白魔 (光文社古典新訳文庫)

制作 : Arthur Machen  南條 竹則 
  • 光文社
3.32
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本棚登録 : 146
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751760

作品紹介・あらすじ

緑色の手帳に残された少女の手記。彼女は迷い込んだ森のなかで「白い人」に魅せられ、導かれて…(「白魔」)。平凡な毎日を送るロンドンの銀行員にウェールズの田舎の記憶が甦り、やがて"本当の自分"に覚醒していく(「生活のかけら」)。魔の世界を幻視する、珠玉の幻想怪奇短編。

感想・レビュー・書評

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  • 私には、まだ少し読む時期が早かったのかもしれません。

    幻想・怪奇小説は好きだけれど、
    この作品の表題作「白魔」は、おどろおどろしいお話ではない。
    ただ、知らず知らずのうちに魔に取り込まれていくような感じ。

    ある一人の少女の手記に記された「白い人」とは??
    新訳は読み易いのですが、何故だか内容が頭に入って来ない(笑)
    何度前のページに戻って読み直した事か……

    「生活のかけら」はサクサク読めたものの、イマイチ面白さ分からず。
    中盤以降、徐々に若夫婦の日常に怪しい影が忍び寄ってくる。
    そのあたりからは面白く読む事ができたかな。
    気力のある時にもう一度読み直したい、と思いました^^;

    *・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

    1/19 表題作「白魔」のみ再読。
    今度はじっくりと読み直してみた。昨日よりも理解できました(笑)
    乳母の語る物語が面白く、こちらをメインに読んでみたいかもなんて。

    幻想的で美しい描写が多く、
    ふわふわと出口のない森の中を彷徨っているような不思議な感覚。

  • なんだろう、言い回しがくどい? 邦訳のさいにそうなったのか、原文がそうなのか。
    新訳なのに読みにくい。

  • 中学生の頃ぐらいだったと思うが、ダイヤモンドというのは実は炭素である、ということを知った。また、いつだったか経済?か何かを勉強している時に、宝石の価格が高いのはその宝石自体にそれだけの価値があるというよりは、世の中に物理的な量が少ないから相対的に価値が高くなっている、ということを感覚的に知った。こういう知識がついてしまった私は、宝石に狂奔する人達を何となく白けた気持ちで見てしまうようになっていた。

    しかし『白魔』のようなものを読むと、宝石それ自体の美しさについて考えてしまう。『白魔』は具体的に宝石が出てくる話ではないのだが、そこで表現される世界を宝石に例えたくなってしまう。きらっと光る日常の断片。妖しげな光もある。表題作の「白魔」が特によかった。

    しかし、何度も行きつ戻りつ読み直しになった小説でもあった。話の主筋があちこちへ散乱しているような印象を受けるからではないかと思う。まるまる体の中に入れて、好きな時に好きなところを取り出してみるのがよい小説なのかなと思う。

  • まだ読み始めたところなんだが、「白魔」がしょっぱなから凄くて総毛立つ思い。久しぶりに読書でドキドキしている。
    -----
    読了して思ったのは、マッケンが超常的なこと以外を書く時、とても好もしさを感じるということ。それが、今回南條竹則訳で更に際立って感じられると思う。
    話が超常的な方向に進んできた時に、それまでとても明朗で美しかった文章がもやもやとぼやけて来て、それが僕としては非常にもどかしい。ダンセイニ卿の作品を読んだ時の感じを思い出す。でも、素養のある人にはその辺りが面白く感じる部分になるかもしれない。
    そうは言っても、やはりマッケンの書く話は何か良い。滋味に面白い。
    「生活のかけら」に出てくる予言や、「大いなる来復」の短信のような、意味深なフレーズは独壇場だと思う。その一文だけで深い未知の世界が広がり、戦慄を覚える。

