種の起源〈下〉 (光文社古典新訳文庫)

制作 : Charles Darwin  渡辺 政隆 
  • 光文社
3.86
  • (16)
  • (20)
  • (20)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 487
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751968

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 下巻では地理的条件などさらに議論の範囲が広がっている。
    あくまでエビデンスを身上とし、そのため不確定なところでは断定を避けている。
    そのためか、ページ数のわりに主張に精彩を欠くように感じてしまう。
    それは現代からみるとそうだ、というだけなのかもしれないが。
    なんにせよ冗長ではありつつ読みやすいので、一読してみることを勧める。

  • 上巻に続き、とても深い研究書である。150年前に書かれたとは思えないほど、進化論について緻密な研究に基づく詳細な記述がある。驚きの一冊。
    「自然は、個々の生物自身の利益になりそうなことならば、膨大な時間をかけてゆっくりとたゆむことなく生物の体のつくり全体に働きかける。そして、どれか一つの種に由来する複数の子孫の生殖機能を、相関作用の法則を通じて変更することができる。つまり、一カ所を変えると、それに応じて次々と別の箇所の変更も進むのだ」p56
    「長い目で見ると、同じ地域にすむすべての種はなぜ最終的には変化するのかという理由がわかってくる。変わらない種は絶滅してしまうからなのだ」p129
    「自然淘汰説が基盤としている考え方は単純である。個々の新しい変種、最終的には個々の新種が生み出され維持されるのは、競争相手となる種類よりも何らかの利点を有しているからである。一方、そうした利点のない種類は、ほぼ必然的に絶滅することになる。これが基本的な考え方なのだ」p137
    「私の学説によれば、ある特定の意味では、新しい種類の生物ほど、高等なはずである。なぜなら個々の新種は生存闘争において、先行する他の種類よりもなにがしかの利点をそなえることで形成されるからである」p164
    「小型ほ乳類が野生化した島は、必ず大増殖している」p255

  • 普段小説しか読まないので、なじみがなさすぎてノートにメモを取りながらなんとか読了した。まず単語が覚えられない。進化や高等といった当たり前に意味がわかりそうな言葉も、自分の認識している意味と違っていることがあって、逐一メモしてた。
    ダーヴィンの情熱。自説への信頼。みえないもの、まだ発見されていないものも信じていて、その背景には想像力、数々の実験、観察、考察と、かけてきた時間、情熱があった。

    そもそもガラパゴスに旅行に行くので読み始めたんだけど、ガラパゴス諸島のことは、進化論を考えるきっかけになったというだけで、そんなに本文で触れられてなかった。上巻で5行くらい出てきたあと、下巻の第12章まで一切出てこなかったので、途中で心が折れかけましたが、いま読まないと一生読了することはないだろう、という確信のもとなんとか読み終えました。読み終えてよかった。ふれたことのない種類のロマンがあった。

  • 2年前に買ってあったけどやっと上下巻読了。ダーウィンは恐ろしいまでに周到かつ謙虚。

  • 個々の種は一つの地域だけで生み出され、その後そこから過去と現在の条件のもとでその移動能力と生存能力の及ぶ限り遠くまで移動した。

    かつては連続的だった多くの種の分布が地理的な変化や気候の変化によって分断されるという出来事が地質時代に間違いなく起こっている。

    創造の中心は一つか複数か

    決して交雑を起こさない生物を考えてみよう。私の学説によればそのような種は他の個体や変種とは決して混じり合わないが相互に取って代わりながら改良されてきた変種の系列の子孫である。そうだとすれば変更と改良が継続して起こることで生み出される個々の変種に蔵する全ての個体はただ一組の親の子孫ということになる。

    「創造の中心はただ一つ」とする学説に対する深刻な難題。
    ー分散の手段

    >
    個々の種から生み出される変異した子孫は自然界の中で可能な限り多くの異なる居場所をしめようとすることから、それらの形質はどんどん分岐していく傾向があるということだった。その他個体数を増加させると同時に形質を分岐させている生物には分岐の程度や改良の程度が遅れている先住民に取って代わって根絶させてしまう傾向が常にあることも示そうと試みた。

