クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
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本棚登録 : 849
感想 : 118
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751159

作品紹介・あらすじ

並はずれた守銭奴で知られるスクルージは、クリスマス・イヴにかつての盟友で亡きマーリーの亡霊と対面する。マーリーの予言通りに3人の精霊に導かれて、自らの辛い過去と対面し、クリスマスを祝う、貧しく心清らかな人々の姿を見せられる。そして最後に自分の未来を知ることに。

感想・レビュー・書評

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  • すっかり光文社の手先…ってこのくだり何度目?

    ってことで数えてみました!
    ひまわりめろん出版社別既読数ベスト5!!(ドンドンドンパフー)

    既読746冊中(2023年3月20日現在)

    第5位 新潮社 61冊
    第4位 東京創元社 63冊
    第3位 早川書房 78冊
    第2位 講談社 80冊
    第1位 文藝春秋 85冊

    でした!ちなみに光文社は43冊で第6位でしたまあまあ多いですが手先感は今ひとつ
    なんかすんませんしたっ


    もちろんみんみんも集計(なにがもちろんなのか)
    ※ちょっとデータ取りが雑だったので多少の誤差あり、あとレビューがあがってる509冊を対象にしてます

    第5位 光文社 30冊
    第4位 新潮社 33冊
    第3位 KADOKAWA 48冊
    第2位 文藝春秋 51冊
    第1位 講談社 59冊

    おおー、なんか色出たかも
    (KADOKAWAと角川春樹事務所をまとめて角川グループで集計すると63冊で1位になる)

    ちなみにおびーは登録991冊中346冊が新潮社でした(既読に絞るともっと割合あがる)
    まさに新潮社の手先w

    • ひまわりめろんさん
      おお!
      新潮社がちょっと抜けて1位だね
      リトルおびー

      しかし、早川書房と東京創元社て思ってた以上にみんなランクインしてこないなー
      おお!
      新潮社がちょっと抜けて1位だね
      リトルおびー

      しかし、早川書房と東京創元社て思ってた以上にみんなランクインしてこないなー
      2023/03/21
    • おびのりさん
      再確認ありがとうございます。自分の本棚に、新潮文庫のタグを作ってます。もうやめれば良いのにと思います。取り憑かれているんだと思います。
      だっ...
      再確認ありがとうございます。自分の本棚に、新潮文庫のタグを作ってます。もうやめれば良いのにと思います。取り憑かれているんだと思います。
      だって!昭和の文庫の紙質は、出版社で差があったんだもん。角川なんか茶色し、岩波は装丁無いも同じだったし!本棚に綺麗に並べるのに揃えてしまったのよ。
      2023/03/26
    • ひまわりめろんさん
      分かる!
      わいも昔いろんな出版社で書く作家さんに対して
      本棚が美しくなくなるんだよな~って苦々しく思ってたw
      分かる!
      わいも昔いろんな出版社で書く作家さんに対して
      本棚が美しくなくなるんだよな~って苦々しく思ってたw
      2023/03/31
  • クリスマス・キャロルとはクリスマスを祝う歌のこと。1843年に出版された中編。タイトルからてっきりクリスマスを祝う温かい家族の話を想像したが、実際は守銭奴であるスクルージという男がクリスマスの精霊からその冷酷さを説法されるという物語だった。クリスマスの精霊は三体現れて、それぞれ過去、現在、未来のクリスマスの風景をスクルージに見せる。精霊は喋らず、ただ無言でスクルージに彼の姿と、彼に関わりのある者が彼のことをどう思っているのか見せつけるのだ。このスクルージは商人で、クリスマスを祝いに来た甥を「おととい来い!」と追い返すなど、およそ人の心の温かみの無い人物。そんな彼が本当に悔い改めて変われるのどうか、読者は付き合うことになる。

