カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

制作 : 亀山 郁夫 
  • 光文社
3.69
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本棚登録 : 4345
レビュー : 362
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751067

感想・レビュー・書評

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  • P149 私は人類愛に燃えているが、自分で自分に呆れることがある。というのも人類一般を好きになればなるほど、個々の人間を、ということはつまり一人一人を個々の人間として愛せなくなるからだ、と。

    P164 下等のものが高等な種に進化するように、教会は国家に変質し、やがてそのなかに消滅して、科学や時代精神や文明に席を譲らなければならないということですよ。

    P170 ヨーロッパではもう教会なるものが全く存在せず、(略)教会自身がもう前々から、教会という下等な種から国家という高等な種へ移行し、国家の中にみずからを消滅させることを目指しているからです。少なくともルター派の国々は、そんな風に見受けられます。

    P175 それは、神を信じるキリスト教徒でありながら、同時に社会主義者である人間です。(略)社会主義的なキリスト教徒っていうのは、社会主義的な無神論車より恐ろしいんです。

    P211 ようするに君たちカラマーゾフ一家の問題というのは、女好き、金儲け、神がかり、この3つが根っこにあるってわけさ!

    P287 (マドンナの美、ソドムの美)美の中じゃ悪魔と神が戦っていて、その戦場が人間の心ってことになる。

    P354(スメルジャコフを指して)「思想をため込むんでしょうね」

  • <目次>
    第1部 
     第1編 ある家族の物語
     第2編 場違いな会合
     第3編 女好きな男ども
    読書ガイド

    2016.03.10 朝活読書サロンで紹介を受ける
    2016.04.18 朝活読書サロンで紹介を受ける
    2017.09.09 Dainさんより
    2017.11.15 品川読書会で紹介を受ける
    2017.12.27 世界の文学作品を読む(2018年に向けて)
    2017.12.30 『古典力』より
    2018.01.26 読了

  • 開始30ページまで読むのが限界。毎回導入部分で挫折しているので、評価できないかな…

  • 4

  • カラマーゾフ家をざっと紹介する役割を果たす最初の章。兄弟たちのそれぞれに興味を惹かせる導入部の役割を見事に果たしていて、掴みは良好。何となく難解なイメージだったけど、ひょっとして結構余裕かも、と思ったら次の章。いきなり突き放されるかのように、ぶっちゃけ冗長としか思えない討論シーンが登場。ここでかなりイヤになったけど、でも結局、作者が書きたかったのは、こういう宗教と国家の関係性に纏わる困難とかだったりするのかも、と思って我慢。そこをやっと終えて、本1巻の後半は、女性をめぐっての俗っぽい家族間確執が描かれていて、これはまた楽しめる。という訳で、まあこの調子なら本大長編も読了は出来るかな、と思えた初巻なのでした。

