悪霊 (1) (光文社古典新訳文庫 Aト 1-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752118

感想・レビュー・書評

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  • 作品自体は面白そう。まだ事件も起こっておらず、登場人物のやり取りが行われているところ。いずれの人もどこかおかしいところがあり、なにかが起こる気配がある。
    登場人物の数もなんとか覚え切れるくらいに収まっている(私にはこれ重要)。

    ただ、巻末の読書ガイドを真面目に読んでいたところ、このあとの大まかな展開と思われることが書かれており、楽しみの大きな部分を奪われた感じがする。非常に残念。本作品を読みたい人は、読書ガイドを読まないようにするか、自信がなければ他書を読むのがよいかと思う。

  • はっきりいってつまらない。内容が難しいとか登場人物がわかりづらいとか、そういった理解を阻む要素はあるけれども、それを抜きにして考えても単純におもしろくない。『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』も、おなじように哲学的で難解な内容や、わかりにくい人物関係を含んでいるが、この2作品を読んだときは難しくもおもしろさを感じて、やっぱりドストエフスキーは凄い、と思ったものである。本作の場合はどうか。いつまで経っても恋愛だの活動だののいざこざが終わらず、そうこうしているうちに火事が起きてバタバタと人が死ぬのである。徹底的に私小説であればまだ楽しめるのだろうが、こういう「内輪」の話がいつまでもダラダラと続いているだけでは読んでもぜんぜんおもしろくない。むろん、わたし自身に読む能力が欠如しているという問題点はあるだろう。ただ、それでも先に挙げた2作は難しいなりにも楽しめたのに、本作にはそれがないので、やはり作品の問題ではないかと思う。世界的文豪の作品をこう称するのは気が引けるが、長いだけであんまり優れているとも思えない、悪い見本のような作品だと思う。

  • 1巻読み終える。新訳っていうことで、訳が一番気になった。
    あとがきの分量や分析を見ても、かなり力の入った新訳ということになるのだろうけれど、前半は読むのが苦痛だった。例によって、登場人物の名前が覚えられないことが、その理由のほとんどで、出てくるたびに確認をせまられるので、何度も途中で投げ出しそうになった。さらに、セリフの後のいらない!マークや「料理女」などの単語がまだ出てくるのが辛い。これって今の言葉?

     原文でそうなっているのかわからないが、新訳ということなのであれば、この辺の古さと、ぎこちなさを何より改善して欲しかった。今の言葉でない言葉も多量に出てきて、現代の翻訳家のスピード感や言葉のうまさの水準を考えると、この本のレベルは高くない。訳は正確なんだろうけど。もっと、うまく日本語らしく訳せるのではないかと個人的に思える。ようするに読者よりの訳ではなかった。僕にとっては。

    しかし、それでも、第3章以降は読ませた。徐々に忍び寄ってくる得たいの知れない恐怖感が感じ取れる。裏で何かが起こっているという感覚が緊張感をはらんで来ます。訳が辛いが、面白いので2巻も読むと思います。

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