初恋 (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
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レビュー : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751029

作品紹介・あらすじ

16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 読後、私より先に読み終えた父から「カルピスみたいな味やと思ったやろう、どぶろくやで。」と名言を頂いた。

  • 貴女に恋をした日のことを、僕はずっと忘れない。

    甘酸っぱい。まさに、初恋。宝塚で舞台するというから読んでみたけれど、なんというかもう恋するウラジーミルのトキメキがむずむずする。お父さんもかっこいいし。ジナイーダも、奔放で勝手ですが魅力的。

    過去を振り返っている、という設定がまた憎い。これが現在進行形の話だったら、若造め! となりそうだけど、主人公と一緒に振り返るから、若い頃の甘美な思い出として、あの若かった頃は、と共感できる。

  • んあ~結構好きだな~!
    言い回しとか表現が好みだったんだけど、それは訳者さんのおかげかな?
    初恋のエピソードとかは目新しいのではないし、特に惹かれるものはないけれど(雰囲気はとても好き)、最後の章が良かったなぁ。そう、改めて考えるとこれって年をとってから自分の初恋を振り返ってるんだけど、何で思い出して書いたんだろう...。まだ自分の初恋に終止符を打てていないのかなぁ。うーん、もうちょっと読み込みたい!し、ツルゲーネフの他の作品読んでみたいなぁ!

  •  ブクログのTLを見て、気になって読んだ本。ツルゲーネフは初めて。
     最初は初々しさとかジタバタする主人公にニヤニヤしたりもしたけれど、だんだんと話が進んでいくうちに「どうしてそうなっちゃったんだ!」て絶望すらしてしまった。
     ジナイーダは男たちを囲んで遊ばせて、まるで毒女だなとか正直思ったりしたけど、貧乏だけど曲がりなりにも貴族として生活がしたい、人をこき使うような令嬢になりたいと思ってああなったとしたら、拗らせすぎてるのかも……。まあ、あの母親なら、そんなふうに現実逃避もしたくなるのかな。
     後半あたりから父親かなとは思ってたけど、そうであってほしくなかったなー。従僕とか言っておいて、父親の代わりとして考えてたとこもあって、それに嫌気がさしたりしたんじゃないかなー。。。それでも、ウラジーミルとの甘い記憶はどうかそのままの気持ちであってほしい。

  • ネジ読書会の課題本でした。16の初恋の甘く切なすぎるときめき。40になった主人公の人に読ませるための日記の形で綴られる。ネタバレしないで読んだ方がいいと、言われていたにもかかわらず、あらすじをつい読んでしまった。

    初恋は、他のどの作品よりも作者自身に愛された幸福な小説であるという。彼の人生そのものであり身をもって体験したものだそう。

    語り手ウラジーミル・ペトローヴィチの父と初恋相手21歳の、公爵令嬢ジナイーダがとりたてて美化されている。
    人生は短くどうしようもなく人間は悲しく惨めで、美しいと思えた。 

    どういう立場であれ一瞬のときめきがあるから人は生きていけるのかも。

    後ろのほうで、青春の魅力について語り手が語ってるのがほんとにそうだなぁと共感した。

    以外引用。
    青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密はなんでもできるというところにあるのかもしれません。持てる力を他に使いようのないまま無駄つかいしてしまう。そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思いこみ、『あぁ、時間を無駄につぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!』と本気でかんがえる、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。

  •  豊富な語彙を用いた表現ではないが、テンポよく、主人公が自らの心の内を偽りなく純粋に、私たちに語りかけてくれている感じがした。主人公の内面や行動の描写が適切かつ雄弁で、ありありと伝わってくる。
     初恋の、どうしても陥ってしまう無限ループ的な感じ、高揚感、全能感、幸福感、絶望感、それらに振り回されに振り回される主人公。共感しつつも、子供だなぁって思って楽しく気楽に読めた。あの幸せは子供だからこそ存分に味わえるものであると思うし、特別で大切なものだと思う。その感情を抱かなくなったり、抱きそうになっても振り回されないようにと思ってブレーキをかけてしまうようになった自分を、大人になったのかなと思いつつも、心が老いたなぁと少し切なくなった。

     主人公が恋している相手や主人公の父親をみて、魅力とは何か考え直そうと思った。人格者と、人間的に魅力的な人は違う。また、人間的に魅力的な人と、女性や男性として魅力的な人は違う。(登場人物と直接的な関係はないが)個人的にはそう思った。

    印象に残った文
    青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれない。

  • この物語には3つの初恋が描かれている。ひとつはウラジーミル、もうひとつはジナイーダ、そしてあとひとつは……

    ロシア文学とか無理ゲーwwwとか言わず、軽い気持ちで手に取ってほしい。実際150ページくらいしかないし笑。
    そしてウラジーミルと共に、「あの頃は若かった」を思う存分味わってほしい。

  • ■結局、父もジナイーダも”私”を残して若くして亡くなった。……これで終わったら物語がちょっと単調な気もするが、最後ギリギリで全く関係のないある貧しい老婆の死にぎわがサラっと語られる。「お婆さんはしきりに十字を切り、『神様、私の罪をお許しください』とささやき続け、最後の意識が火花のように散ってはじめて、死を恐れおののく表情がようやく目から消えたのです。」……これだけで物語が一気にドンっと厚みを増したように思えた。効果的で大変よろしい。
    ■ジナイードの取り巻きのひとりルーシンが言う。「自分を犠牲にすることに喜びを感じる人がいる」と。とびきり美しくて子供の頃からちやほやされて、かつ頭が悪い女で、そんなんいるよねェ………。

  • 高校生の時に読んだきりだけど、今でもたまに描いていたシーンがふと頭に過ぎるくらい気持ちの良い作品だった

  • オチはすぐ分かってしまったが、それでも十分楽しめたかな。

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著者プロフィール

ロシア中部オリョールに、地主貴族の息子として生まれる(1818-1883)。
『猟人日記』(1847-51)で農奴制を批判し投獄される。父子の世代対立や農奴解放などの社会的テーマ、および自伝を背景にした作品を多く残す。日本では二葉亭四迷によって翻訳・紹介され、大きな影響を与えた。代表作『余計者の日記』(1850)、『貴族の巣』(1859)、『父と子』(1862)など。

「2018年 『First Love はつ恋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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