  • なぜか、アップするのを忘れていた。10年ほど前に、1年かけて書きました。

    ①さあ、読み始めよう!
    これからドストエフスキー著・亀山郁夫訳「カラマーゾフの兄弟」(光文社古典新訳文庫)を読み始めます。なぜ「カラマーゾフ」か? それは、光文社から出た古典新訳の第一弾で「私にも最後まで読み通せた!」なんて声が、そこら中に書かれていたから。100万部突破(5巻累計だけど)ともある。私自身は、海外の古典なんてほとんど読んだことがない。だいたい名前を覚えるのが苦手で、カタカナの名前がたくさん出てくると、誰が誰だかわからなくなる。だから、ずっと敬遠してきました。ところがどんどん売れているというし、次から次からと新訳は出るし、これはなんとしても読んでみなければと思うようになりました。ただし、5巻本。気軽に読み始めても途中で挫折しそうと思い、自分にプレッシャーをかけるためにも、皆さんに付き合ってもらうことにしたのです。学生時代に読書会というのをしたことがあります。英語の本とか、ちょっと自分一人で読み通すのがつらそうな本を、何人かで分担しながら読んでいきます。自分が担当の回は緊張しますが、しっかりと読み込んでいって、内容を皆に伝えます。皆で議論も交えながら少しずつ読み進んでいくのです。今回の発表者は毎回清水です。皆さんは気軽に流し読みをしていってください。そして、少しでも面白そうと思ったら、実際に本を手にとってみて下さい。たぶん、この新訳本がおすすめです。訳文が悪くて(古くて)最後まで読み通せないことはよくありますから。(岩波文庫の「ファーブル昆虫記」なんて全巻買ったけど、本棚の肥やしにしかなっていません。)さて、ドストエフスキーというとロシアの文豪。世界に数多くの小説家と呼ばれるような人がいますが、その中でもおそらく5本の指に入るのではないでしょうか。もちろん、私は過去に一冊も読んだことがありません。トルストイなら何か読んだような気がしますが、タイトルすら思い出せません。薄い本でした。最近読んだ木田元さんの自伝的エッセイには、ドストエフスキー派とトルストイ派があって、タイプが分かれるなんて書いてありました。自分ではトルストイ派かな、なんて適当に思っていましたが、今回ドストエフスキーを読み始めて、こちらも嫌いではないなあと思い始めています。というより、面白すぎてどんどん引き込まれているところです。少しずつ、中身を紹介していきましょう。本編とは別に、翻訳者による読書ガイドがついていて読みやすくされているのですが、あまり先入観にとらわれず、自分なりの受け止め方をしていこうと思います。だから、私の知識が乏しいために、重要な個所を読み飛ばしていってしまうというようなこともあり得ると思っておいてください。特に、キリスト教のいろいろな宗派についての話は全くイメージできないまま読み進むことになります。当時の金銭感覚もないので(あたりまえですが)、いくらお金を残してもらったとか、いくらあげたとか、ちょっと雰囲気がつかめません。この点については、第2巻の終わりのブックガイドに少しヒントがあります。さらに、時代的な背景も少しずつ勉強しながら読んでいきますが、封建主義から資本主義はたまた帝国主義、そしてどこから社会主義に入っていくのか。よく見えてはいません。ナポレオンがどうこうしたという話も出てきますが、こういうときにつくづく世界史をもっとちゃんと勉強しておくのだったと後悔します。ドストエフスキー:1821~1881、社会主義サークルに関係して流刑4年を経て、強い神秘主義的傾向に入る。「カラマーゾフの兄弟」:1880年ドストエフスキー最後の大作。人間の魂の救済を求めた長編小説(世界史用語集より)。未完。それでは、第1巻から読み進めていきましょう。伝記作家の著者より。主人公はアレクセイ(アリョーシャ)・カラマーゾフ。カラマーゾフ家の三男。いま(本書を書いているとき)から13年前のできごと。主人公がまだ19歳、青春の1コマを描いた物語の始まりです。
    ②カラマーゾフ家の物語そして場違いな会合
    第1部 第1編はカラマーゾフ家の紹介から始まります。主人公はアリョーシャ(アレクセイの愛称。同一人物なのにいくつかの名前で呼ばれる。そこが、ややこしい。たぶん、親しさを名前の呼び方で表しているのだろうけど、どちらの呼び方がより親しいのか覚え切れない。)カラマーゾフ家の三男。父親がフョードル。ろくでもない女たらし。お金だけは持っている。とは言っても自分でコツコツ稼いだというわけではなさそう。持参金を目当てに結婚したりしているようだから、そのあたりから得たお金で商売をして、うまく増やしていったのかも知れない。さて一人目の妻との間にできた子どもが長男ドミートリー。その妻はフョードルの性格に愛想をつかし、3歳の子どもを残して家を出て他の男のもとに行く。その後、ドミートリーは父親のフョードルに育てられるわけでもなく、しばらくは下男のグリゴーリーが面倒を見ていた。4歳になるころ、もと妻つまりドミートリーの母親のいとこというミウーソフに引き取られる。それもほんのわずかな間。それから、また親戚のおばさんの家に行き、そこで育てられる。この物語に登場するころは軍人になっている。成人してから実の父親つまりフョードルのことを知り、お金のことや女のことでもめることになる。二人目の妻は16歳。素直でとてもかわいらしかったそうだ。この妻の育ての母親は虐待を繰り返していたようで、そこから逃れたい一心でフョードルについていった。そして、二人の子どもをもうける。父フョードルにとっては次男のイワンと三男のアリョーシャ。それで、幸せな生活を送っていたわけではまったくなく、とんでもない父親は、家に次から次へと女を連れ込んでいたようだ。この二人目の妻は次第にヒステリーを起こすようになり(「おキツネさん」と呼ばれている。)結局アリョーシャが4歳になるころにこの世を去る。あわれんだこの妻の育ての母親(子どもたちにとってはおばあちゃんのような存在)が二人の子どもを引き取る。そのおばあさんも、しばらくすると亡くなり、子どもたちに一人当たり1000ルーブルという大金を残してくれる。相続人が二人の子どもの面倒を見るのだけど、とてもいい人で、この1000ルーブルには全く手をつけなかった。二人が成人するころには利子がついて2000ルーブルほどになっていた。15年ほどで2倍になるというのはちょっとすごいかもしれない。次男のイワンは勉強がよくできた。13歳くらいでこの相続人の家からは離れて学校の寄宿舎で生活するようになる。成人すると、新聞記事などを書いて自分で生活費を稼げるようになる。さて、主人公の三男アリョーシャは、学業面では一番を取れるほどではなかったが、おだやかな性格ですみ切った心を持っており、誰からも好かれていた。ただ下ネタ(ちょっとエッチな話)は苦手でいつもそんなことでからかわれていたようだ。恋愛についても得意な方ではなかった。物心ついたころから他人の家で育てられたのだけれど、どういうわけかお金のことはあまり気にすることなく育っている。お金の価値もあまり知らない。そうかと言って世間知らずのお坊ちゃんというのとも違って、わりと現実主義のところがある。このアリョーシャ、19歳で修道院暮らしを始める。そこにいたゾジマ長老にほれ込んでのことだった。修道院の中でもアリョーシャは、ゾシマ長老始め他の神父たちにもかわいがってもらっていたようだ。しかしゾシマ長老はすでにかなり年をとっており、もうそこに死が迫っていた。そんなある日、お金や女のことでもめていた父フョードルと長男ドミートリーがそのゾシマ長老に間に立っていただいて、なんとか関係を修復しようということになった。そこには次男のイワン、そしてなぜか物好きのミウーソフ(ドミートリーをしばらく預かったドミートリーの母のいとこ)も同席することになる。もちろん、主人公アリョーシャも。最初は大人しくしていた父フョードル。次第に気持ちが高ぶってきてとんでもない発言となり、結局物別れとなる。そのあたりの様子は、実際に読んでみてほしい。なんでそんなことまで言うのという感じです。さて、この会合の前に、この後の話で重要な役回りとなる、車椅子に乗った少女リーズがすでに登場している。本当は、ゾシマ長老の起こした奇跡の話など興味深い話がいろいろあるのだけれど、先は長いので、次に進んでいこう。  

