本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (440ページ) / ISBN・EAN: 9784334751968
感想・レビュー・書評
-
ダーウィンの言わずと知れた名著、下巻。
必ずしも、本著の全てを理解した上で☆5つ!というつもりはなく、むしろ手に余る1冊ではあったものの、ダーウィンの偉業の片鱗が垣間見えた(と感じられた)ことでこの評価をつけてみました。
わかったつもりになって言ってしまうと、本著は「ダーウィンの教会とのケンカの道具(笑」であり、同時に「問いを生む本」だというコトです。
本著、一般向けに書かれたはずの本としては、妙に細かいところを回りくどく論じているように思えてしまうけれど、解説を読んで教会との論争があった旨を知り、「教会の創造説よりも、自分たちナチュラリストの方が創造主の意図を正確に汲み取れますよ」という宣伝だと思えば肯けるような。
そして同時代の学者の論に触れまくっているのは仲間を増やそうとする営みなのでは?種と変種の判断は最後にはナチュラリストの匠の目に委ねているように見えますが、ここだけはロジックを超越しているようにも感じてしまいます。
しかし、先入観なく大量のファクトを収集し、その中から一般的な「規則」を見出そうとした営み。ダーウィンは「種は神が作ったので不変」という当時の支配的な考え方に必死に挑んでいて、その姿はまるで中学校の熱血教師バリの強い信念を感じます(笑
そして、本著の「問い」が後世の学問を発展させた。
問いはダーウィン自身が本著内で述べているものもあれば、読み手が想起させられるものもあり。
前者について、本著内では「わからない」「曖昧だ」と明記している箇所が結構あり、このダーウィンが投げたバトンが、後世の新たな学問分野の発展や、プレートテクトニクスに繋がったのだと思うと、素直に「わからない」と表明することが、後進が解いてやろうと思う課題になるんだなぁと感じました。
後者について、例えば個人的には、人間の遺伝的多様性は時とともに狭まっていって弱体化するのか、それとも自然体で形質が徐々に変化していき地球上で強い種であり続けるのか?という問いが浮かんだんですが、まぁこれは最新の遺伝学の本(の新書とか(笑)で解決しようかと思います。
それにしても、当時の教会に異説を唱えるのはそれは勇気のいることだったんだろうなぁと。ダーウィンは年月をかけて(時代は違いますが)ガリレオ・ガリレイの二の舞にならないためにロジックを整えてきた訳です。
回りくどいように思えたり、こんなのは程度問題では?と思える(素人の浅はかさかも、ですが…)ことにも拘る論理展開は、想定した反論を全て先回りして潰すため。
だからこそこれだけのボリュームになった訳で、読了時にはそこそこの達成感があり・・・個人的には、根性試しの作品でもありました(笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上下巻合わせて約15時間かけて読み終えた。用意周到で徹底的な論証を追うのはここまで大変なものなのかと肌で感じることができた。この経験は分厚い本を読むかどうかの一つの判断として役に立つだろう。
-
「種の起源」を読むと進化論の発表に際してダーウィンがどれほど慎重だったか窺える。宗教家やナチュラリストからの想定反論に対してあらゆる視点から検証し論理武装した結果、学者から一般読者に至るまで広く遍く多大な影響を与える一冊となったといえる。地質学や地域分布も面白いが、特にシンクロニシティに触れている点は革新的な着眼点だと思う。
歴史的名著は、エッセンスを知っていても、実際に読むことが新しい着想を得られるものだ。 -
下巻では地理的条件などさらに議論の範囲が広がっている。
あくまでエビデンスを身上とし、そのため不確定なところでは断定を避けている。
そのためか、ページ数のわりに主張に精彩を欠くように感じてしまう。
それは現代からみるとそうだ、というだけなのかもしれないが。
なんにせよ冗長ではありつつ読みやすいので、一読してみることを勧める。 -
チャールズ・ダーウィン『種の起源』と
川端康成の『山の音』を平行して読み上げました。
『種の起源』は言わずと知れた近代生物学の礎となった大著、
方や。あの山本健吉をして「戦後日本文学の最高峰」と言わしめた名品です。
実を申し上げますと、『種の起源』は学生時代から何度か挑戦し、
いつもその難解さに断念していました。
それが、光文社古典新訳文庫版でやっと読み終えることができました。
原書を読んだことがないのでよくわかりませんが、
翻訳家によりますとダーウィンさんは悪文で有名なんだそうです。
だから、英国国教会が「あなたを誤解し、最初の我々の反応が誤りだったために
まだ他の人々があなたを誤解していることに対して謝罪する」
という表明をようするまで、150年近く時間を要したのでしょうか(笑)
一方、『山の音』は透明で繊細な筆致は、
『伊豆の踊子』『雪国』を読んでいるようです。
その分、主人公の年齢は徐々にあがり、この作品にいたっては
私と同年代になっています。
私は自分のことのようにして読みふけりました。
さて、『山の音』を読んでいますと、野良犬のテルの話が出てきます。
息子の嫁がその犬の乳の数を数えると10個あるそうです。
で、調べてみますと、猫は8個、牛4個、豚ななんと14個、
そして猿は人と同じ2個だそうです。
でも、雄にも同様の数の乳があるはずです。げんに私だって2つあります。
所がダーウィンさん自然淘汰の説に寄れば、
不要器官はやがて退化し、無くなってゆくのではなかったでしょうか?
