- Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334752101
感想・レビュー・書評
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あまりの面白さに一気読み。状況を逐一説明的にしていくのではなくて、色々推測しなくてはいけないから、苦手な人は苦手かと思う。私はこういう文章のが好きだが、昔マルタの鷹を読んだ時のような文章でも問題ない。このノワール感が突き抜けていて、ややもすればひとりよがりになって読者をおいて行きそうな構成も絶妙。
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中だるみせず、最後まで楽しめて読めました。
ちょっと複雑かなとゆっくり目に読んでいたら、
解説でも「読み始めはとっつきにくい」って書いてありましたね。
登場人物を説明する文章がなく、会話の内容から推測していく必要があります。
いきなり出てくる初登場の登場人物に「誰この人?」ってなります。
(毎日電車内で読む。最終章だけ自宅。読了に6日(他の本も併読してますが)) -
ハードボイルド探偵小説の古典と言えるような、作品です。主人公のバーモンドは、賭博師なのですが、友人のマドヴィッグの危機に、彼の事件の解明に乗り出す。乱闘あり、影の大物の登場ありと、ハードボイルドの道具立てはしっかりとできてます。そして、主人公のバーモンドのタフな事。何があっても死にそうにない人物です。
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表情や物腰の変化など客観的な状況で描写を重ねていくスタイルで、ハードボイルドの完成形といわれている。伏線を張り巡らしながらテンポよく話は展開していき、「そうだったのか!」と、何度も膝を打ってしまう。
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ハメットの長編。新訳と言うことで読みやすいですが、昔読んだマルタの鷹とかでも特に不満はなかったような。
最初にメインの殺人が起きて、あとの殺人は周囲で散発的に生じるだけ、という訳で本筋の謎解きはシンプルというかストレートです。ちょっとワガママというかヒステリックなヒロインを啓蒙する展開は、昔らしい感じかも。 -
新訳が出た時に購入し、しばらく積読になっていたが、ようやく手に取り読み終えた。以前、旧訳を読んではいたが、その時には、ハードボイルドの古典と評されるので、なんとなくその美意識にあこがれて読んでみたものの、あまり面白くなかったという印象しかなかった。改めて読んでみて、事件が単純でストーリーを楽しむというよりも、雰囲気を楽しむ、ハードボイルドという様式美を味わう、ということがはっきりした。あと、主人公は「ネッド・ボーモント」ではなく「ネド・ボーモン」のほうがしっくりくると思う。
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ハードボイルド探偵小説を初めて読んだ。映像作品を通して、作家やストーリーは知っているし、主人公もこういうものなんだろうなっていう先入観にまみれた状態で紐解いた。どうにも展開される会話や話術に馴染めない。どうしてこうも往生際の悪い話し方をするんだろうね。逆に言うと、欧米の人からは日本人の突然の「切れ方」が理解できないんだそうだ。この乖離が太平洋戦争を引き起こした要因とも言われてるけどさ。もうちょっといろんな作品を読めば違和感は消えるかなぁ。
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ハメットの「血の収穫」を遥か昔、創元推理文庫で読んだが、今は手元に無く、最近新訳が出たのは、書店の棚に並んでいるので知っていた。
昔読んだので、内容はほとんど憶えていないので、今度購入しようと思っていた時、光文社古典新訳文庫の棚で、「ガラスの鍵」を見つけ、購入した。
やはり昔、創元推理文庫にあったのだが、今は手に入らない。
この文庫でも、大型書店で丁寧に探さないと見つけられないかもしれない。
全てのハードボイルドがそうではないが、ハードボイルド小説を読むと、何故か元気が出るのだ。
主人公のタフぶりが、伝染するのだろうか。
主人公に感情移入して、自分もタフになった気になるのだろうか。
特に、主人公ボーモントが執拗にリンチされ続けるシーンは印象的である。
一つの事件を通して、親友と住み慣れた街を失い一人の女性を得て、去っていく。
しかし、こんなことを書いても、何の説明にもならないのだ。
ストーリーには、あまり意味がない。
作品世界を体感しなければ。 -
2014年7月5日(土)、読了。