  • なんか自分には染み入らなかった。常々へんてこに対する人間の苦悩恐怖もがき羞恥、そういうのを追いかけてる気がするが、この作品は自分には美しいファンタジックな世界への賛美としか感じとれず薄味だった。丁寧に作られた郷土料理をふるまわれ、素材の良さを感じ取れなかったみたいな。

    冒頭に、聖者とは罪人とはその本質を
    語る部分がある。我々は自分にとって不愉快な人間を罪人と考えたがるが、その行動事態は人情である。盗人は未発達な人間にすぎない。悪とは関係ない。非常に興味深い匂わせが書かれているがそれが具体的じゃなかった。

  • 幻想文学を読みなれていないせいか、ひどく読みにくく、どう受け止めてよいか戸惑った。
    科学や経済が幅を利かせる世界に嫌気がさしたとき、人間の原初の感覚や信仰への回帰願望が起こるのはなんとなくわかる気がする。何か未知のもの、測り難いもの、神秘的なものなどへの憧れというか。魔術に興味のある人が読んだら面白いかも。
    それはともかく、「白魔」の乳母の昔話なんかは単純に読んでいて面白かった。かぐや姫のような物語もあり。イギリスにもこういうお話があるんだなー、そういえば妖精の国だもんなー、とイギリスの昔話に興味が湧いた。ケルト神話やアーサー王物語読みたいな。

  • ホラーというよりも、
    魔術的&神秘的を前面に出した短編集。

  • 『白魔』がとてもよかった。
    何という魔術が施された書物だろう。緑の手帳の扉は魔の道の入口。時の狭間に転がり消えてしまったような神秘の森の入口。足を踏み入れた途端、周囲の景色は相貌を変じる。結びつく風と音楽は翼となって空をわたる。魔法の蕾を揺らす。そして耳へ注ぎこまれる淫靡な調べ。木々に閉ざされた向こうで執行される秘儀、妖美の魔宴。空虚に燃えているのは孤独な魂の情熱。
    森へ群れ集う白い人たちに魔女や妖精だなどと陳腐な名前をつけないで。彼らは秘密の秘密の秘密なのだから。口に出してはいけないし、書き表してもいけない。

  • なぜ読み始めたのかもはっきりとしない。
    軽い感じのものを頂きたかったのだ。
    でもそれにしちゃずいぶん幻想的なものを選択してしまったように思う。いや、正直何も考えず、雰囲気でチョイスしてしまったのだ。
    それで読み終わったは終わったが、何とももやっとすると言うか、普通に読み進めていたつもりが、いつの間にか姿の見えない手に引かれて進んでいて、色とりどりの靄に巻かれ夢に入り込んで悦キメたり、異様な眠気に襲われたりとしていたのだが、気がついたら最期のページを迎えておやまぁとなった気分だ。
    でも、改まって考えて見るとこう言う感覚こそ幻想文学の真骨頂なんじゃないかとも思ったりもする。
    記憶の限りそう言った物の類は澁澤龍彦ぐらいしかないのだが、でもアレはなんか芯がある感じだ。
    柔らかいと思ったら芯に歯ごたえがあって、それが何かと気になって四苦八苦してかじっていると、とーとつになんだか薄気味悪いものがでろっと出てきたりする事も度々、てな具合にだ。


    なんだかふんわりと読み終えてしまったので、特にぴんと来るような部分もなかったのだが、マッケンの経歴を見ていて『パンの大神』はちょっとあらすじに目を通した限り気になった。
    日本では手に入るのかは未確認だが、気が向いたら読んでみようかな。

  • あぁ、うつくしい幻想小説。イギリスの自然と少女たちや男性の幻想が解け合った妖しい魔の世界は素敵な具合にくらくらする。(やっぱり幻想と少女の組み合わせは素敵だと思う)こういうの読むと、広げた風呂敷はきっちりたたまないと嫌!ってタイプじゃなくて良かったと心底思う。読んでる間は夢にまで影響が出た。素敵。

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