契約 (光文社文庫 あ 40-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748227

感想・レビュー・書評

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  • 今回も最初から最後まで明野さんならではの一種独特な不穏な空気感を漂わせながら物語が展開されて行きます。

    物語の主役、牧丘南欧子も決して好人物とは言いがたいけれど、「善人」のはずの桃子が途中から南欧子以上の悪人に見えてしょうがありませんでした。

    表向きは南欧子の為と言いつつ、心の奥底には根強い復讐心が渦巻いている、その執拗なまでの復讐こそイジメにイジメで対抗する嫌な女に見えてぞっとさせられました。

    やっぱり女の敵は女だと言う事でしょうか…。

    明野さんの作品は本当に癖になります。

  • 普段、契約書の細部まで確認せず「ここにサインして下さい」と言われれば、ついサインしているが、とても恐ろしい事だな…。

    2人の女性が登場するが、残念ながらどちらも幸せには見えないし、感情も理解できないものだった。知らず知らずに恨みを買わないよう、気をつけねば。そして、うまい話にも。

  • 小学生の頃は頭もよく、周りから注目され可愛がられていたし、リーダー的な存在であったが高校からどんどん学力が落ち社会人になってからは自分にあう仕事ではないと転職を繰り返す。その鬱々とした状態の時に救世主のように1本の電話。
    あなたを必要としていると条件のよい仕事を紹介されそこからその雇用者の復讐劇が始まる。
    あんなスケールの大きなそして自尊心を失くすような復讐にこれぞまさに明野照葉さん!
    周りの人からは優しい人と思われている人でも許せない人にはとことん食らいつくとは。人の恐さが充分に伝わるというか、何というか。。。

  • いまいちだったなぁ。
    ダラダラと2人の女性の感情の行き来が紡がれるだけ。
    いつ、正体をバラすのかっていうドキドキだけで、読んだ感じ。
    特に、いじめられてて復讐する垣内桃子の人となりが苦手。たしかに、いじめられた方は忘れないし、傷が残る。けど、現在の牧丘なおこはその価値もない人間にすでに成り下がっていて、桃子が相手にする理由がない。

    20年経って、まだこれだけの感情をなおこに抱けるなら、もうこれは十分ストーカーで、好きなんじゃないかって気すらする。

    桃子が真っ当な人間なら、こんなことはしない。
    でも、後半の描写では桃子がいかに素晴らしい人間で、素晴らしい人間に囲まれてるかを書いている。
    私はなんだか、桃子のほうが怖いなって思った。

    ただ、女の感情の起伏が何度も描写されるのて、後半は疲れてきたかな。

  • 小中学の頃は活発で、クラスでも目立ち慕われる存在だった南央子。
    34才になった今は冴えない日々。
    そんな南央子に思いがけず、良い仕事の誘いが…
    しかし、それは何か怪しげな契約だった。
    人の恨みって、恐ろしい。

    2020.1.22

  • 三十四歳の南欧子の外見を磨き教養をつける不思議な試用期間の日々にわくわくした。小中学生時代のいじめ被害者である桃子の上げてから落とすという復讐と明かされる後半はずっと南欧子に寄り添っていた為にピンと来ず、でも再びの南欧子目線では記憶や自覚のなさや仕事を見下す様子が白々しくてもう桃子寄りになっていた。

  • 読み進めるうちに冷っとする衝撃
    主人公の選択にいろいろ考えさせられる

  • 面白かった。桃子に南欧子は生涯わからないままだと思う 勲男もあれは駄目だ見込みがないと言っていたではないか

  • 2015.1.9-1
    現実にはあり得ない設定のようでいて、真に迫る女の怖さは伝わってくる。余韻を残した終わり方とを意図したのかも知れないと思いつつも、具体的な結末がなく若干の期待外れも感あり。

  • 女性的視点で、男性作家とは少し違った薄ら怖さがありますね。
    終盤に向けて冷たい憎悪を加速させ、最後まで一途に貫いた構成は、
    寄り道せず本質を突き切った感じで、面白かったです。

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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