    ③女好きな男ども
    場違いな会合の終わりに、ゾシマ長老はカラマーゾフ家の長男ドミートリーの前にひざまずき、キスをする。ドミートリーが父フョードルに対し、何かとんでもないことをするのではないかと予感したからだろう。ゾシマ長老はアリョーシャに、修道院から出て、父や兄のもとへ行くようにすすめる。アリョーシャが父の家に向かう途中、ある女を待ち伏せしていたドミートリーと出会う。そして、それまでの事情をくわしく聞くことになる。ドミートリーにはカテリーナという婚約者がいた。カテリーナは知性的で少しプライドが高いといった感じ。ところが、ドミートリーの心は今は別のところにある。グルーシェニカという女性。娼婦という表現が出てくるがちょっと違う。魔性の女といったところか。ぽっちゃりしていて、やわらかくて、甘ったるい感じで男をひきつける力があったのだろう。ドミートリーはカテリーナからモスクワに送金するようにとあずかった3000ルーブルを、あろうことかグルーシェニカとともに使ってしまう。そしてまた、そのグルーシェニカのことを、父フョードルまでもが気に入ってしまう。そこで、ドミートリーはグルーシェニカがフョードルの家に行くのではないかと、家の近くで見張っていたというわけだ。さて、アリョーシャが父の家につくと、父フョードル、次男のイワン、そして下男などが広間におり、コニャック(お酒)なんかを飲んでいる。下男についての話もいろいろと面白いことがあるのだけど、ここではスメルジャコフのことだけ触れておく。母親は「神がかり」で町をふらついていた。いつの日か身ごもり(誰が父親かは分からない)、そして出産の日になぜかカラマーゾフ家にやってくる。子どもを産み落として間もなく、母親は死んでしまう。そこで、カラマーゾフ家の下男グリゴーリーとその妻マルファが育てることになる。小説の中では、実の父親はフョードルかもしれないということがほのめかされている。さて、そのスメルジャコフ、料理が上手で、カラマーゾフ家の料理番をしている。その上、何やらいくらかの知識があるのか、神がいるかいないかなどという会話の中に入ってきたりしている。無神論者?のイワンとも話が合うようだ。しばらくなごやかな?親子の会話が続いていたところに、ドミートリーが入り込んでくる。グルーシェニカが家に入ってきたのではないかというのだ。何を見間違ったのかは分からない。でも興奮して父親に暴言を吐き、暴力まで振るう。その場はとりあえずそこでおさまり、その後、アリョーシャは兄ドミートリーの婚約者カテリーナの家を訪れる。先に兄から頼まれていたのだ。もう、カテリーナの家に行くことはない、「よろしく」と伝えておいてほしいと。そこでアリョーシャが見たものとは。最初はカテリーナも上機嫌だった。実はグルーシェニカと事前に話をしており、彼女には別に好きな男性がおり、ドミートリーといっしょになる気などないと聞かされていたのだ。ところが、奥の部屋から現れたグルーシェニカは、アリョーシャの前で、カテリーナに先に話していた話を全く否定してしまう。カテリーナは錯乱状態におちいる。どちらかというとお嬢さんというイメージがあったのに、カテリーナの口からはたくさんの下品なことばが吐き出される。アリョーシャはとんでもない女同士の修羅場(しゅらば)を見ることになったのだ。カテリーナの家から出て修道院にもどる道すがら、またまた待ち伏せのドミートリーと出会う。そして、今見てきた一部始終を伝える。ドミートリーは自分の胸を手でたたきながら、ここで破廉恥(ハレンチ)が行われようとしている、と言う。自分のことを卑怯者とも言う。そして、卑劣なたくらみを実行する、と言って去っていく。自分の部屋にもどったアリョーシャは、その日の午前中に、幼なじみで今は足をわずらい車椅子生活をしている14歳の少女リーズからもらっていた手紙を開く。そこには愛の告白が書かれていた。誰にも内緒のラブレターだった。

