車輪の下で (光文社古典新訳文庫 Aヘ 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751456

感想・レビュー・書評

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  • 真面目で勤勉で良いことだけを信じてきた若者の行き着く果てが描かれている。過剰な教育に対する批判であり、警告でもある。ひとつのことにとり憑かれた者が如何に盲目で正しい者の声が耳に入らないことか。また、幼少期の教育が如何にその後の人生に影響を与えるかを示唆しているように思える。何度も読み直したい一冊。

  • がんばって、がんばって、ただ自分自身はそうやっていきた。
    レールに縛られるんじゃない。自分の道を進むんだって。
    ひらすらそういう生き方したら、なんだかこの世界自身を遮断しなきゃいけなくなって...。

    学生時代に読んだら、何か変わっていたかもしれない。
    すごく読んでてつらくなる。でも、みんなそう悩んで生きるんだ。
    そう思う。

  • 児童文学の名作。そんな予備知識だけで読んでみたら、思いっきり、教育批判。作者ヘッセの時代には、生徒の個性を尊重する教育なんて存在しなかった。生徒を枠に当てはめることこそ、優れた教師。金八先生なんてトンデモ教師扱いだ。

    都会のエリート教育からはみ出してしまったヘッセの分身、主人公ハンスは故郷へ戻る。そんな彼の劣等感を取り払ってくれたのは、故郷の友人であり、自然だった。

    ヘッセは当時の教育に落ちこぼれてしまったものの、その憤慨をバネにノーベル文学賞。ある意味、良い反面教師に恵まれたってことか。

  • 前に感想文かくために読んだんだけどあのときは新潮文庫のだったかなあ?なんかすごくむずかしくてよくわかんなかったんだよね
    でもこれはやばかった!めっちゃおもしろかった!前半の神学校のところはずっときゅんきゅんにやにやしてた^^かわいいなあ~!
    やっぱり男の子同士のキスとかどきどきするよ じょしだもん!

  • 子どもの頃、少し読んで以来なんだか”苦手だなー”と思っていたヘルマン・ヘッセ。この新訳で再挑戦して、その魅力にようやく気づくことができました。自分が成長した、というのもあるかと思いますが、やはり、古典特有の古さ、とっつきにくさを感じさせない新訳が大きかったように思います。この本をよんでからは、ヘッセの他の作品や、他の古典と呼ばれる小説もよく読むようになりました。私に、”古典への扉”を開いてくれた一冊です。古典、ヘッセが苦手だと思ってる人にこそおすすめです。

  • 周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める……。地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。
    (裏表紙紹介文より)

    ***

    新訳だからか読みやすかったです。

    私的にはハンスの父親がハンスを労ってくれてたのがすごく嬉しかった。
    学校を退学したハンスに対して厳しく接すると思ってたので。

    とても共感できるとこがたくさんある話でした。
    共感したうえで頑張ろうと思えるか、共感したまま引きずられてしまうか、微妙なところですが…。

  • ヘッセの自伝的小説。
    勉学と友情の間で悩む主人公に共感。
    わたしも一人が好きなので、他人とペースを合わせるのが
    無駄なような気がしているので。

  • ヘッセ自身の学校に対しての怨みのようなものが感じられる。
    そういう怨みがましい作品は好きです。

    とても面白く読めた。思春期を描いた作品だったので、思春期の人にこそ読んでほしい。
    私も中高生のときにこれを読めばよかった。
    そうすれば、高校を卒業した今よりも、もっとハンスに共感できただろうと思う。

  • 「くらーいお話」だけでは決してありません!

    学校の教育体制などへの痛烈な批判そして、鮮やかな情景描写、恋も描かれていたために、意外性があり、満足です。
    もし、私が大学受験前に読んでいたら、青年の苦悩だけに焦点が行ってしまったのでしょうが、
    大学3年の今、読んだからこそ、幅広い視点で楽しめたと思います。

    自分の苦しかった経験と、ハンスの体験を重ね合わせて懐かしく振りかえることもできた一冊です。

    ☆を一つ減らしたのは、最後の終わり方があっけなく、いまいちに感じたためです。

  • 中学生の頃に新潮文庫で読んだ時は、ハンスの劣等感に自分を重ね過ぎていて、ここまで繊細な自然描写がなされていることに気付かなかったな。ハンスの運命を、語り手が早い段階から示唆していることにも。なんとなく「いまを生きる」を読みたくなった。

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