ちみどろ砂絵くらやみ砂絵 (光文社文庫 つ 4-41 光文社時代小説文庫 なめくじ長屋捕物さわぎ)
- 光文社 (2010年10月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (603ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334748661
作品紹介・あらすじ
江戸は神田の橋本町、貧乏長屋に住まう砂絵かきのセンセーを始めとしたおかしな面々が、わずかな礼金めあてに、奇妙奇天烈な謎を解く異色の捕物帳シリーズ!四季折々の江戸の風物を織り込み、大胆かつ巧緻な構成で展開する探偵噺は、時代小説のみならず本格ミステリーファンをも夢中にした傑作揃い。その名作が装いも新たに、ボリューム満点の二冊合本で刊行。
感想・レビュー・書評
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なめくじ長屋シリーズ。一冊で二冊分楽しめるお得な新装版です。
時代物だけど、これは時代物が苦手な人にこそ読んでほしい作品かも。わりと、現代人に向けての注釈が多くて、読みやすいです。あえて外来語を当て字にしたりしてるのも面白いし。
そしてなんといっても、これでもかってほどの本格ミステリ度が! 密室殺人あり、予告殺人あり、そして名探偵による謎解きもあって。ミステリファンは見逃しちゃ駄目な作品でした。
お気に入りは「天狗起し」。まさかここまできっちりとした密室殺人ものが時代物にあるだなんて! トリックもさながら、動機部分にもなるほど、と唸らされます。「南蛮大魔術」も、かなりスケールの大きいトリックかと思いきや。まさかそんな理由が、という部分に驚かされました。 -
梟書茶房で題名見ないで購入。
江戸のミステリ。
親しみがない言葉が多くて
あんまり頭に入ってこなかった、、、 -
一風変わった時代小説。ナメクジ長屋に住む砂絵芸人のセンセーを中心に其々独特の特技を持つ非人達が江戸の町に起る謎の事件を解決して行く短編シリーズの第1作。
事件解決の動機には金が絡んでおり、この点は必殺シリーズと共通するアウトローの面白さがある。
一時期テレビ化されたようだが記憶ない。 -
ん~~。奇怪な事件が起こって センセーがとんとん、と 解いて…
あんまり 入り込めなかったなぁ~。 -
◆ お風呂でミステリ ◆ 第十四回
・・・ 第十四回 「なめくじ長屋捕り物さわぎ」 ・・・
捕物帖第三段は、都筑道夫の「なめくじ長屋捕り物さわぎ」シリーズです。
“半七”に憧れ、人情話になってしまった捕物帖を、本格ミステリに引き戻したい、と本当にバリバリの本格派。
大道を流してあるくおもらいさんたちを手下に、いつも柳の下で色砂を使って絵を描いて見せている大道絵描きのセンセーが、摩訶不思議な謎を合理的に解いて見せる、都筑道夫の代表作です。
衆人環視のなか、大川の船のなかから一人消えてしまったのはなぜか?
とか
屋敷の広間で庭石に押し潰されて死んでいたのはなぜか、とか……。
ただ、岡っ引きではないので、彼らは謎を解いたら金にするんですけどね。
短編集が10?冊でてます。
本格派のミステリが好きなら避けては通れない(笑)シリーズです。
2017年09月12日 -
なんかちょっとおどろおどろしい所とか、どの位史実に忠実なのかわかんないけど、妙にリアリティのある日常描写とか、それでいて現代語の当て字なんかひょいと飛び出す所とか、随分前に書かれた本という感じがあんまりしないで意外と読めた。
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魅力的に描かれる四季折々の江戸の風物に加え、トリックやロジックのキレが半端ない。初期の2冊の合本とボリューム満点なのも嬉しい。お気に入りは「「よろいの渡し」、「本所七不思議」、「春暁八幡鐘」、「天狗起し」、「地口行灯」かな。