    ④錯乱(ナドルイフ)・プロとコントラ(肯定と否定)
    前回まではまだたった1日分のお話。ここからが次の日。アリョーシャはまず父親のいる家に向かい、その後、昨日誘われていたホフラコーワ家へと向かった。そこの娘が、ラブレターをくれたリーズ。母親はそんなことはまだ知らない。その道中で、アリョーシャは子どもたちのいざこざに巻き込まれる。というか、アリョーシャはどうも子どもが好き?で、そのまま知らぬ顔で通り過ぎることができなかったようだ。1人の男の子を大勢がせめている様子。しかし、最初に手を出した(石を投げた)のは1人の方。アリョーシャは間に入って止めようとする。しかし、少年はアリョーシャに向かっても石を投げつける。さらにはアリョーシャの手の指に噛み付き、深い傷を負わせる。アリョーシャには少年がなぜそこまでするのかよく分からないまま、そしてそのことをとても気にしながら、ホフラコーワ家へ向かった。朝からリーズはヒステリーを起こしていたらしい。あんな手紙を出して、その相手が今日自分の家に来ることを思い、かなり興奮していたのだろう。ホフラコーワ夫人はなぜ娘リーズがそんなに落ち着かないのか見当がつかない。やっとたずねてきたアリョーシャと夫人はしばらくは話しこんでいたが、そのうちにアリョーシャの手の傷に気付き、すぐに手当てを始める。そこでやっとリーズが登場する。手際よく包帯を結んだりしている。でもなかなか二人きりにはなれない。その後、アリョーシャは別の部屋に来ていた、カテリーナと兄イワンの会話に加わる。ホフラコーワ夫人からはカテリーナはドミートリー(長男)ではなく、本当はイワン(次男)の方を好いているのだと事前に告げられている。というか、どうやら夫人がそうあってほしいと願っていたのだろう。なぜなら、ドミートリーは粗暴で結婚相手としてはあまりすすめられる存在ではなかった。それに比して、イワンは知的で、冷静で、将来を共にするのにふさわしいと感じていたのだ。さて、その話を聞かされていたからか、自分でもそう感じていたのか、恋愛経験もなく、こういう話にはうといはずのアリョーシャが、突然二人の前で、イワンがカテリーナを愛している、そしてカテリーナもイワンの方をより好きなのではないかと言う。結局、イワンの気持ちははっきりする(カテリーナのことが好き)のだけれど、カテリーナの方はよく分からない。イワンは、ここで自分の気持ちをはっきり伝えることもできたし、これで明日にはモスクワにもどることにすると告げて去る。その後、カテリーナからアリョーシャは頼みごとをされる。それは、婚約者であるところのドミートリーが迷惑をかけた人物にお詫びのしるしとして200ルーブルという大金を渡してくれるようにとのこと。それで、アリョーシャはその人物の家を探して、訪ねる。そこには、先ほど指をかんだ少年がいる。少年イリューシャはアリョーシャが自分の侵した罪をとがめにやってきたと勘違いする。アリョーシャには全くそんな気持ちはなく、少年がどういう理由で噛み付いてきたのかが気になっている。この家には両親二人と三人の姉弟がおり、大変貧しい暮らしをしている。父親スネギリョフは仕事も失い、娘のお金を使って何とか生活をしているという状態。アリョーシャは父親と外に出て二人だけで話しをする。長兄ドミートリーが、先日このスネギリョフを、人々の前ではずかしめ、その場に出くわした息子のイリューシャにもつらい思いをさせたことを聞く。カラマーゾフの家のものと知って、少年はアリョーシャに噛み付いてきたのだった。最後に、アリョーシャは預かってきたお金を渡す。最初は喜んで受け取り、引越しをして新しい生活が始められると言っていたスネギリョフだったが、別れ際になって、やはりこんなものは受け取れないと投げ捨てていく。最後の最後にプライドが許さなかったのだろう。ホフラコーワ家にもどってカテリーナにその旨を伝えようとしたアリョーシャだが、それより先にリーズと二人きりで話しをする機会を得る。もちろん、その内容は手紙のこと。将来の結婚にまで話は及ぶ。アリョーシャが気軽に?結婚まで約束をしているのが不思議だ。しかし、その話を盗み聞きしていた母親ホフラコーワ夫人に、結婚を反対されることになる。その後、ドミートリーを探していたアリョーシャは、結局、料理屋にいたイワンに呼び止められ、いっしょに食事をしながらしばらくの間、二人で話しをする。そこで、初めて二人の距離が接近する。イワンはもう次の日にはモスクワに立つのだけれど。ここでの、イワンの話、イワンが創作したという「大審問官」という物語、とても長くて興味深いのだけれど、時代背景や宗教的なことがよく分からず、1回読んだだけでは理解できませんでした。ただ、イワンが子どもの虐待の話をいくつもの例をあげて語るところが印象的ではあった。

