美女と竹林 (光文社文庫 も 18-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748951

感想・レビュー・書評

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  • 「これからは竹林の時代であるな!」
    どうしてそうなった。
    なにがすごいって、「竹林に入って竹をきった」だけしかしていないのに1冊のエッセイになって、それで人を最後まで笑わせてくるところだと思う。竹林の時代だと思うのもすごいんだけど。

    この本の内容を圧縮して言うと、著者が竹林に分け入り、基本的に大変だという趣旨のことをブチブチ言いながら微量の竹を切り、肉か何か食べる感じだ。その日々の合間にスルリと妄想が入り込む。このスルリと入ってくる妄想が、うっかり暑い日に昼寝した時の夢くらいアクが強い。アクの強い妄想と過去の風景と竹林がグルグル回るようで、読書しながら酩酊するような思いをする森見さんの文章が好きだ。
    『夜行』の時も思ったけど、夢のような世界を言語化するのってすごいな。するりと夢の世界に引っ張り込まれる。

    そういえば、森見さんが農学部で竹の研究をしていたと、このエッセイで知った。それと京都の竹林は11月でも蚊が出ることも知った。

  • 竹林に懸ける情熱?だけでこんな一冊が書けるのか…と、森見登美彦氏の着眼点諸々に驚かされる

  • どんな本かと聞かれて、これほど説明するのが難しい本はなかなかないだろうな(笑)
    華麗なる語彙力の無駄遣い!要約すれば一行で済むことを、よくもあれだけ面白く書けるものだなぁ。

  • 古本として、100円で購入。
    それが大変な美本で、ページをめくるたびに、パリパリ音がする(一度も開かれたことがなかったらしい)。
    そういう意味で、さわやかな竹林のロマンと、ページをめくる気持ちよさが妙に同期して楽しい。

    それはそれとして、内容は…。
    まったりとして面白おかしい文体は楽しい。
    しかし、下らぬことかもしれないけれど、これは小説なのか、エッセイなのか、何なんだろう?
    文庫になってしまうと、そのあたりがよく分からなくなる。
    楽しければ、どっちでもいい、と言えなくはない。
    でも巧妙に仕組まれた私語りの虚構、と思うと、やっぱりこの人、現代の太宰治なのかなあ。

  • 妄想に富んだ人、文章が好きです。
    森見さんの妄想力すごい。
    途中からエッセイなのか、小説なのかわからなくなった。

  • 登美彦氏がとっても愛おしいのでよんでみて、とこないだから知人に言ってまわっている。

  • もはやジャンルですらエッセイなのか小説なのかわからないけど、森見登美彦って何が面白いのって聞かれればもはやこの本を差し出すのが一番なのではないかと思うほどとりあえず面白い。

  • 先週、森見登美彦のトークショーが家から徒歩5分の上賀茂神社であったので、サインをしてもらいたくて買った。

    無事サインをしてもらった。

    森見登美彦の作品は四畳半神話体系しかまだ読んだことがないが、とても面白かったのでイメージは良かった。

    この「美女と竹林」も面白かった。
    笑える部分もところどころあった。

    小説風のエッセイだが、知らず知らずのうちに竹に対する知識も増える。

    森見登美彦は京大農学部出身で、大学院では竹に関して研究もしていたそうで、普段学ぶ機会のない竹のことも詳しく知れて良かった。

    私が購入したのは京都限定カバーの文庫で、デザインがとても素敵だった。

  • 【要約】
    多忙な作家生活からの逃避として、すくすくと生い茂る「妄想竹」。
    念願だった竹を刈る愉しみ、周囲の人たちを巻き込んでのグダグダな展開、食事の素朴な喜びなどが綴られたエッセイ。

  • 阿呆だろ、森見氏。

    「ひょんなことから竹やぶを手に入れて頑張っては見たものの、手入れがめんどくさくて放置している間に一年経ってしまいました」の一文のみをこねくり回して一冊の本にできる才能は、阿呆の才能としか言い様がない。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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