女の絶望 (光文社文庫)

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著者 : 伊藤比呂美
  • 光文社 (2011年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334749293

女の絶望 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「あたしはあたし、人は人」 これがね、難しいんですよね。 比呂美さんが新聞に連載中の身の上相談「万事OK」を下敷きに上梓した一冊。

    人の悩みを読んでいるうちになぜか自分が見えてくる…。 うん、そうなんだよね!.




    育児エッセイの比呂美さんから幾星霜。
    子どもたちは成長し、ご自分は離婚・再婚を経て、更年期や老親の介護を抱えていたころなんですね。

    新聞の身の上相談というものは、
    誰が見てもこれは大変だ!という状況に対して、ぶっ飛んだ回答者の論理でバッサバッサと切り捨てて、そんなことはたいしたことじゃない、あなたの気の持ちようです、となるか、
    私はもっと凄いんだ!みたいな露悪的自慢&武勇伝みたいなものになるか、が多い気がするのだけど、

    比呂美さんは、かなり大胆なことを言っている(はず)なのに、なんかストンと胸にくるものが多く、うんうん、そうかもね、と思えるところが優しいなぁ、と。

    夫のEDにまつわるあれこれに対しては、

    今いい薬がいろいろと出回っていて、じっさいとってもよく効きます。あっ、立たないと思ったら、すぐ医者に駆け込むくらいの良識と勇気がほしいです。セックスをバカにしちゃいけません。家庭をきちんと維持するためにはすごーく大事なことなんです。

    これ、2007年から8年にかけての連載だったんですね。
    こんなにすっぱり、対処療法的に見えて、実は一番大事なメンタルなことまで答えてくれている身の上相談がそれまでにあっただろうか!なんて力瘤を作ってみたりして。

    で、あれこれあれこれ語った後で、(というか、語っている最中も)
    「あたしはあたし、人は人」なんですよね。

    行為が不心得の人に対してはがつんと言う。
    でも、生き方が不心得の人には、どんなに不愉快でも、言う必要はない。かれらの生き方があなたと違うだけなのです。あなたは違う生き方が気に入らないだけなのです。

    と・・・。

    そして、「あたしはあたし」の次に、
    「あたしが一番大切」とはっきり思えるようにならないと
    「人は人」にたどりつけない。
    とくるんですよ。

    うん、ホントだよね!
    「あたしはあたし」とは、結構楽に考えられるけど、「人は人」とまではなかなか・・・。(汗)

    ここのところ、今年に書かれた「閉経記」に始まって、若いころやちょっと前の比呂美さんにさかのぼって一気に彼女の世界に入り込んでしまったけど、なんて気もちのいい人なんだろう、というのが一番の感想です。

    これまでご縁がなかったのに、お互い、こんなに年を取ってから出会えたというのも案外必然だったりして?(#^.^#)
    誰に言っていいかわからないけど、ありがとうございます、とお伝えしたいです。

  • 10年後にまた、20年後にまた読み返そう。
    これからある、いいことやなこといろんなこと、ひっくるめて、ちゃんと歩いていけるといいなあ。

  • 業だねえ… 生きるってことは、様々な業を背負うことだ。
    死ぬときゃ一人、でも生きてる間は一人でおれない。そうすっと、溜まったり噴き出たりするもんがあるわけで…。人生って、きっと、ぐちゃぐちゃしたもんなんですね。思ってるよりずっと。

  • 文体はすっごく面白かったんだけど、内容が今の私にはもう少し先の話で、途中で読むのをやめてしまった。

    著者が若い時の作品を何か読んでみようかな。

  • あたしはあたし→人は人

  • やっぱ伊藤比呂美さん好きだなあ。。

  • 本の表題からすごいけれど、中身もそれ以上にすごいです。やっぱりしろみさん(本の中では江戸っ子のべらんめえ口調で語る彼女がいます)の人柄及び人生経験がたっぷり詰まったけれん味のないお言葉は説得力があるなあと思います。地方新聞での人生相談の内容が中心になっているので、世の中の人々の悩み、此処に極めりという感じです。これを読むと誰にでもあるある!と思い当たるのに、素知らぬふりをして表に現れない悩みの何と多いことか。中年以降の男女、夫婦関係などにおける性に関する問題は比重が大きいのに、対処方法が軽視されがちです。しろみさんのようなあけすけの回答は有り難いのでしょう。女にとっての絶望がユーモラスに思う存分語られ、カタルシスを得るには絶好の教本です。

  • 伊藤比呂美の女の絶望を読みました。

    中年から更年期の女性に向けたエッセイ集でした。
    4月から3月に見立てた12の章から構成されていて、それぞれ「ふうふのせっくす」「おんなのぜつぼう」「へいけいのこころえ」「ちうねんきき」といったどろどろしたサブタイトルがついています。

    サブタイトルをテーマに身の上相談の回答者を続けた経験から中年女性あるあるが解説されていきます。
    konnokは「よいおっぱい、わるいおっぱい」の頃からこの人のエッセイは大好きで、今回もおもしろく読みました。
    30年前から伊藤比呂美が提唱している「がさつ、ぐうたら、ずぼら」という処世術は中年女性でも万能の力を発揮するのでした。

  • 世の女性の悩みは尽きず、しろみさんはどこまでも優しく力強く、私はひたすら圧倒されたのでした。

  • せっくす、ふりん、へいけい、しっと、りこん、かいご…
    みんなの悩みを飲み込んで迫力ある言葉を返す海千山千の「しろみ」さん。なのに、ケビン・コスナーの「ワイルドレンジ」観て、いいなぁと思っている自分を、「救いがたく情緒的だな」と感じたりするところがとても魅力的。

    p214 “「ちょいとおまいさんおしょうゆ取って」といいながら、セックスできたらいいのになあって考えたことがあります。”

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