                                                 

  • kindleストアで購入。

  • かなり前に新潮文庫版を読んで以来の再読。
    確かに長いが、非常に読みやすく訳されており(特に、ロシア文学にありがちな複雑な人名表記がすっきりしていて分かりやすい)、どんどん読み進めていける。

    個人的には、フョードルやスメルジャコフのような「鼻つまみ者」が鋭い洞察を見せる場面が好き。

  • まー、長い

  • 『カラマーゾフの兄弟 1』あらすじ

    著者より
    『カラマーゾフの兄弟』の「続編」の舞台は現在、主人公の名前はアレクセイ・フョードルビッチ・カラマーゾフ、そして重要なのはその続編の方である。一方"この"物語『カラマーゾフの兄弟』は続編に先立つ13年前に起こった、小説というより主人公の青春の一コマであり、続編を補佐するものである。

    第1部第1編 ある家族の物語
    フョードル・カラマーゾフには、死んだ二人の妻の間に三人の息子がいるが、父フョードルは息子たちが生まれた時から彼らにになんの関心を持たず、三人とも幼くして母型の親類に引き取られて育っている。
    長男ドミートリー(29歳)は、母譲りの自分の財産が父親フョードルに不当に窃取されたと思い込み激怒、フョードルのところにどなり込んでくる。これが「この物語の主題であるところの悲劇」の端緒である。
    ドミートリーの帰郷に先立ち、次男イワン(23歳)も実家に戻っている。彼の目的はおそらく、美女カテリーナをめぐってドミートリーと話し合いをもつことである。イワンだけはフョードルの住居に寄宿している。
    三男アレクセイ(19歳)は兄たちより1年早く戻ってきている。本人は母の墓参りのためというが理由ははっきりしない。実家ではなく、私淑するゾシマ長老がいる修道院に寝起きしている。