    面白さはまあまあといったところ。ディケンズに求めている娯楽性とはまたちょっと違った気もするけど、あまり説教っぽくなく説法するのはディケンズならではなのかな。この人が描く温かい家族は本当に生き生きとしていて、その場に居合わせたくなる。半面、冷酷な男を書くとここまでうんざりさせられるのかと改めてディケンズの筆力に感服した。ただ精霊という超常現象に頼るあたりが、少し小説の魅力を損なわせている気がした。ディケンズならクリスマスを祝う温かい家族の物語を真正面から堂々と書けただろうし、そっちのがよかったのではと思ったが、そうなるとこのキャラ立ちの激しいスクルージが生まれなかったわけだから、やはり書かれるべくして書かれた小説なのかもしれない。

  • クリスマス・キャロルとは…
    クリスマスの時期に歌われる聖歌の総称。

    数年積んでいた。
    今年こそ、きちんと読もう!とクリスマスが来る12月に季節を合わせて読んでみた。
    初・ディケンズ。

    スクルージ―&マーリー商会。
    商売の相方マーリーに先立たれる。
    スクルージ―は高慢ちき、冷徹で無慈悲、守銭奴、ケチ、がめつい…。毛の一本までむしり取る。ちっともいいことが書かれていない主人公。

    7年前に亡くなったマーリーの亡霊が現れて忠告する。
    過去、現在、未来のクリスマスの精霊が現れて、時空を超えて旅をする。
    悲しかったこと、貧しい生活だったこと、嫉妬したこと、人生の清濁を振り返る。
    そして人に対する思いやり、温かい心に目覚める。改心する。

    風景が北国の冬と似ていて美しかった。
    海外作品は訳され方によっても見え方が違ってくる。
    他の訳者の本も読んでみたいし、映画も見てみたい。

  • 言わずと知れた名作。守銭奴と言われるスクルージに、7年前に死んだはずの同僚マーリーの亡霊が現れ、「夜中の1時に3人の精霊がやってくるから会うように」と言われる。一人ずつやってくる精霊に連れまわされるうち、スクルージに変化が•••
    昔に読んだものより遥かに読み応えがあるように感じた。翻訳のせいだろうか。これでもかと重ねてくる表現や形容には舌を巻く。また解説とあとがきを記す訳者の池央耿さんの知識の深さや広さに脱帽した。キリスト教やイギリスの風習など、勉強になる物が多く、もう少し深く読み返したい。

  • 村岡花子の訳に馴染めず、半ばにして訳者を変えてあらためて読みなおした。中身がぎっしり詰まった短編。描写が鮮明で幽霊が浮き立たない。幽霊と言えど怖くはない。主人公が自己を省みる道しるべの存在。スクルージは吝嗇だが悪人ではない。幼い頃の環境が生活において頑なな人物に仕上げた。家族を大切に思う気持ちを読者に深める名著。2021.5.16

  • <お爺ちゃんがかわいそう……!?>


     以前、何を思ったかクリスマスと一切関係ない時期に読んだのが心残りだったので、今年は冬を待って本を開きました。引きこまれます。クリスマスの精霊たちの強引さにグイグイと★ とんでもない人たちだな。霊ですから、人間の尺度でモノを考えても仕方がないのですが……

     心の狭いドケチ爺さん・スクルージは、クリスマスの数日前から怪奇現象に苛まれ、夜な夜なクリスマスの霊とやらに連れ回されます。霊たちは、爺さんが貧しい人を平気で傷つけてきた狭量さ、救いを求める人の声をばっさり切り捨ててきた冷酷さ、端から見るとどれほど意地悪な印象かを無理やり振り返らせたため、爺さんは別人のように心を入れ替えるのでした……★

