永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

著者 :
制作 : 中山 元 
  • 光文社
3.62
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本棚登録 : 757
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751081

作品紹介・あらすじ

自分の頭で考える。カントが「啓蒙とは何か」で繰り返し説くのは、その困難と重要性である。「永遠平和のために」では、常備軍の廃止、国家の連合を視野に入れた、平和論を展開している。他3編を含め、いずれもアクチュアルな問題意識に貫かれた、いまこそ読まれるべき論文集。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作2作含む5編入り。「啓蒙とは何か」は最近読んだオルテガの大衆の定義を思い出す。教えられたことを覚えてそれに囲まれているだけじゃなく、ちゃんと考えろってことなんだけど。学ぶのは哲学ではなく哲学的に考えることが哲学です、みたいなこと。

    「永遠平和のために」は平和条約は単なる休戦に過ぎない、真に平和な世界になるために、「国際法」「世界市民法」「公法」の成立する条件などを道徳的な政治と政治的な道徳を軸に掘り下げた論文。

    「万物の終焉」が私にはとてもおもしろく感じた。

    どこを切ってもカントだなあという感じ。

  • 飜訳は分かりやすかったけれども、内容そのものが難しかったので、ついて行けませんでした。

    翻訳者である中山元氏の平易で丁寧な解説のおかげで、すこしは分かった気になったけど。この解説だけ読んでおけばいいような気もする。本末転倒だけど。それぐらい解説は素晴らしかった。

  • 「永遠平和のために」を読むにあたり、これか岩波かで迷ったが、こちらにして正解だった。さすがは後世に名を残すだけの事はある。キリスト教が支配する地域と時代ながら、一部のカソリックに対して批判するところがあったり、なかなか面白く読めた。二百数十年前も、偉大な人が考えてる事は同じだった。

    読んでいたら、安藤昌益のいう法世のことを想起した。

    昨日読んだ岩波版純粋理性批判は訳が古かったのか、或いは訳者の理解が不十分だったのかも知れない。古典新訳文庫で読み直してみるか。

  • カントの晩年の著作を集めたもの。
    カントの中では、短くてわかりやすい。
    抽象化された一言一言は、現代の諸問題、例えばイスラム国とかトランプさんとか、イギリスのEU離脱とか、そういったものも痛烈に批判しているようにも感じる。

    学ぶことがなぜ必要か?
    戦争はなぜ起きるのか?
    反社会的思想はなぜ必要なのか?
    道徳だけではなぜ平和にならないのか?
    国家とはなにか?

    そんな問いに、明確に答えてくれていて、気持ちが良い。

    人間は、矛盾した存在だからこそ、進歩してきた。
    それをきちんと認めた上で、より高い次元に哲学的に考察することが必要なのではないか。

  • 「啓蒙とは、人間が、自ら招いた未成年の状態から抜け出ること。未成年の状態とは、他人の指示を、仰がなければ、自分の理性を使うことができないということ。
    原因は、人間の怠慢と臆病にある。」
    「他人の後見人と僭称したがる人々が多い。」
    こうありたくはない、と常に思う。

  • 紆余曲折あってカントへやってきた。批判書に取り組んで、格率を考えてみなければならない。来年の課題のひとつだ。

    哲学と心理学を平行して検討しながら、現場の知恵に移植しようという目論見にとって、本書などはずいぶん有効なもので、学の領域に閉じ込めておいてはモッタイナイ。

    悪は進化への契機である、とする歴史哲学論考も魅力たっぷりである。

  • 哲学は、文章が文字化けしてるぜ!
    と感じる人にお勧めの本。

    ただし、結構言い換えている部分も
    あったりするので、
    これらの作品を完全に汲み取りたい場合は
    堅めの訳のを読まないと難しいかも。

    生きていくうえで、
    大命題になるであろう
    「平穏に暮らすには」という命題に
    答えたもの。

    ただし、これは答えを知らないほうが
    ある意味、幸せと言えましょうか。
    そう、そうなった場合を考えると。

    私はいまだに、未成年のままですな。

  • カントの論文『永遠の平和のために』『啓蒙とはなにか』などの論文をまとめた文庫本。

    啓蒙とはなにか、またなぜ啓蒙が必要なのか。

    平和のためになにがなされるべきなのか。

    人類にとって大きなテーマであるこれらの問いに様々な意見を加えてゆく。

  • 深い。
    啓蒙とは自らがまねいた未成年の状態から抜け出ること。

    いったいどの位の人が啓蒙されてることになるのだろう。
    啓蒙も正しいものと正しくないものとあるのではないか。

    永遠平和のために
    常備軍を放棄、と言ってみたり、互いに競わせて連合を作って均衡を保てと言ってみたり矛盾をはらみながらも、第一時対戦も起こる前からこのようなことを論じてるなんて。

    200年以上経って、進歩したところもあれば前より複雑化したこともあるし変わらないこともある。

    永遠平和が実現されるためには、牧歌的生活に戻るしかないのか、それとも相互牽制による表面的なものなのか。

  • カントの著作を例にしても
    いかに人間の理性への信頼のほどが分かる。

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