つまり男性のオッパイは無くなってゆくハズですが~
そこで昔読んだ本のことを思い出しました。
永田和宏「タンパク質の一生」(岩波新書)という本の中に、
『元々は雌になるべく発生してきた胎児が、
ある特定のタンパク質を作り出した場合だけ雄になる』
つまり、女は「存在」だが、男は単なる「現象」にしかすぎないのだそうです。
それがため、染色体の数も女性の方が1.020個多いそうです。
世の男性諸君、崇高なる女性に喧嘩を売ろうなんてこと
ゆめゆめ思ってはなりませんぞ!
敵はあなたのはるか上をいっております。 -
感想は上巻に記載。
-
難しい表現があり理解しづらい部分は多々あるが、進化論の原理が知れるのは面白かった
メンデルの遺伝学など、この本が出版された以降の世界では進化論を更に補強する科学がたくさんあることに驚かされる
また、遺伝や大陸変動など分かっていないことをきっぱり述べるのはダーウィンの性格も起因してるからか科学に対して正直だなと思う
当時の宗教との対立もまた時代を感じさせる内容であった
複数の側面から物を見るべきなので創造説の本も読んでみたい -
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA91295250 -
-
感動した。
前半は難しくて頭に入ってこなかった()けど、中盤以降は膨大な時間の流れを感じてぞわぞわした。身の回りの生き物皆同じ祖先を持つのかと思うと目眩がする。となると人間なんて皆兄弟とか親戚みたいなもの。そう考えたら他人にも少し優しくなれそう。解説のところにもあったけど、人間がどこから来てどこへ行くのか、人生とは何か、などなど考えさせられました!150年前にこの考え方が出てくるのがほんとにすごい! -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742393 -
下巻では、生物の緻密な観察に加えて、主に地質学などの地理的条件を交えて「自然選択説」に関する論証を重ねている。
有名なガラパゴス諸島の生物についての考察がメインであると勝手に想像していましたが、実際は少しだけ登場するだけだったので驚きました。
「自然選択説」は誤った解釈に用いられることが多いですが、ダーウィンが本当に伝えたかったのは「全ての生物は共通の祖先を持ち、環境に応じて姿形を変えながら少しづつ変化を遂げてきた」ということを理解しました。現代の「生物学」の幕開けを感じる大作でした。 -
#科学道100冊/科学道クラシックス
金沢大学附属図書館所在情報
▼▼▼▼▼
https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA91295250?caller=xc-search -
Unlimitedで読んだ上巻がよかったので下巻を自費で購入。
地質学まで踏み込んで、進化の途中段階が見つからないのはなぜか、を解説。さらに、古い地層には原始的な種が見つかり、基本的に原生の種は出てこない。
とにかく驚くのは、メンデルの遺伝の法則も、大陸移動説も知られていない時代に、かなり核心をつく考察を行っていること。
なぜそれができたのかは、自然についてじっくりと向き合ってきたからだろう。20代のうち6年も費やしたビーグル号の航海も大きく影響したはずだ。
進化論に異論は多いが、彼らがダーウィンほどに自然と向き合っているのかは疑問に思う。 -
読もうと思った理由
前巻と同じ
気づき
・自然淘汰説が基盤としている考え方は単純である。
個々の新しい変種、最終的には個々の新種が生み出さ
れ維持されるのは、競争相手となる種類よりも何らか
の利点を有しているからである。一方、そうした利点
のない種類は、ほぼ必然的に絶滅することになる
・変化した子孫をたくさん生み出す優勢な種類は、長い
時間をかけて分布を広げていく。そしてその結果とし
て、類縁関係にある変化した子孫が世界を席巻してい
く。一般にその理由は、優勢な種類の子孫が生存闘争
において劣った種のグループにとって代わっていくか
らだと考えればよい
進化論は当時、社会から認められなかったが事実をきちんと理論立てて説明して根拠をもって語っていることがすごいと思いました。 -
言わずと知れた古典。その影響力はまださらに強くなっていく気がする。「種」をどう分けるかが論点の一つであったこと、論拠としての地質学の重要性、人間に対する言及への配慮が印象的であった。
-
請求記号 467.5/D 42
-
科学道100冊 クラッシックス
【所在】3F文庫・新書 光文社古典新訳文庫 KDタ1-2
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/133922 -
上巻に続き、とても深い研究書である。150年前に書かれたとは思えないほど、進化論について緻密な研究に基づく詳細な記述がある。驚きの一冊。
「自然は、個々の生物自身の利益になりそうなことならば、膨大な時間をかけてゆっくりとたゆむことなく生物の体のつくり全体に働きかける。そして、どれか一つの種に由来する複数の子孫の生殖機能を、相関作用の法則を通じて変更することができる。つまり、一カ所を変えると、それに応じて次々と別の箇所の変更も進むのだ」p56
「長い目で見ると、同じ地域にすむすべての種はなぜ最終的には変化するのかという理由がわかってくる。変わらない種は絶滅してしまうからなのだ」p129
「自然淘汰説が基盤としている考え方は単純である。個々の新しい変種、最終的には個々の新種が生み出され維持されるのは、競争相手となる種類よりも何らかの利点を有しているからである。一方、そうした利点のない種類は、ほぼ必然的に絶滅することになる。これが基本的な考え方なのだ」p137
「私の学説によれば、ある特定の意味では、新しい種類の生物ほど、高等なはずである。なぜなら個々の新種は生存闘争において、先行する他の種類よりもなにがしかの利点をそなえることで形成されるからである」p164
「小型ほ乳類が野生化した島は、必ず大増殖している」p255
チャールズダーウィンの作品
本棚登録 :
感想 :
