言い残された言葉 (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748807

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  • 曽野先生は、すべてを2面性で見ている。
    生と死、善と悪、ものごとには必ず両面があり、そこに成熟した人間の奥行きさがあるという。
    また日常においても緊張感がみなぎっている。安心・安全な社会はこの世で生きる以上、難しい。

    わたしは、文体や表現など主張そのものに強引さを一切感じない。
    理解してほしいとか、こうなるべきだとか、強制した思いを感じさせない。
    人としての完成度を強く感じる。

  • 惨禍に見舞われた日本にいる。浪人していたとき、就職先が決まらなかったとき、ぼくは標を求めているときに、曽野綾子にすがり、そして助けられる。世の中を常識でなく、自分の目で見て、歯に衣着せず、緻密に組み立てた論を展開する、そんな曽野綾子に。

  • お薦め本としてあげられていたので、思わず手にとってみた。毒舌だが、的を得ておりイラッとさせないしっかりとした趣のある内容の本であった。目の前の現実を真摯に受け止め、そこからしっかりと何かを学ぶ。言葉もそれと同様に、言いたいことや伝えたいことが、言葉の言い回しやニュアンス一つで受け手に与える影響はまた違ったものとなる。一つ一つが短編で、連続性のあるものではないのだが、それぞれが簡潔にまとまっていて気軽に読めるものとなっている。筆者は障害者であるとともに、キリストの教えを受けている。そういったところも文章表現に影響し、うまく(彼女の)個を引き出すものとなっていたように感じられた。

  • カトリック教徒にして日本の伝統を尊ぶ著者の切り口はユニーク。アフリカを基準に、日本で当然と考えられていることを全て相対化してしまう発想の斬新さ。時々こういうものを読みたい。

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著者プロフィール

1931年生まれ。聖心女子大学文学部英文科卒業。大学在学中から同人誌で執筆を始め、23歳の時「遠来の客たち」が芥川賞候補となり文壇デビューを果たす。1979年、ローマ教皇庁より「ヴァチカン有功十字勲章」を授章。1972~2012年まで海外邦人宣教者活動援助後援会代表を、1995~2005年まで日本財団会長を務めた。『誰のために愛するか』『老いの才覚』『人間にとって成熟とは何か』などヒット作多数

「2018年 『納得して死ぬという人間の務めについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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