シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫 Aロ 4-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (532ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751715

感想・レビュー・書評

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  • 恋を語るなら、美しい詩人のように。

    物語のヒーローが美形だなんて、誰が決めたんだろう。顔は醜いけど、恋心を語るなら誰にも負けないシラノ。宝塚で見たときは、そりゃ全員美形なのでなんとも思わなかったけど、切ない。クリスチャンが途中で気付いてしまうことすら切ない。ロクサーヌが恋しているのは、愛しているのは、その愛のために戦場まで来てしまったのは、クリスチャンにじゃない、クリスチャンの名を借りたシラノの恋心に応えて、だから。ロクサーヌも気付く暇なかっただろうし、それもまた切ない。喜劇って、切ない。

  • ★はあくまで私主観です。
    私、基本的に戯曲が苦手なんです。
    これは諸事情によって読まなくてはならなかったので。

    まあベケットとか安部公房とか、
    戯曲でも好きなものもあるんだけど。
    世界で繰り返し上映されている作品ですし、
    まあね、★が低いのは好みの問題と考えて頂ければ。

    ただ、この本に限って言えば。
    台詞の書き方がどうも好きになれない。
    よく行の途中から台詞が始まるのだが、
    それが読みづらい読みづらい。
    その書き方は会話中に多いので、
    恐らく書き手(訳者?)は視線が流れるようにしたつもりなんだろうけど、
    殆どの読み手は行の頭から始まる普通の書き方になれているだろうから
    返って逆効果なんじゃないかなー。
    少なくとも私にはそうでした。
    それもマイナスの理由かな。

    まあでも訳者は思い入れがあるようで、
    立派な訳注、長い解説、
    作品としてではなく資料も欲しい私のような人間にとっては
    いいかもしれない。

著者プロフィール

エドモン・ウジェーヌ・アレクシ・ロスタン(Edmond Eugène Alexis Rostand)
1868年4月1日 - 1918年12月2日
詩人・劇作家。マルセイユに生まれる。1890年、2歳年長の詩人ロズモンド・ジェラールと結婚。そのときの代父はルコント・ド・リール、後見人は、アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)。1891年長男モーリス、1894年に次男ジャンを得るが、モーリス(Maurice)は、後に作家。ジャン(Jean)は、後に生物学者となる(藤田嗣治の作品に『ジャン・ロスタンの肖像』"Portrait de Jean Rostand" がある)。
29歳で書いたコクラン主演の『シラノ・ド・ベルジュラック』が大当たりし、翌年レジオン・ドヌール勲章叙勲。その後、『鷲の皇子』(サラ・ベルナール主演)で再び大成功を収め、わずか33歳でアカデミー・フランセーズに選出される。第一次世界大戦で従軍を志願したが健康上の理由でかなわず、地方の前線を視察後戻ったパリでスペイン風邪をこじらせ逝去。

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