベーターの話で、そればっかりが頭に残って、どうつながるんだって、ドキドキした。とっても怖い話だけど、最後は暖かくなる。ミスリードを誘う。上手だなー。

  • 大人の青春って感じのお話し。お決まりのどんでん返しに脱帽。やはり、道尾さんの作品、大好き。おすすめ

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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