  • 2階書架 : 467.5/DAR/2 : 3410160129

  • 読了

  • 言わずと知れているが、未だ必ずしも正しく理解されていないところがある、ダーウィンの主著。

    本書は、ダーウィン自身が述べるように、その全体が大きな1つの論証となっている。
    すなわち、生物の起源を説明する理論として、自然淘汰説がいかに正しく、他方で創造説がいかに誤っているかを、膨大な論拠をもって論じている。
    自説への反論をも「難題」として詳しく検証し、分からないことは分からないと明言する姿勢は、極めて潔く、「科学的」である。

    全体を通して、創造説と闘いながら、生物の起源に見事なロジックで迫っていく、ダーウィンの強い意気込みが感じられる。

    下巻末の「解説」では、ダーウィン以降の生物学の発展に触れられており、その進歩の著しいスピードや、ダーウィンの先見の明に改めて驚かされる。
    この部分を先に読んでおくのもアリだろう。

    入念すぎるほどの論証であり、すぐに読み切ってしまえるようなものではない。
    しかし、ダーウィンの思考をよく理解できるように丁寧に訳されており、訳文はかなり読みやすい。

  • 上巻、下巻を通じて、ダーウィンの観察眼の鋭さと、用意周到な論理にただただ感心させられた。とにかく事実をしっかりととらえて、緻密に自説を論じていく。これが、数百年たった現代でも、生物学の必読書として読み続けられている理由なのだろう。また、分からないことは分からないという潔さのに、ダーウィンの偉大さをより一層認識させられた。

  • チャールズ・ダーウィン『種の起源』と
    川端康成の『山の音』を平行して読み上げました。
    『種の起源』は言わずと知れた近代生物学の礎となった大著、
    方や。あの山本健吉をして「戦後日本文学の最高峰」と言わしめた名品です。

    実を申し上げますと、『種の起源』は学生時代から何度か挑戦し、
    いつもその難解さに断念していました。
    それが、光文社古典新訳文庫版でやっと読み終えることができました。
    原書を読んだことがないのでよくわかりませんが、
    翻訳家によりますとダーウィンさんは悪文で有名なんだそうです。
    だから、英国国教会が「あなたを誤解し、最初の我々の反応が誤りだったために
    まだ他の人々があなたを誤解していることに対して謝罪する」
    という表明をようするまで、150年近く時間を要したのでしょうか(笑)

    一方、『山の音』は透明で繊細な筆致は、
    『伊豆の踊子』『雪国』を読んでいるようです。
    その分、主人公の年齢は徐々にあがり、この作品にいたっては
    私と同年代になっています。
    私は自分のことのようにして読みふけりました。

    さて、『山の音』を読んでいますと、野良犬のテルの話が出てきます。
    息子の嫁がその犬の父の数を数えると10個あるそうです。
    で、調べてみますと、猫は8個、牛4個、豚ななんと14個、
    そして猿は人と同じ2個だそうです。

    でも、雄にも同様の数の乳があるはずです。げんに私だって2つあります。
    所がダーウィンさん自然淘汰の説に寄れば、
    不要器官はやがて退化し、無くなってゆくのではなかったでしょうか?
    つまり男性のオッパイは無くなってゆくハズですが~

    そこで昔読んだ本のことを思い出しました。
    永田和宏「タンパク質の一生」(岩波新書)という本の中に、
    『元々は雌になるべく発生してきた胎児が、
    ある特定のタンパク質を作り出した場合だけ雄になる』
    つまり、女は「存在」だが、男は単なる「現象」にしかすぎないのだそうです。
    それがため、染色体の数も女性の方が1.020個多いそうです。

    世の男性諸君、崇高なる女性に喧嘩を売ろうなんてこと
    ゆめゆめ思ってはなりませんぞ!
    敵はあなたのはるか上をいっております。

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

チャールズ・ロバート・ダーウィン(Charles Robert Darwin)
1809年2月12日 - 1882年4月19日
イギリスの自然科学者。ビーグル号による航海で訪れたガラパゴス諸島での観察に着想を得て「自然淘汰」による進化論を提唱。代表作は、『種の起源』、『ビーグル号航海記』、および『人間の由来』。

種の起源〈下〉 (光文社古典新訳文庫)のその他の作品

種の起源(下) (光文社古典新訳文庫) Kindle版 種の起源(下) (光文社古典新訳文庫) チャールズ・ダーウィン

チャールズ・ダーウィンの作品

種の起源〈下〉 (光文社古典新訳文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする