種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

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感想 : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751906

作品紹介・あらすじ

『種の起源』は専門家向けの学術書ではなく、一般読者向けに発表された本である。名のみ知られるばかりで、その内容については多くを語られることのなかったこの歴史的な書を、画期的に分かりやすい新訳で贈る。

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れた古典。その構成は、第一部(1~5章)で自然淘汰説(自然選択説)を説明し、第二部(6~9章)でその難点を取り上げ、第三部(10~14章)で生物学諸分野の知見が自然淘汰による枝分かれ的進化によって理解できることを示している。

    私がこの本を読んだ目的は二つあり、一つ目はダーウィンの入念な論証を追体験することである。これは、種の起源はダーウィン本人による一般人向けの要約書であることから、なるべく専門的な知識なしに容赦のない思考のヒントを得ることができると考えたからである。二つ目はある程度ボリュームのある読書体験をすることである。上下巻合わせて800ページ超もある大著を読み通す経験は今後の読書の幅を広げるうえで重要な意味を持つと考えたからである。

    この二つの目的に関しては現代でも種の起源を読むいい理由になると思う。

  • 専門家のための学術的なものでなく一般向けであるとのことである。
    以前から読みたかったのだが、それを知って読むことにした。丁寧で細かく分かりやすい。文章の後に気がついたことがあったら、注意書き、説明も怠らない。現代では知られていることのまとめ書きになるわけである。
    適応しつつ対処していくことにつきるということだろうと思うのである。
    読み終わった後も確認したくなったときのために手元に置いておこうと思う。終わりの“本書を読むために”もとても興味深いことが記してある。

  • 訳者の力によるところも大きいと思うが、その重厚な佇まいに反して読みやすく理解しやすい。
    現代では当然のものとして受容されている「進化論」。形質の獲得が自然淘汰・性淘汰に依るものだという主張は、これほどまでに丁寧になされていたのかと驚く。それほどまでにセンセーショナルな主張だったのだろう。

  • 言わずと知れた名著だが、一般読者向けとあって非常に読みやすい。

    生物学の小難しい話もあるが、実験に基づいた例証が魅力的で、まるでグローバルヒストリーの本を読んでいるようにワクワクした。

  • われわれの知識は浅いのに、
    思い込みだけは
    はなはだしい。

    チャールズ・ダーウィン

  • 19世紀に書かれたとは思えないほど、動植物についてよく調査・研究され、論理的にまとめられている。正確な論述は、ダーウィンがいかに厳格な人間であったかを伺わせる。生物学の基礎をなす極めて重要な古典だと思う。
    「どの生物種でも、生き残れる以上の数の子供が生まれてくる。しかもその結果として、生存闘争が繰り返し起こる。こうした状況下では、自分自身の生存にとって少しでも利益となるような変異をそなえた個体は、たとえそれがいかに小さな変異であっても、複雑で変化しやすい環境下において生き残る可能性が高くなるはずであり、自然によって選抜されることになる(自然淘汰)」p21
    「すべての生物は、ある年などに個体数を減らすということがなければ、指数関数的な増加を続けることで、たちまちどんな土地でも養えないほどの数に増大してしまう。このように生存可能な数以上の個体が生産されるため、同種の個体間、他種との個体間、生息する物理環境とのあいだで必ず生存闘争が生じることになる」p123
    「すべての動植物は指数関数的に増加する傾向があり、生存可能な場所ならばそこで急速に数を増やすはずなのだが、指数関数的な増加傾向は一生のうちのある段階で起こる大量死によって抑えられているに違いない」p126
    「たとえば私はこんな実験をした。縦1m、横60cmの区画を耕して除草し、実生の苗が他の植物の被害を受けずに成長できる準備を整えたのだ。そして、自然に生えてきた野草のすべてに印とつけてその成長を観察した。すると、実生の苗357個体のうちの295個体もが、主にナメクジと昆虫によって食べられてしまった。長期にわたって刈り込まれている芝地を放置して草が生えるにまかせると、勢いのある植物が勢いのない植物を、しかも完全に成長したものまで徐々に圧迫して殺してしまう。実際に芝地の小さな区画(1m×1.2m)を放置したところ、最初に生えていた20種のうちの9種が、他の種の成長の犠牲になった」p130
    「われわれはよく茂った土手を覆う草本や低木を見ると、そこに生えている種数や個体数の割合は偶然のなせる業だと考えがちである。しかし、そういう考え方はとんでもない間違いである。どの生物もみな、個体数を増やそうと悪戦苦闘し、他の植物を食べたり、樹木やその種子、実生の苗を食べたり、林床をいち早く覆って若木の成長を妨害する植物を食べたりという関係が繰り広げられてきたのだ」p142
    「(生きている化石)それらは、閉じ込めたれた地域に住んでいたおかげで、あまり厳しい競争にさらされなかった。そのため、現在まで生きながらえられたのだ」p194
    「地表に生息する無数の生物は、新しい構造を獲得することで互いに闘争し合い、最も適応したものが生き残る。それを可能とする構造上の重要な変更が生じるのは、個体にとって有益な差異を着実に蓄積する自然淘汰の作用なのである」p289
    「ミツバチは深遠な数字の問題を具体的に解いている。貴重な鑞の使用を最小限に抑えつつ、最大量の蜜を貯蔵できる形状の巣房を造っているからだ。熟練した職人が適切な道具と測定器を使用しても、この形状の巣房を鑞で正確に造ることは難しいだろうといわれている。ところがミツバチの集団は、暗い巣の中でその仕事を完璧にこなしているのだ」p376
    「ダーウィンはイギリスの10ポンド紙幣の肖像となっている」p422
    「「種の起源」を読まずして生命を語ることはできない」p423

  • 言わずと知れた古典。
    実際、ダーウィンがなにを書いていたのか知らなかったので読んでよかった。
    ただし、今では常識となってしまった内容を説得しているため、冗長的で読みにくい。
    しかし、進化、生物学を学ぶなら読んでおくべきだろう。

  • 2年前に買ってあったけどやっと上下巻読了。ダーウィンは恐ろしいまでに周到かつ謙虚。

  • 読むのに苦労した。言葉のレベルはそれほど難しくなく、一般書としては楽しめる。だが、しっかりと言葉の咀嚼をしないと理解できない。古典に触れられて良かった。

  • 種の起源〈上〉を読了しました。
    難しい部分が多々ありましたが、「自然は飛躍せず」という言葉が印象に残りました。生物の変異は非常にゆっくりと進むが、その積み重ねがやがて大きな変異となる。人の成長や組織の成長も同じ。今は変化を感じないが、少しずつでも変化を続ければ、やがて大きな成長ができるのだろうと思います。引き続き、下巻にも挑戦します。

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著者プロフィール

イングランド西部のシュルーズベリー生まれ。エディンバラ大学で医学を学んだのち、ケンブリッジ大学に転学。卒業後、英国海軍の帆船ビーグル号に乗り込み、4年半にわたって世界各地をめぐり、ガラパゴス諸島での調査などに従事。帰国後は在野の自然史学者として研究を重ね、1859年に『種の起源』を出版。他の著書に『ビーグル号航海記』『人間の由来』『ミミズと土』など。

「2020年 『ダーウィン『種の起源』を漫画で読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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