スナ-ク狩り (光文社文庫 み 13-9 光文社文庫プレミアム)
- 光文社 (2011年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334749705
作品紹介・あらすじ
その夜-。関沼慶子は散弾銃を抱え、かつて恋人だった男の披露宴会場に向かっていた。すべてを終わらせるために。一方、釣具店勤務の織口邦男は、客の慶子が銃を持っていることを知り、ある計画を思いついていた。今晩じゅうに銃を奪い、「人に言えぬ目的」を果たすために。いくつもの運命が一夜の高速道路を疾走する。人間の本性を抉るノンストップ・サスペンス。
感想・レビュー・書評
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力強い作品でしたー
同時多発な描写は読んでてスピード感ありますね
最後の盛り上がりも迫力満点
ただ気になるのは事件後の慶子がどうなった?かですね!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そもそもこの本を読み直すきっかけになったのが、英国のミステリードラマ「ルイス警部」。ドラマの一端で出てきたルイス・キャロル作のスナーク狩りという詩集。哲学的だとの評価もあって、宮部さんがどのような作品に仕上げたのかが気になって読みました。殺意を抱く瞬間の悪意がスナークなのか...作品の結末は悲しく、それでも生きていかなければならない登場人物たち。一度そういう感情と対峙してしまった以上、以前と決して同じではいられないだろうといろいろ考えさせられました。詩集の「スナーク狩り」もいずれ読んでみたいです。
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スマホの普及していない時代だから成り立つ物語だが、時代背景も一緒に楽しめた。悪人が痛い目にあって、スッキリ終わらないのが宮部みゆき作品。人が持つ善と悪の境目の曖昧さが悲しいほど。
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ガチガチのサスペンス。映画観てるようだった。
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最近スマホやインターネットのまだなかった80年代、90年代が舞台の小説を無性に読みたくなる。本書は1990年代初頭の刊行。留守番電話、自動車電話、ポケベル、テレホンカードなどが懐かしい。複数の視点で同時進行する物語。携帯電話がないため固定電話だけのもどかしいやり取りでストーリーは展開していく。「私刑は是か非か」がテーマ。
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やっぱり宮部みゆきさんは人間の内情を描くのが抜群に上手いと思う。
たった一夜の出来事とは思えないほど色んな人達の想いや行動が錯綜し、最後に1つに繋がる疾走感が素晴らしかった。 -
憎い人への復讐をその人の周囲の人がどう考えるか等、様々な人間模様を描いていてスピード感があり面白かったです。最後には何となくスッキリしました。映画的にはこうでなきゃって言う感じです。
宮部みゆきさんの小説は5冊目ですが既に嵌まりました。短編も読んでみたいです。