ジェイン・エア(下) (光文社古典新訳文庫)

著者 :
制作 : 小尾 芙佐 
  • 光文社
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本棚登録 : 236
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (588ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751142

感想・レビュー・書評

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  • 忌避していたのがすごくもったいなかったです。
    それぐらいに、読んでよかったな、
    と思える作品でした。

    この時代に、こんなに芯の強い女性は
    そうそうはいなかったと思います。
    たとい、どんな誘惑があったとしても、
    一途に想った人を貫き通しました。

    普通だったら、愛する人に
    とんでもない事実が出てきたら
    下手をすれば死にたくなることでしょう。
    でも彼女は、決して逃げませんでした。

    偽りの愛は自らを磨耗させます。
    だけれども、本当の愛は
    人生を充足させます。

    たとえ、その人が傷を持ち
    かつて過ちを犯したとしても…

  • 面白かった!
    最後まで読んでみて、「ああ、訳が秀逸だったのだなあ」と気付いた。
    かの有名な一節、「読者よ、わたしは彼と結婚したのだ!」が、かくも丁寧に控えめに語られていようとは。
    ジェインの口調は終始敬語が貫かれているし、それは彼女が持つ荒々しい人格を隠し礼節を弁えているという美徳を際立たせている。
    正直に言おう。下巻を読んでいる時点ではもう、ジェイン・エアを嫌う気持ちはなかった。というか、好きだった。
    原文で読んでも同じ感想を持ったかはわからない。このひとの訳したジェイン・エアが好きだ、ということだ。

    展開も波乱に見舞われ、狂った妻の登場、ロチェスター邸からの逃亡、そして新しい人々との出会いと暮らしと、ページをめくる手が止まらない。
    一番驚いたのは、やはりセント=ジョンだよね。彼は「いいお兄様」ではあっても、「いい恋人」にも「いい夫」にもなれない。絶対なれない。
    自分に関わってこなければ害もなく、見栄えのいい置物のような感じなのだけれど、災難だったなあ、ジェイン。
    それにしても変な男にばかり好かれるものだよね。
    ここまで色んな人に「不器量」と噂されるというのも不自然だよね?ダイアナは彼女のことを「きれいすぎる」と評したし、ジェインが自分の顔にコンプレックスがあるがゆえの思い込みと考えてもよさそう。

    とにかく続きが気になるし、ハラハラするし、予想外の展開もがんがん待ってるし、多少ご都合主義的なところもあるけれど、面白いです。
    名作だしとか古典だしとかでちょっとでも気になる人は是非この光文社のこの人の訳でどうぞ。
    わが大学の教授による、解説になってない解説もついてるしね。笑

  • これぞ小説!

    運命に翻弄されるヒロイン、嗚呼ジェインの行く先は…!
    なリーダビリティ、あとがきで「弱点」とされていたのも納得な
    御都合主義的展開はあれど、いやー面白い。
    「小説」が軽視されてたのもそれでも人々が夢中になってしまうのも
    とってもよくわかる、現代に確実に続く近代の面白さ。

    ジェインのキャラ立ち具合、この強さ。
    道徳を多分に含み、同時にそこから大幅にはみ出す自我。
    ムーア・ハウスで物乞いに間違えられたとお怒りの下りでは
    現代日本人の感覚ではちょwwwと思わざるを得ないのだがw
    身分が上の相手ににも無用な劣等感を抱かない、
    激しい感情を持ちながらいつまでも怒りにも悲しみにも過剰に溺れる事がない、
    他人だけではなく自分に対してもどこか引いた視点を持っている、
    うーむ、ヒロインの器…

    高慢と偏見でも思ったけど
    外見に対してすごく比重が大きいし、引くぐらい率直に
    口に出して評するよね…

    ムーア・ハウスの質素で手入れの行き届いた描写、
    これ、こういうのが本当は理想の家なんだよ……

  • ロチェスター氏との恋の鞘当てはよく覚えていたけど、破談になった後のジェインの行動は、すっかり忘れていた。
    読み返してみると、そこもなかなかドラマチックで面白い。特にもう一人の男性の存在が、幸せとは何か?という問題を提示している。

  • はらはらしながらページを捲った本であった。
    学生時代に読んでおけば良かったと思う良本。
    『嵐が丘』よりもこちらの本の方がすき。
    『赤毛のアン』と比較研究されてもいるようで、アンファンとしても興味深い。
    大円団の結末で本当にほっとした。
    セントジョンと結婚してしまったら、暗い気持ちのまま本を閉じていたであろう。
    セントジョンは本文中でジェインが述べていたとおり、ジェインを道具だと思っている。
    よくもまあジェインの気持ちを聞かず、あなたは私と結婚すべきなのですと言ったことを言えるものである。最近恋愛結婚した自分としては、読み流せなかった。それとも当時のイギリスでは男性の言ったことは絶対だったのだろうか?(本文を読んでいるとそうとは思えないが)
    やはり男性女性ともに、双方の気持ちが一致して結婚するべきだと、現代に生きる私は思うのである。

  • 途中までは一応予想通りの展開。結末はもう一捻りくるかと思ったけれど、これはこれで十分に楽しめました。さすがは古典的名作。

  • 下巻は、上巻に比べると都合のいい展開が多くて残念でした。でも、自らの手で運命を切り開こうとする、ジェインの姿は魅力的でした。
    大きな秘密がありながらジェインと結婚しようとするロチェスターも困った人ですが、神の名のもとにジェインを利用しようとするセント=ジョンはそれ以上に困った人だと思いました。(^^;

  • 残酷な親戚家族、理不尽な教育を施す寄宿学校、謎めいたお屋敷と暗い魅力を持つご主人さま。孤児ジェイン・エアの人生の「冒険」を描いた物語です。

  • 義理の家から孤児院へと送られたジェイン・エアは、そこで学んだ知識を生かし、外の屋敷で家庭教師の職を得る。勤め先の屋敷の主人はどこか暗い陰のある風変わりな人物だったが、年齢や立場を超えた友人として交流するうちに、彼女のなかに次第に彼に惹かれる感情が生まれていく。

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    義理のおばから苛め抜かれる辛い子供時代を経て外の世界へ、そこでようやく得た幸福もつかの間、それを引き裂く残酷な事実、そして苦難の道のりへ――となかなか振り幅の大きい物語。終盤彼女の前に現れる人物がなんだかすごい。彼のよくわからない説教をジェイン・エアと一緒に聞いているうちに、自分がすごく駄目な人間になったような……。ジェイン・エア、一歩も引かずよくがんばった。

  • 男女雇用機会均等法などなど、本当に平等になった?ジェンダーの現実を生き抜く女子のための入門書。

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