    第1部第2編 場違いな会合 【一日目 十一時半頃~十三時半頃】
    フョードルとドミートリーとのあいだにくすぶる火種が大きくなるのを未然に防ぐため、フョードルの思い付きでカラマーゾフ一家が余命いくばくもないゾシマ長老の庵室に相談に集まる。加えて、ドミートリーのかつての後見人であったリベラリスト、ビョートル・ミウーソフ、学生ピョートル・カルガーノフ、トゥーラ県の地主マクシーモフ、無口で学識のある病身のパイーシー神父、ヨシフ神父、そして神学生ラキーチンも集輯する。
    フョードルがゾシマ長老に失礼な態度をとるのではないかと危惧されていたが、肝心のドミートリーの到着が遅れるなか、さっそくフョードルの一人舞台が始まる。ゾシマ長老はいったん中座し、長老に会うためにはるばる修道院に押しかけていた民衆たちの元へ歩を運ぶ。――4歳の息子に先立たれ絶望に暮れる母親。軍務に就いている息子からの手紙がないことに不安をつのらせる母親。逆にゾシマ長老を元気づける純朴な農夫。信仰に素朴な疑問を抱き恐れおののくホフラコーワ夫人――。ゾシマ長老と彼らとのあいだに感動的な対話がなされる。が、長老の横でまじめな態度を崩さないアレクセイに茶々を入れる車椅子のリーズに、長老はやんわりと釘を刺す。
    ゾシマ長老が庵室に戻りカラマーゾフ一家との会合が再開される。イワンがかつて書いて評判になった教会裁判の論文が話題にのぼる(犯罪者救済にかかわる教会裁判の話)。また、彼のニヒリズムが開陳される(魂の不死や神を信じない者にとっては犯罪は必要不可欠であり認められるべきだ)。ミウーソフは社会主義的なキリスト教徒ほど恐ろしいものはないという(『続編』のヒントか?)。ドミートリーがようやく到着するが、案にたがわずさっそくフョードルと激しくやりあう。ドミートリーからは、フョードルは父親でありながらドミートリーの手形をスネギリョフに頼んでグルーシェンカに手渡した、という話が明かされる。逆にフョードルからは、この時ドミートリーが怒って料理屋「都」の前でスネギリョフのあご鬚をつかんで振り回した、という醜態が暴露される。フョードルの道化はとどまるところを知らず、やがて庵室は彼の独壇場になる。なぜかゾシマ長老は不意にドミートリーの足元に額づける。昼食の時間がきたため会合は解散。フョードルは悪態をつきながら帰っていく。
    ゾシマ長老はアレクセイに「悲しみのなかに幸せを求めよ」と遺言して、修道院を出るよう命じる。
    アレクセイはたれこみ屋の神学生ラキーチンから、ドミートリー、イワン、カテリーナ、グルーシェンカたちの混みいった事情を知らされる。
    修道院長との昼食が始まる。が、消えたと思っていたフョードルが再登場、修道院長の前で狼藉のかぎりをつくす。フョードルはマクシーモフを“フォン・ゾーン”といってこきおろし、今度こそ本当に、イワンを伴って馬車で辞去する。