     スクルージ爺さんが思いやりをなくしていた点は、人間として問題がありそうですが、案外、この偏屈なお爺さんが嫌いになれません。言い分は何となく分からなくもないです。
     私も、クリスマスの浮かれた雰囲気に「どこがおめでたいものか、馬鹿らしい!」と感じます★ ケーキやチキンや何やと、何もかも商業的なのが気に入らないね。あと、繁華街を数メートル歩くだけで、寄付を求める人々があちこちに見えます。困窮している方々は気の毒ですが、すべてに応えていたらこちらが食べるに事欠くでしょう。まずはコツコツ働いて自分の暮らしを立て、財布の紐を締めるのが悪ですか?
     しかし、クリスマスの霊とやらは、超常現象を起こしてお爺ちゃんを脅し、力づくで悔悛させるのです。お爺ちゃんがかわいそう……★
     ただ、演劇チックで大袈裟で、やたらと極端なので面白い☆

     ひねくれた感想になりましたが、誰もが祝福される一日を描いた物語で、最終的には素敵な心地にならずにはいられません。自分のために生きるだけでは、孤独まっしぐらです。誰かのために運を回してこそ幸福になれる。霊からの教訓(笑)は圧倒的に正しいです。ええ、圧倒されましたとも……

  • 所々泣いてしまう。良い話である。

    しかし、良かったと思う一方、斜めに見ている自分がいる。

    スクルージは頑固で人に無関心、冷たいけど、悪人ではない。
    周囲の人はそんなスクルージを変人扱い程度でたいして憎んでいるわけでもない。
    だから、成り立つ話ではないかと思う。

    例えば、スクルージが人に対して、罵詈雑言を何度も浴びせる人だったら?もし、何度も暴力を振るう人だったら?何度も金を借りに来る人だったら?などなど…
    何度無言で許しても、何度もそうやって酷い目にあわせる人だったら?
    謝罪もなく、突然調子よく愛想を振りまいてこられて、周囲は許せるのだろうか。

    周囲が許せる範囲であれば安全だけど、許せない範囲であれば、なかなかこうはいかないのではないだろうか。
    …という考えもよぎってしまった。

    でも、ともかく、悪人ではないスクルージのような人の設定であれば、この話はとても心に響くものだと思う。
    クリスマス前に毎年読み返してもいいかも。

  • ちょっと早いけれどクリスマス気分で。強欲で冷淡な嫌われ者スクルージの人物描写がすごい。酷い。でも極端に悪い表現をしているからこそ、後の人間愛を取り戻したスクルージが活きています。すごくシンプルなストーリーなのに心に残りました。クリスマスにはみんなに幸せが訪れますように!クリスマスおめでとう!と言わずにはいられなくなります。親切心は自分も相手も幸せにしてくれるんだなぁ。

  • 初ディケンズ。もう少し早く読むんだった……。古典作品は面白くないものと思い勝ちだったが、かなり惹き付けられた。筆者の伝えたいことが解りやすい上に、説教じみてない。むしろ感動してしまった。他のディケンズ作品も読みたいなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「他のディケンズ作品も読みたいなぁ。」
      岩波文庫の「ディケンズ短篇集」「デイヴィッド・コパフィールド1~5」がお薦め、それからもう一つチャー...
      「他のディケンズ作品も読みたいなぁ。」
      岩波文庫の「ディケンズ短篇集」「デイヴィッド・コパフィールド1~5」がお薦め、それからもう一つチャールズ・パリサー著「五輪の薔薇1~5」(ハヤカワ文庫)もディケンズっぽくて素晴しいです!
      2013/01/15
  • クリスマスという題材もあって、煌びやかであったり、家族の貧しいながらも温かく祝う、というイメージが読んでいて頭の中をくるくると回りました。
    映像にしたくなる気持ちがわかるなぁ。

    最初は「改心するのが早いな!」と思ってましたが、そもそも根っからの悪人という人ではなく、ケチさは長年積み重ねてきた自分を守るための頑なさ故。
    最後に童心に帰って慈愛を表に出すことができるようになってくれたのが、読んでいてこちらも嬉しくなりました。

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著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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