    第1部第3編 女好きな男ども【一日目 十三時半頃~二十時頃】
    フョードルはふだん母屋に一人住んでいる。中庭にある離れにはグレゴーリーとマルファがいて、台所もそこにあり、そこからわざわざ母屋に食事を運んでいる。
    グレゴーリーは固陋で迷信深い老人だが、フョードルは自分にはないこの男の愚直さに一目置いている。
    グレゴーリー夫妻のあいだに一度だけ子供があった。が、それは六本指で生まれてきて数日で亡くなった。竜とあだ名して一度もその子を愛せなかったことを、信心深いグレゴーリーはいまだに深く悔い悩んでいる。
    六本指の子供を葬ったその日、白痴の少女スメルジャスチャヤがフョードルの屋敷の高い塀を乗り越え中庭で赤ん坊を出産して死ぬ。赤ん坊はグレゴーリー夫妻に引き取られ、(フョードルがスメルジャスチャヤを犯して妊娠させたと噂されることから)パーヴェル・フョードルビッチ・スメルジャコフと名付けられる。
    …ところで例の狼藉のあった昼食後、カテリーナの要望(昨日修道院でホラコーワ夫人にもらったメモにあった)どおり、アレクセイは彼女の元へ急ぐ。道すがらドミートリーに呼び止められる。ドミートリーは生垣に身を潜め何かを見張っていたのだった。アレクセイは兄から、カテリーナとのこれまでのいきさつを説明される(彼女の父が公金を横領し一家が破滅の危機であったこと。それに乗じてドミートリーは金をちらつかせ⦅…フョードルが六千ルーブルの大金を送ってよこした。その金でドミートリーの遺産の権利が喪失したのだが…⦆カテリーナを凌辱しようとしたこと。結局金を貸し与えるだけで終わったが、逆に彼女から慕われるようになったこと。彼女は高潔であり、自分は薄汚れているということ。カテリーナからアガーフィアに送金するよう信頼して渡された三千ルーブルを自分は拐帯し、グルーシェンカとジプシーたちとで蕩尽してしまったこと。フョードルがグルーシェンカを籠絡するため、今まさに三千ルーブルの現金を布団の下に隠しもって彼女を待ちかまえていることなど)。ドミートリーはアレクセイに頼みごとをする。すなわち、フョードルにその三千ルーブルを無心してくれと。その金をカテリーナに返して晴れて自分はグルーシェンカと結婚するのだと。それから、自分が今見張っているのはグルーシェンカがフョードルのところに来て三千ルーブルをもらって結婚するのを阻止しようとしているのだと。アレクセイは不承不承、フョードルに金を頼みに行く。
    フョードルは食事をしながら、イワン、スメルジャコフ、グレゴーリーと議論を戦わせている(フョードルはイワンに商用でチェルマシニャー県に遣いにやりたいと考えているが、イワンは返事を保留している)。聖書を揶揄するような理屈を弄するスメルジャコフをフョードルはロバといってバカにする。グレゴーリーは生意気なスメルジャコフにカンカンになって怒っている。イワンが言う「神はいません」「不死だってありません」。そこに錯乱したドミートリが怒鳴り込んでくる。家にグルーシェンカが忍び込んだというのだ(これは単なる見間違い)。ドミートリーはフョードルを殴り倒し、アレクセイにカテリーナのところにいくよう指図して姿を消す。したたかに殴られたフョードルはアレクセイに明日の朝、ここに立ち寄ってくれるように頼む。
    ようやくカテリーナの家に着いたアレクセイ。ドミートリーの近況を話し合うが、アレクセイにはどうしてもカテリーナの底意がつかめない。カテリーナはグルーシェンカが当時将校だった昔の男とよりを戻すと言ったといって誉めちぎる。そこへだしぬけにカーテンの向こうから本物のグルーシェンカが登場する。カテリーナはグルーシェンカを下にも置かない持ち上げようだったが、グルーシェンカはアレクセイが来る前と態度を一変し、またドミートリーを誘惑すると言い放って、カテリーナを侮辱し始める。グルーシェンカに翻弄されたカテリーナはそれまでの余裕が崩壊、口汚くグルーシェンカを罵りはじめる。
    カテリーナの家を出るとき、アレクセイはカテリーナの小間使いからリーザからの恋文を受け取る。
    修道院への帰り道、おどけたドミートリーに再び呼び止められる。ドミートリーは意味ありげに、拳骨で自分の胸の上を叩く。(第4部第11篇で明かされるが、このあとドミートリーは居酒屋「都」に行って酔っぱらい、カテリーナに宛てた殺人計画が記された手紙を書く。)
    修道院にやっと帰り着いたアレクセイは、ゾシマ長老がこん睡状態にあることを知らされ、疲れ果てて深い眠りの中へと落ちていく。

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著者プロフィール

ロシアの小説家、思想家。トルストイやチェーホフとともに19世紀後半のロシア文学を代表する文豪。

「2008年 『罪と罰 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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